※今回の記事は、特に種目調査は、AIの限界に近く、分類含めて、参考としてください。
ペアダンスの種目は、多いという事を感じでいただければと思います。また、それぞれの種目が、影響しあって進歩している点も注目です。
世界の社交ダンス・ペアダンスの体系的分類と日本国内における普及動態
ペアダンス(Partner Dance)は、原則として2名のダンサーが物理的・空間的なコネクション(接続)を維持しながら、主としてリーダー(送り手)とフォロワー(受け手)の役割分担を通じて音楽を身体表現へと変換する舞踊形態である。その歴史的変遷を俯瞰すると、中世・ルネサンス期のヨーロッパ宮廷舞踊や農村の民俗舞踊(フォークダンス)を源流とし、大航海時代以降の植民地主義に伴うヨーロッパの舞踏形式(コントラダンス等)とアフリカ系・先住民系リズムの交配(クレオール化)、19世紀ウィーンやボヘミアにおけるクローズド・ポジション(男女が正面で組む旋回舞踊)の確立、20世紀初頭の北米におけるラグタイムおよびジャズ/スイング革命、さらには20世紀中盤の英国における競技ダンス(インターナショナルスタイル)の標準化を経て、21世紀にはSNSと国際フェスティバル(コングレス)を媒介としたクロスジャンル・フュージョンへと至る壮大な進化の系譜を形成している。
本稿では、競技社交ダンス(ダンススポーツ)、アメリカンスタイル、英国オールドタイム/シークエンス、ヴィンテージ/ラグタイム、スイング/ロックンロール、ラテン/カリビアン、ブラジル系、アルゼンチンおよび世界のタンゴ/南米民俗系、アフリカ/ルソフォニア&クラブ系、北米カントリー&ケイジャン、欧州伝統フォーク/バルフォーク、ならびに歴史的宮廷舞踊の全12カテゴリーにわたり、計267種目のペアダンスを網羅的に体系化する。あわせて、各種目の発祥、創始者・体系化主体、使用音楽・拍子、影響関係(ルーツと派生)、技術的特徴、世界的な人気度、および日本国内における競技団体・スタジオ・ソーシャルコミュニティの存否と普及規模を詳述する。
ペアダンスの構造的分類と歴史的進化のメカニズム
ペアダンスの多様性を生み出す根本的なメカニズムは、パートナー間の物理的距離(ポジションとフレーム)、床に対する重心移動の力学(ライズ&フォール、バウンス、すり足)、そして音楽の拍子とアクセント位置(オンビート、シンコペーション、クラーベ)という3つの構造軸の組み合わせにある。空間的・身体的な接続様式(コネクション)の観点からは、パートナー同士が右半身の肋骨弓を接触させて一体化した回転軸を作るクローズド・ポジション(ボディコンタクトを伴う形態)、アルゼンチン・タンゴやキゾンバ、バルボア、カレッジエイト・シャグのように上半身全体を密着させるクローズ・エンブレイス(Close Embrace)、片手または両手のハンドホールドのみで距離を保ちスピンやスロット移動を可能にするオープン・ポジション(Open Position)、そして一時的に手を離して対面で即興ステップを踏むシャイン(Shine)やブレイクアウェイへと分類される。
また、西洋ペアダンスの歴史的変遷は、時代ごとの衣装と社会規範の変化によって9つの主要な発展段階に区分される。第1の中世期(Medieval dance)においては、絵画や文学的記録に限定されるものの、キャロル、ドゥクティア、エスタンピ、サルタレロ、トロット、ファランドールといった舞踊が存在した。第2のルネサンス期(Renaissance dance)にはスペインの文化的覇権を背景に、重厚な衣装の下で威厳を示すバス・ダンス(低舞踏)やパヴァーヌ、アルマンド、ブランルと、跳躍を伴うガイヤルド、トゥルディオン、カナリオ、サラバンド、スパニョレッタ、そしてリーダーがフォロワーのバスク(コルセット)の下を両手で支えて持ち上げながら回転するラ・ヴォルタなどが分化した。第3のバロック期(Baroque dance)には17世紀フランス宮廷を中心にブルレ、カナリー、メヌエット、ガヴォット、パスピエ、リゴドン、ルールなどが高度に体系化された。続く第4の英国リージェンシー期(English Regency)には、ナポレオン戦争やフランス革命期の社会変動とともに衣装が軽装化し、イングリッシュ・カントリー・ダンス、ポロネーズ、カドリール、スコッチ・リールなどスキップや跳躍を多用するダンスが流行した。
第5の19世紀中葉(Mid-19th century)は1844年の国際的なポルカ・ブームによって幕を開け、女性のフープスカート(クリノリン)の邪魔にならないよう連続旋回するポルカ、シュティッシュ、ツーステップ、ワルツが一世を風靡した。第6の19世紀末から1910年頃(Late 19th century to about 1910)にかけては、フープスカートからバッスルスタイルへの移行に伴って舞踊様式が変化し、ダンス教師たちが自らの社会的・経済的地位を守るために複雑なステップを次々と考案した一方で、ラグタイム音楽が主流社会へ浸透し始め、ケーキウォーク、クラコヴィアク、マズルカ、ラケット、レドワ、ワルツなどが踊られた。第7のラグタイム期(Ragtime era)には、ヴァーノン&アイリーン・キャッスル夫妻がカップルダンスに上品な社会的信用をもたらし、フォックストロット、マシーシェ、ワンステップ、タンゴ、ワルツによる米国史上最大級のダンスブームを巻き起こした。第8の1920年代(Roaring Twenties)には労働から解放された若者世代によってブラック・ボトム、チャールストン、フォックストロット、シャグ、ワルツといったエネルギッシュなダンスが踊られ、第9の1930〜40年代(Swing era)にはビッグ・アップル、フォックストロット、スイング、ワルツ、タップ、ジターバグが隆盛を極めた。
