タンゴ用語30選 ~ミロンガに行く前に知っておきたい言葉~

アルゼンチンタンゴを始めると、最初にぶつかるのが「言葉の壁」です。

「タンダ?」「コルティナ?」「カベセオ?」

まるで外国語の授業のように聞こえるかもしれません。

でも大丈夫。実は難しいことではありません。

この記事では、ミロンガ(タンゴのダンスパーティー)でよく使われる言葉を、中学生でもわかるようにできるだけやさしく説明します。

1. タンゴ

アルゼンチン生まれのペアダンスです。

男性と女性という意味ではなく、「リーダー」と「フォロワー」が音楽に合わせて一緒に踊ります。

テレビで見る派手なショーダンスもタンゴですが、実際にはもっと自然で、歩くことを大切にするダンスです。

2. ミロンガ

初心者が最も混乱する言葉です。実は2つの意味があります。

ミロンガ① ダンスパーティー

「今日はミロンガに行く」と言ったら、「今日はタンゴのパーティーに行く」という意味です。

社交ダンスでいうダンスパーティーと同じです。

ミロンガ② 音楽の種類

タンゴの曲には、

  • タンゴ
  • バルス
  • ミロンガ

があります。

このうちミロンガは、明るくてテンポの速い曲です。

つまり、

「ミロンガに行く」と
「ミロンガを踊る」

では意味が違うのです。

3. サロン

多くの人が踊っている一般的なタンゴスタイルです。

派手な技を見せるのではなく、

  • 相手とのつながり
  • 音楽
  • 歩くこと

を大切にします。

特徴は、歩くことが中心、相手とのつながりを重視、フロアを反時計回りに流れる、混雑していても踊れるということで、見た目は、「えっ、これだけ?」と思うくらい地味です。

しかし踊っている本人たちは、音楽、リード&フォロー、抱擁感を深く楽しんでいます。

4. ステージ

観客に見せるためのタンゴです。

テレビや映画で見る、

  • 足を高く上げる
  • ポーズを決める
  • アクロバティックな動き

はほとんどステージタンゴです。
脚を高く振り上げる、ガンチョが多い、リフトがあるというような特徴で、観客向けです。

5. ヌエボ

「新しい」という意味です。従来のタンゴより自由な発想で踊るスタイルです。

動きも大きく、研究熱心な人に人気があります。

6. タンダ

タンゴ文化で最も重要な言葉です。

タンダとは、「同じ種類の曲をまとめたセット」です。

例えば、

  • タンゴ4曲
  • バルス3曲
  • ミロンガ3曲

という感じです。

タンゴでは1曲だけではなく、タンダ全部を同じ相手と踊るのが一般的です。

7. コルティナ

タンダとタンダの間に流れる短い曲です。

「休憩時間ですよ」という合図でもあります。

コルティナが流れたら、

  • お礼を言う
  • 席に戻る
  • 次の相手を探す

という流れになります。

8. カベセオ

タンゴ独特の誘い方です。

遠くから目を合わせ、軽くうなずいて誘います。

直接声をかけないので、断る側も気まずくなりません。

9. ミラーダ

視線を送ることです。カベセオの前段階です。

まず目が合い、その後うなずいて誘います。

このため、

  • ミラーダ=見る
  • カベセオ=誘う

と覚えると分かりやすいです。

10. ロンダ

踊る人たちの流れです。

タンゴではフロアを反時計回りに進みます。道路の車の流れのようなものです。

11. ピスタ

ダンスフロアのことです。

「ピスタに出る」は、「フロアで踊る」という意味です。

12. アブラッソ

抱擁(ほうよう)のことです。タンゴではホールドをアブラッソと呼びます。

上手な人ほど、強く引っ張るのではなく、気持ちよくつながります。

13. コネクション

相手とのつながりです。

タンゴでは、技よりもコネクションが大切 と言われることもあります。

14. オルケスタ

楽団のことです。

タンゴ好きになると、好きな歌手より、好きな楽団の話をするようになります。

15. バルス

タンゴ版ワルツです。

3拍子で、くるくる回るような雰囲気があります。

16. カミナータ

歩くことです。「ただ歩くだけ?」と思うかもしれません。

しかしタンゴでは、上手に歩くことが最も難しいと言われます。

17. オーチョ

数字の8を書くような動きです。初心者が最初に習う代表技です。

18. クルサーダ

足をクロスする動きです。タンゴらしい美しさが出ます。

19. ヒーロ(ジーロ)

回転です。二人で円を描くように動きます。

20. パラーダ

相手の足を止める動きです。

「ここだよ」と足で合図するイメージです。

21. サカーダ

相手がいた場所に足を入れる動きです。

見た目は不思議ですが、タンゴではよく使われます。

22. ボレオ

足がムチのように振られる動きです。ショーでよく見かけます。

23. ガンチョ

足を引っ掛ける動きです。派手なので人気があります。

24. エンロスケ

軸足で回転する上級テクニックです。

上級者が静かに回る姿はとても美しく見えます。

25. ボルカーダ

二人で少し前に傾く動きです。信頼関係が必要です。

26. コルガーダ

二人で外側へ傾く動きです。ヌエボでよく見られます。

27. リーダー

動きを提案する役目です。

一般的には男性が担当することが多いですが、決まりではありません。

28. フォロワー

提案を受け取り表現する役目です。

受け身ではなく、二人で踊りを作ります。

29. ソーシャルダンス

人と交流しながら踊るダンスのことです。タンゴの本来の姿はこちらです。

30. ミロンゲーロ

昔ながらのタンゴ愛好家、またはその踊り方を指します。

混雑したフロアでも踊れるよう、小さな動きと密なアブラッソを大切にします。

特徴として、胸がほぼ接触、非常に小さな歩幅、混雑した会場向き、足技は少ないのです。

イメージとしては、「二人で歩いているだけなのに音楽にぴったり合っている」スタイルです。

まず覚えるなら、この5つ

初めてミロンガへ行くなら、

  • ミロンガ
  • タンダ
  • コルティナ
  • カベセオ
  • ロンダ

この5つだけ覚えておけば十分です。

タンゴは技の名前を覚えるダンスではありません。

音楽を感じ、相手とつながり、その場にいる人たちと同じ空間を楽しむダンスです。

難しそうなスペイン語がたくさん出てきますが、実際にミロンガへ行ってみると、言葉よりも先に「タンゴの楽しさ」が伝わってくるはずです。