こうした歴史的潮流の集大成として20世紀に確立された競技・社交ボールルームダンスは、英国で標準化されたインターナショナルスタイル(International Style)と、米国で独自に発展したアメリカンスタイル(American Style)の2大体系に分かれている。インターナショナルスタイルは、クローズド・ポジションを厳格に維持してボディフライト(慣性移動)を追求するスタンダード5種目(ワルツ、タンゴ、ヴェニーズ・ワルツ、スロー・フォックストロット、クイックステップ)と、静的なバランスポイントへの到達とヒップアクションを重視するラテン5種目(チャチャチャ、サンバ、ルンバ、パソドブレ、ジャイブ)で構成される。これに対しアメリカンスタイルは、スタンダードに相当するもののオープン・ポジションや男女が完全に離れるセパレート・フィガーを許容するアメリカン・スムース(ワルツ、タンゴ、フォックストロット、ヴェニーズ・ワルツ、および歴史的種目のピーボディ)と、ラテンに相当するアメリカン・リズム(チャチャチャ、ルンバ、イーストコースト・スイング、ボレロ、マンボ、および選択種目のサンバ、ウエストコースト・スイング)から成り立っている。
日本国内におけるペアダンス生態系の多層構造
世界242種目のペアダンスが日本国内でどのように受容・実践されているかを分析すると、日本のペアダンス市場は大きく5つの独立したエコシステム(生態系)に分かれて機能していることが明らかになる。
第1の生態系は、競技・教室型ボールルーム(インターナショナルスタイルおよび日本独自パーティー種目)である。日本国内で「社交ダンス」と呼称される領域の大半は、英国式のインターナショナルスタイル10種目を基盤としている。大学サークル・部活動の統括組織である全日本学生競技ダンス連盟(学連)は全国7地方連盟を擁し、長らく4種目総合戦を主体としてきたが、夏季全日本戦(夏全)においてもヴェニーズ・ワルツとジャイブを加えた10種目化および複数カップルでテーマを表現するフォーメーション(FM)競技を推進している。一方、市民ホールや地域の社交ダンスパーティーでは、入門用のブルース、ジルバ(Jitterbug)、マンボ、スクエアルンバが独自の発展を遂げて定着している。さらに東京(渋谷・五反田・大塚・世田谷等)や大阪(心斎橋・四ツ橋等)においては、映画やクルーズ船で踊られる実用的なアメリカンスタイル(スムース&リズム)を専門的に指導するスタジオ(ジャパンソーシャルダンスクラブ=JSDC、Concordia Dance Works、LM DANCE等)が台頭し、1レッスン1,650円〜2,400円程度のグループレッスンや2,000円程度のパーティーを通じて初心者層を吸収している。
第2の生態系は、ラテン・クラブおよびアフロ・ルソフォニア・ソーシャル(サルサ、バチャータ、ズーク、キゾンバ)である。東京の六本木、新宿、渋谷、日本橋、新小岩、および横浜元町などを中心に、ラテンバーやダンススタジオで毎晩のように19:00頃から23:30頃までレッスンとDJソーシャルタイムを組み合わせたイベントが開催されており、東京エリアでは、多数のクラスやイベントが開催されている。特定非営利活動法人日本サルサ協会による特定指導員認定やサルサダンス検定、競技会(Japan Cup等、参加登録料は大人9,000円・ジュニア4,000円)の運営に加え、近年はドミニカ発祥・スペイン進化型のセンシュアル・バチャータが急成長している。国内ではNPO法人日本バチャータ協会が設立されているほか、創始者Korke & Judithらに師事したインストラクターの活動や、日本人プロダンサー(梅子ゆーこ氏)による2023年・2024年Bachata Ladies Styling世界チャンピオン獲得など、国際的な水準に達している。さらに2020年代に入り、ブラジリアン・ズーク(東京ズークフェスティバルや体験クラス1,000円・プラクティカ800円・WS+ソーシャル3,500〜4,500円を展開するスタジオHajime等)やアンゴラ発祥のキゾンバ、ブラジルのフォホーが東京・横浜で急速に定着している。
第3の生態系は、アルゼンチン・タンゴ(ミロンガ文化)とスイング/ストリート・ペア系(リンディホップ、ウエストコースト・スイング、ハッスル)である。アルゼンチン・タンゴは日本全国の都市部に専門スタジオと実践の場であるミロンガを確立しており、社交ダンスのタンゴとは完全に独立した文化圏を持つ。また、スイングおよびストリート・ペア系では、リンディホップやバルボアに加え、2007年以降、ニューヨークから帰国した指導者らによって東京・横浜でウエストコースト・スイング(WCS)と新しいハッスル(Hustle)のレッスンおよびセッションが展開されており、最新の音楽で踊る自由度の高いペアダンスとして愛好家を増やしている。
第4の生態系は、組織型フォークダンスおよび北欧・欧州バルフォーク系である。戦後の学校教育および地域サークルを通じて日本フォークダンス連盟が全国的な公認指導者制度を築いており、小学校編のエース・オブ・ダイヤモンド、キンダー・ポルカ、グスタフス・スコール、コロブチカや、中学校・高校編のオクラホマ・ミクサー、オスロー・ワルツ、タンゴ・ミクサー、トゥ・トゥール、ドードレブスカ・ポルカといったカップルダンスが全国で踊られている。また、ニッケルハルパ等の伝統楽器で『ホルガローテン』などの代表曲に合わせて踊るスウェーデンのハンボやポルスカ、さらには生演奏でカップルダンスとグループダンスを楽しむヨーロッパの伝統舞踏会形式であるバルフォーク(Balfolk)も、音楽愛好家や同志社大学等の国際交流イベントを通じて日本国内で実践されている。
第5の生態系は、アカデミック・古楽復興型(ルネサンス・バロック・リージェンシー宮廷舞踊)である。メヌエット、ガヴォット、パヴァーヌ、サラバンド等の歴史的宮廷舞踊は、東京芸術大学や聖徳大学等の講師陣による横浜での定期講座(月2回・5,000円、1回90分)や、都内バレエスタジオでの定例レッスン、古楽アンサンブルとの公演を通じて、専門的な舞踊研究家・愛好家によって日本国内でも着実に継承されている。
世界267種目のペアダンス・社交ダンス完全一覧データベース
以下の一覧表では、世界267種目のペアダンスを12のカテゴリーに分類し、それぞれの発祥、創始者・体系化主体、使用曲・拍子・テンポ、影響元(ルーツ)、影響先(派生)、技術的特徴、世界人気度、および日本国内での普及状況を記載する。なお、表中の「世界人気」は5段階の星印で評価し、世界中に巨大な競技連盟またはソーシャルコミュニティが存在するものを5つ星(★★★★★)、主要都市に専門スタジオや定期イベントが存在するものを4つ星(★★★★☆)、特定の国・地域で国民的または愛好家層が確立しているものを3つ星(★★★☆☆)、局地的な伝統舞踊または少数の専門愛好家に限られるものを2つ星(★★☆☆☆)、歴史的復元または極めて希少なものを1つ星(★☆☆☆☆)としている。また、「日本普及(日本で踊る人の有無)」については、全国のダンス教室・大学連盟・主要都市の専門クラブで日常的に多数が踊っている種目を「◎」、東京・大阪・横浜などに専門スタジオや定期レッスン・実践パーティーが存在し一定数の愛好家がいる種目を「○」、フォークダンス連盟の講習会や古楽・民俗舞踊の研究会・単発ワークショップ等で少数が踊る種目を「△」、発祥国以外ではほとんど踊られておらず日本国内で定常的な実践者が確認されない種目を「×」として分類している。
カテゴリーI:インターナショナルスタイル競技社交ダンス(10種目)+ 関連派生種目(No.1〜15)
英国ダンス教師協会(ISTD)を中心に標準化され、世界ダンススポーツ連盟(WDSF)や世界ダンス議会(WDC)、日本のJDSF・JBDF・全日本学生競技ダンス連盟(学連)等で採用されている世界標準の競技・社交ダンス群である。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 1 | スロー・ワルツ (Slow Waltz) | 墺・南独起源→英国(1920年代確立) | 自然発生/体系化:アレックス・ムーア、ISTD | 3/4拍子(28〜30小節/分)叙情的な管弦楽曲 | レントラー、ヴェニーズワルツ、ボストン | スローフォックストロット、アメリカンワルツ | クローズドホールドを維持し、振り子スイングと大きなライズ&フォール(上下動)でLODを移動。 | ★★★★★ | ◎(全国の教室・学連で必修) |
| 2 | タンゴ(ボールルーム) (Ballroom Tango) | 亜・烏起源→仏・英国(1910〜20年代) | 自然発生/体系化:カミーユ・ド・リナル、ISTD | 2/4または4/4拍子(31〜33小節/分)スタッカート行進曲調 | アルゼンチンタンゴ、ミロンガ、ハバネラ | フィンランドタンゴ、アメリカンタンゴ | 膝を緩めた低い重心でライズ&フォールを行わず、コンパクトなホールドと鋭いネックアクションを伴う。 | ★★★★★ | ◎(全国の教室・学連で必修) |
| 3 | ヴェニーズ・ワルツ (Viennese Waltz) | オーストリア・ウィーン(18世紀後半〜19世紀) | 自然発生/普及:J.シュトラウス親子/ISTD | 3/4拍子(58〜60小節/分)高速の円舞曲 | レントラー、ドイチェ・タンツェ | スローワルツ、ボストン、アメリカンVW | スローワルツの倍速で、ナチュラル/リバースターンとフレッカールを中心に高速連続回転を行う。 | ★★★★☆ | ◎(学連でも夏全等で正式種目化) |
| 4 | スロー・フォックストロット (Slow Foxtrot) | 米国(1914年)→英国(1920年代洗練) | ハリー・フォックス/体系化:F.フォード、J.ブラッドリー | 4/4拍子(28〜30小節/分)スイングジャズ | ラグタイム、ワンステップ、キャッスルウォーク | クイックステップ、ブルース、ピーボディ | フェザーステップやスリーステップを用い、ボディフライト(慣性移動)を活かして氷上のように滑らかに移動。 | ★★★★☆ | ◎(全国の教室・学連で必修) |
| 5 | クイックステップ (Quickstep) | 米国起源→英国(1927年確立) | フランク・フォード&モリー・スペイン、ISTD | 4/4拍子(50〜52小節/分)軽快なビッグバンドジャズ | フォックストロット、チャールストン、ピーボディ | モダンスイング、シークエンスクイックステップ | シャッセ、ロック、ホップ、ランを駆使し、高速でフロアを駆け抜ける軽快・陽気なダンス。 | ★★★★☆ | ◎(全国の教室・学連で必修) |
| 6 | チャチャチャ (Cha-Cha-Cha) | キューバ(1950年代初頭)→英国(競技化) | エンリケ・ホリン(音楽)/ピエール・ラヴェル(体系化) | 4/4拍子(30〜32小節/分)ラテンポップス・ロック | ダンソン、マンボ、ソン | カントリーチャチャ、ディスコハッスル | カウント「2・3・4&1」で踏み、膝の素早い伸展とキューバンモーションで明るく華やかに踊る。 | ★★★★★ | ◎(ラテン部門の代表格) |
| 7 | サンバ(インターナショナル) (Ballroom Samba) | ブラジル起源→英国(1956年頃標準化) | 自然発生/体系化:ピエール・ラヴェル、ISTD | 2/4拍子(50〜52小節/分)ブラジリアン・サンバ | マシーシェ、センバ、ルンドゥ | アメリカンサンバ、サンバ・デ・ガフィエイラ | 骨盤のティック(前後運動)と膝・足首のバウンスアクションを伴い、ラテン種目ながらLODを大きく移動する。 | ★★★★☆ | ◎(全国の教室・学連で必修) |
| 8 | ルンバ(インターナショナル) (Cuban Rumba) | キューバ起源→英国(1940〜50年代確立) | ピエール・ラヴェル&ドリス・ラヴェル、ISTD | 4/4拍子(25〜27小節/分)叙情的ラテンバラード | ソン・クバーノ、ボレロ、ダンソン | チャチャチャ、アメリカンボレロ | カウント2で踏み出し4-1でヒップをセトルさせる。8の字のヒップアクションで男女の愛の葛藤を表現。 | ★★★★★ | ◎(デモ・競技ともに絶大な人気) |
| 9 | パソドブレ (Pasodoble) | スペイン(闘牛)→フランス(1920年代)→英国 | フランス社交界教師陣/ピエール・ラヴェル | 2/4拍子(60〜62小節/分)闘牛行進曲『エスパニア・カーニ』 | スペイン闘牛(コリダ)、フラメンコ | シアターアーツ、ドラマティックショーダンス | リーダーが闘牛士(マタドール)、フォロワーがケープや牛を演じる。骨盤を前傾させたアペルやシャッセが特徴。 | ★★★★☆ | ◎(競技必須・パーティーでは稀) |
| 10 | ジャイブ(インターナショナル) (International Jive) | 米国(1930〜40年代)→英国(1968年正式種目化) | ハーレムの黒人ダンサー/A.ムーア、V.シルベスター | 4/4拍子(42〜44小節/分)ロックンロール・ブギウギ | リンディホップ、ジターバグ、ブギウギ | モダンジャイブ(Ceroc)、ロックンロール | 強いスイングとバウンス、鋭いフリック(キック)とシャッセ(1a2, 3a4)を伴う高強度ダンス。 | ★★★★☆ | ◎(学連でも夏全等で正式種目化) |
| 11 | ボストン(ボストン・ワルツ) (Boston Waltz) | 米国・ボストン(1870年代〜1910年代) | ボストンの社交界ダンサー/ロレンツォ・ピコック | 3/4拍子(中速ワルツ) | ヴェニーズワルツ | スロー・ワルツ、ヘジテーション・ワルツ | 回転よりも前後の直線的なグライド移動と、ロングホールド/オープンヒップのポジションを特徴とするワルツの直接の母体。 | ★★☆☆☆ | △(ダンス史研究・ヴィンテージ愛好家) |
| 12 | ウォーキング・ボストン (Walking Boston) | 米国・英国(1910年代) | 欧米の社交ダンス教師陣 | 3/4拍子(スロー〜中速) | ボストン、ワンステップ | スロー・ワルツ | 3拍子の各拍を歩行(ウォーク)のように滑らかに踏み進める1910年代の過渡期ワルツ。 | ★☆☆☆☆ | ×(歴史的記録のみ) |
| 13 | ヘジテーション・ワルツ (Hesitation Waltz) | 米国(1913年頃) | ヴァーノン&アイリーン・キャッスル夫妻 | 3/4拍子(ワルツ曲) | ボストン、ヴェニーズワルツ | スロー・ワルツ(ヘジテーション・チェンジ等) | 1拍目で体重を乗せた後、2・3拍目でステップを踏まずに滞留(ヘジテート)する技法を主軸とした種目。現代ワルツのフィガーに残存。 | ★★☆☆☆ | △(フィガーとして全競技者が習得) |
| 14 | クイック・フォックストロット&チャールストン (Quick Foxtrot & Charleston) | 英国(1925〜1927年) | ISTD、フランク・フォードら | 4/4拍子(アップテンポなラグ・ジャズ) | フォックストロット、1920年代チャールストン | クイックステップ | 1920年代中盤にチャールストンの熱狂をフォックストロットに融合させた過渡期種目であり、直後に「クイックステップ」へ改称された。 | ★☆☆☆☆ | ×(現在のクイックステップに完全統合) |
| 15 | ボールルーム・フォーメーション (Formation Dance) | 英国(1930年代)→世界・日本 | オリーヴ・リプマン(英国で創始) | スタンダード5種目およびラテン5種目のメドレー曲 | インターナショナルスタイル10種目、カドリール | シンクロナイズド・ダンススポーツ | 4組〜8組(主に6〜8カップル)のペアがチームとなり、隊形変化(ライン、サークル、ダイアモンド)とペア技術を同調させる団体競技。 | ★★★★☆ | ◎(学連「冬全」等の花形部門) |
カテゴリーII:アメリカンスタイル社交ダンス&日本の社交パーティー種目(No.16〜35)
アメリカ合衆国でアーサー・マレーやフレッド・アステアらのスタジオ網を通じて発展した「アメリカン・スムース」「アメリカン・リズム」の競技・社交体系と、戦後の日本で独自に大衆化したパーティーダンス群である。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 16 | アメリカン・ワルツ (American Smooth Waltz) | 米国(1930年代〜現在) | アーサー・マレー、フレッド・アステア、NDCA | 3/4拍子(28〜30小節/分) | インターナショナルワルツ、ボストン、バレエ | カントリー・ワルツ、コンテンポラリーボールルーム | クローズドホールドだけでなく、途中で手を離すオープン/セパレート・フィガーやアンダーアームターンが認められる自由で演劇的なワルツ。 | ★★★★☆ | ○(東京JSDC、大阪Concordia等で指導) |
| 17 | アメリカン・タンゴ (American Smooth Tango) | 米国(1920年代〜現在) | アーサー・マレー、ヴァーノン・キャッスル、NDCA | 4/4拍子(30小節/分前後) | アルゼンチンタンゴ、ボールルームタンゴ | ハリウッド映画のステージタンゴ | インターナショナルタンゴのキレと、アルゼンチンタンゴ的なファンポジション・プロムナード・分離ステップを融合させた華やかなスタイル。 | ★★★★☆ | ○(国内アメリカンスタイル教室で普及) |
| 18 | アメリカン・フォックストロット (American Smooth Foxtrot) | 米国(1914年〜現在) | ハリー・フォックス、アーサー・マレー、F.アステア | 4/4拍子(30〜32小節/分)フランク・シナトラ等のジャズ | ラグタイム・フォックストロット、ワンステップ | ソーシャル・フォックストロット、スローフォックス | ブロンズ段階では「スロー・スロー・クイック・クイック」のトゥ・ヒール(ボックスやプロムナード)を用い、上級ではオープンワークを多用。 | ★★★★☆ | ○(クルーズ船・映画ダンスとして人気) |
| 19 | アメリカン・ヴェニーズ・ワルツ (American Smooth Viennese Waltz) | 米国(20世紀中盤) | NDCA、米国フランチャイズスタジオ群 | 3/4拍子(53〜54小節/分、欧州よりやや遅め) | ヴェニーズ・ワルツ、アメリカン・ワルツ | ショーダンス・ワルツ | 欧州のヴェニーズ・ワルツよりもテンポがわずかに遅く、シャドウポジションやアンダーアームターン、エクスプロージョン等のオープン技を織り交ぜる。 | ★★★★☆ | ○(アメリカンスムース専門クラスで指導) |
| 20 | ピーボディ (Peabody) | 米国・ニューヨーク(1915年頃) | ウィリアム・ピーボディ(NYの警察官・消防士説あり) | 4/4拍子(60〜62小節/分)超高速ラグタイム・ジャズ | ワンステップ、フォックストロット | クイックステップ | 大柄な創始者が女性を外側(アウトサイド・パートナー)に抱えて高速で直進・ロックステップを踏んだことから誕生。かつてのアメリカンスムース正式種目。 | ★★☆☆☆ | △(一部のアメリカンスタイル愛好家) |
| 21 | アメリカン・チャチャ (American Rhythm Cha-Cha) | キューバ→米国(1950年代) | アーサー・マレー・スタジオ、NDCA | 4/4拍子(30小節/分)ラテン&ポップス | キューバン・チャチャチャ、マンボ | カントリー・チャチャ | インターナショナル版よりも膝を柔らかく使うベントニー(Bent-knee)アクションを取り入れ、コンパクトかつソーシャル性に富む。 | ★★★★☆ | ○(国内アメリカンスタイル教室で普及) |
| 22 | アメリカン・ルンバ(スクエア・ルンバ) (American Box Rumba) | キューバ→米国(1930年代) | アーサー・マレー、ルー・レーア | 4/4拍子(30〜32小節/分、国際版より速め) | ソン、ダンソン | キューバン・ルンバ、日本のパーティー用スクエアルンバ | カウント「1」から踏み出し(Slow-Quick-QuickまたはQ-Q-S)、四角形(ボックス)を描くステップが基本。 | ★★★★☆ | ◎(日本では「スクエアルンバ」として定番) |
| 23 | イーストコースト・スイング (East Coast Swing – ECS) | 米国東海岸(1940年代〜50年代) | アーサー・マレー・スタジオ(リンディを標準化) | 4/4拍子(34〜36小節/分)ビッグバンド、ロックンロール | リンディホップ、ジターバグ | ジャイブ、カントリー・スイング、ジルバ | リンディホップをダンス教室向けに6カウント(トリプルステップ×2+ロックステップ)へと整理した、アメリカン・リズムの中核種目。 | ★★★★★ | ○(スイング界隈・アメリカンスタイル教室) |
| 24 | アメリカン・ボレロ (American Rhythm Bolero) | キューバ起源→米国(20世紀中盤) | 米国ダンスフランチャイズ(アーサー・マレー等)、NDCA | 4/4拍子(24〜26小節/分)極めて遅いラテンバラード | キューバン・ボレロ、ルンバ、スロー・ワルツ | ラテン・ショーダンス | アメリカン・リズムで最も遅い種目。「ワルツのライズ&フォール」「ルンバのキューバンモーション」「タンゴのコントラボディ」を融合させた劇的なダンス。 | ★★★☆☆ | △(国内アメリカンリズム中上級クラス) |
| 25 | アメリカン・マンボ (American Rhythm Mambo) | キューバ(1938年)→米国NY(1940〜50年代) | ペレス・プラード、パラディアムダンサー、NDCA | 4/4拍子(47〜51小節/分)アップテンポなマンボ | ダンソン、ソン・モントゥーノ、スイング | チャチャチャ、NYスタイル・サルサ(On2) | カウント1で休止し、カウント「2」で前後にブレイク(踏み換え)する情熱的なダンス。アメリカン・リズム最終種目。 | ★★★★☆ | ○(競技は少数だがパーティーマンボは多数) |
| 26 | アメリカン・サンバ (American Style Samba) | ブラジル→米国(1930〜40年代、カルメン・ミランダ流行期) | アーサー・マレー、NDCA | 2/4拍子(50〜52小節/分) | ブラジリアン・サンバ、マシーシェ | インターナショナル・サンバ | インターナショナル版よりもボックスステップやボタフォゴをコンパクトに踏み、アメリカン・リズムの選択種目として踊られる。 | ★★★☆☆ | △(国内ではインターナショナル版が主流) |
| 27 | ブルース(ソーシャル・フォックストロット) (Social Foxtrot / Japanese Blues) | 英国・米国(1920年代)→日本で独自定着 | 英国ISTD教師陣(入門用リズムダンスとして考案) | 4/4拍子(26〜30小節/分)ムード歌謡、ブルース、スロー曲 | スロー・フォックストロット、ワンステップ | チークダンス、日本のキャバレー・ホール文化 | 「スロー・スロー・クイック・クイック」の歩行とクローズを基本とし、狭いダンスホールでも踊れるようライズ&フォールを省いた実用種目。 | ★★★☆☆ | ◎(日本の社交ダンス入門・パーティーで必須) |
| 28 | ジルバ(日本式ジターバグ) (Japanese Jitterbug) | 米国(1930年代)→戦後日本で独自進化 | 米軍キャンプのGIと日本人ダンサー | 4/4拍子(36〜48小節/分)ポップス、ロック、歌謡曲 | リンディホップ、アメリカン・ジターバグ | 日本のパーティー・ラテン文化 | 米国の「Jitterbug」が音変化して定着。トリプルステップを省き「スロー・スロー・クイック・クイック(6カウント)」でバウンスを抑えて踊る日本独自の国民的パーティー種目。 | ★★☆☆☆ | ◎(日本の全ダンスパーティーで稼働率1位) |
| 29 | トロッティング・フォックス (Trotting Fox) | 英国・米国(1910年代中盤) | 初期フォックストロット教師陣 | 4/4拍子(ラグタイム) | ワンステップ、ターキートロット | スロー・フォックストロット、クイックステップ | 初期のフォックストロットにおいて、4拍子の曲に8歩の小さな駆け足(トロット)を混ぜて踊った過渡期のスタイル。 | ★☆☆☆☆ | ×(歴史的種目) |
| 30 | リズム・フォックス (Rhythm Fox) | 英国(1930年代) | ISTD、ビクター・シルベスター | 4/4拍子(スロー〜中速) | スロー・フォックストロット | ソーシャル・フォックストロット(ブルース) | 混雑したロンドンのボールルームやレストランの狭いフロアで、フォックストロットの音楽をその場に近いコンパクトなステップで踊るために体系化された種目。 | ★★☆☆☆ | △(日本では「ブルース」として吸収) |
| 31 | クラッシュ・ダンス (Crush Dance) | 英国(1930年代) | ロンドンのホテル・ダンス教師陣 | 4/4拍子(あらゆるダンス音楽) | リズム・フォックス、ワンステップ | スロー・ダンス | 「押し合いへし合い(Crush)」するほど超満員のフロアで、1平方メートル以内のスペースで回転と体重移動のみで踊る英国の実用社交スタイル。 | ★★☆☆☆ | △(実用技術としてパーティーで活用) |
| 32 | スロー・ダンス(チークダンス) (Slow Dance / Cheek-to-Cheek) | 欧米(20世紀前半〜現在) | 自然発生(映画『トップ・ハット』等で象徴化) | 4/4拍子(スローバラード全般) | ブルース、フォックストロット | プロム・ダンス、ファースト・ダンス | 男女が頬や上半身を寄せ合い、決まった足型を持たずに左右への揺れ(スウェイ)と緩やかな回転のみで音楽を共有する最も原初的なペアダンス。 | ★★★★★ | ○(クラブ・結婚式・ラウンジ等で実践) |
| 33 | シアター・アーツ(キャバレー) (Theatre Arts / Cabaret) | 米国・英国(1970年代競技化) | NDCA、全英選手権(ブラックプール) | 自由曲(オーケストラ、ミュージカル曲等) | アメリカンスムース、バレエ(パ・ド・ドゥ)、アクロバット | ボールルーム・ショーダンス | 通常の競技会では禁止されている「リフト(相手を床から持ち上げる大技)」やドロップ、開脚ジャンプを主軸とする高度なペア・アクロバット競技部門。 | ★★★★☆ | ○(プロの選手権・豪華ディナーショーで披露) |
| 34 | ボールルーム・ショーダンス(セグエ) (Ballroom Showdance / Segue) | 欧州・日本(1980年代〜) | WDC、WDSF、JBDF | 複数曲を編集したストーリー仕立ての楽曲 | インターナショナル10種目、シアター・アーツ | ダンススポーツ・エンターテインメント | スタンダードまたはラテンの技術をベースに、明確なテーマ(物語)と衣装、リフト(規定回数内)を組み合わせて1組ずつ単独で演技する芸術競技部門。 | ★★★★☆ | ◎(日本インターや全日本セグエ選手権で大人気) |
| 35 | フォクシー (Foxy) | 米国(1980〜90年代) | 米国ダンススタジオ(Fred Astaire等) | 4/4拍子(現代のR&B、スローポップス) | アメリカン・フォックストロット、スロー・ダンス、ルンバ | モダン・ウェディング・ダンス | フォックストロットの滑らかさとラテンのヒップムーブメントを融合させ、現代のバラードや結婚式(ファーストダンス)向けに開発されたアメリカンスタイル種目。 | ★★★☆☆ | △(国内アメリカンスタイル教室の一部) |
カテゴリーIII:英国オールドタイムダンス&モダン・シークエンスダンス(No.36〜53)
19世紀末から20世紀にかけてイギリスで発展した「全員が同じフィガー(規定ルーティン、通常16小節)を同時に反時計回りで踊る」ペアダンス群(Sequence Dancing)である。英国では現在も巨大な愛好家層を持ち、日本の市民サークルやパーティーでも一部が「ミキサー」や「シークエンス」として親しまれている。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 36 | ヴェレタ (The Veleta) | 英国・リーズ(1900年) | アーサー・モリス(Arthur Morris) | 3/4拍子(42小節/分、ワルツ曲) | ウィンナーワルツ、ボストン | 英国オールドタイムダンス全般 | 16小節のルーティン。横並びで手をつないで前進し、ワルツの回転と組み合わせる英国オールドタイムダンスの最高傑作。 | ★★★☆☆ | △(オールドタイム愛好会・フォークダンス連盟) |
| 37 | ミリタリー・ツーステップ (Military Two-Step) | 英国(1906年) | ジェームズ・フィンガン(James Finnigan) | 6/8拍子または2/4拍子(行進曲『Blaze Away』) | ツーステップ、ポロネーズ | ボストン・ツーステップ | 軍隊の敬礼ポーズやヒール&トゥ、威勢の良いマーチとツーステップ回転を組み合わせた16小節の快活なペアダンス。 | ★★★☆☆ | △(日本のフォークダンス・シークエンス界隈) |
| 38 | セント・バーナード・ワルツ (St. Bernard’s Waltz) | 英国(1900年代初頭) | J.ヒューズ(音楽:マクスウェル・スワロー) | 3/4拍子(ワルツ曲) | ヴェレタ、ウィンナーワルツ | パーティー・ミキサー・ワルツ | クローズドホールドで横へのスライド、ヒールスタンプ、後退・前進、ワルツターンを繰り返す親しみやすい16小節のシークエンス。 | ★★★☆☆ | △(学校・地域のフォーク&社交サークル) |
| 39 | ボストン・ツーステップ (Boston Two-Step) | 英国(1908年) | ティルソン・モス(Tilson Moss) | 6/8拍子(48小節/分) | ミリタリー・ツーステップ、パ・ド・バスク | オールドタイム・ツーステップ群 | バレエの「パ・ド・バスク」から始まり、前後のウォークとツーステップ旋回で構成される16小節の定番オールドタイム種目。 | ★★★☆☆ | △(シークエンスダンス愛好会) |
| 40 | ロイヤル・エンプレス・タンゴ (Royal Empress Tango) | 英国・ブラックプール(1922年) | アンドリュー・コワン(Andrew Cowan) | 2/4拍子(36小節/分、タンゴ曲) | 初期ボールルームタンゴ、オールドタイム | タンゴ・セレッテ、シークエンスタンゴ | ブラックプール・ダンスフェスティバルの創設期に発表された、ウォーク、プロムナード、ロータリーシャッセを含む16小節の歴史的タンゴ。 | ★★☆☆☆ | △(英国シークエンスダンス研究会) |
| 41 | ローラ・タンゴ (Lola Tango) | 英国(1921年) | B.S.ヘイワード(B. S. Hayward) | 2/4拍子(タンゴ曲) | 初期ボールルームタンゴ | ロイヤル・エンプレス・タンゴ | 英国オールドタイム競技の選手権種目の一つであり、ポワント(足先のポイント)と優雅なプロムナードを特徴とする16小節タンゴ。 | ★★☆☆☆ | ×(主に英連邦圏のみ) |
| 42 | ブリタニア・ソーンター (Britannia Saunter) | 英国(1920年) | ハリー・クラーク(Harry Clarke) | 4/4拍子(28小節/分、スロー曲) | ワンステップ、ラグタイム・ウォーク | ソーンター・レヴェ、モダン・ソーンター | 「ソーンター(悠然とした散策)」の名通り、ゆったりとした4拍子に合わせて優雅な歩行とポワントを踏むオールドタイム種目。 | ★★☆☆☆ | △(国内シークエンスダンスサークル) |
| 43 | ソーンター・レヴェ (Saunter Reve) | 英国(1954年) | エディス・ケンプ(Edith Kemp) | 4/4拍子(27小節/分) | ブリタニア・ソーンター、フォックストロット | モダン・シークエンスのソーンター群 | 戦後の英国で創案され、現在もブラックプール等のシークエンス部門で極めて高い人気を誇る叙情的な16小節ダンス。 | ★★☆☆☆ | △(国内シークエンスダンスサークル) |
| 44 | ファイフ・ワルツ (Fylde Waltz) | 英国(1905年) | トム・ノーブル(Tom Noble) | 3/4拍子(40小節/分) | ヴェレタ、宮廷ワルツ | オールドタイム・ワルツ群 | 英国オールドタイム選手権の主要種目。パ・ド・バスクと優美なバランスステップ、ワルツロタリーを組み合わせた格調高い舞踊。 | ★★☆☆☆ | ×(主に英国・豪州の競技会) |
| 45 | ライラック・ワルツ (Lilac Waltz) | 英国(1934年) | ウォルター・グリーン(Walter Green) | 3/4拍子(42小節/分) | ヴェレタ、ファイフ・ワルツ | 戦後のオールドタイム・ワルツ | シャドウポジション(男女が同じ方向を向いて重なる形)でのステップを取り入れた革新的なオールドタイム・ワルツ。 | ★★☆☆☆ | ×(主に英国・豪州) |
| 46 | ウェンズリー・ワルツ (Wensley Waltz) | 英国(1960年代) | 英国ダンス教師協会(IDTA/ISTD) | 3/4拍子(30小節/分) | スロー・ワルツ(インターナショナル) | モダン・シークエンス・ワルツ群 | インターナショナル・スローワルツの高度な技法(ウィスク、シャッセ、ナチュラルスピンターン等)を16小節に凝縮したモダン・シークエンス代表種目。 | ★★☆☆☆ | △(国内シークエンス愛好家) |
| 47 | ゲイ・ゴードンズ (The Gay Gordons) | スコットランド・英国(1907年) | アレクサンダー・キース(Alexander Keith) | 2/4または4/4拍子(スコットランド行進曲) | スコティッシュ・カントリー・ダンス、パ・ド・バスク | オスロー・ワルツ等のミキサー種目 | 男女が肩の上で手をつなぐ(ヴァーソヴィエンヌ・ポジション)形で4歩前進・4歩後退し、パ・ド・バスクとピボットターンを行う国民的パーティーダンス。 | ★★★★☆ | ○(フォークダンス連盟・社交ミキサーで普及) |
| 48 | オールドタイム・バーン・ダンス (Old Time Barn Dance) | 米国起源→英国(1890年代) | ジョー・マコイ(音楽『Pasadena』等) | 4/4拍子(軽快なマーチ・シュティッシュ調) | ミリタリー・シュティッシュ | プログレッシブ・バーン・ダンス(パートナー交換型) | 「1・2・3・ホップ!」の軽快なステップで前進し、クローズドホールドで回転する。パートナーを次々と交換するミキサーとしても定番。 | ★★★☆☆ | ○(日本の学校・地域フォークダンスで定番) |
| 49 | エヴァ・スリーステップ (Eva Three-Step) | 英国(1910年) | パトリック・ラヴェル(Patrick Lavelle) | 4/4拍子(44小節/分、テディベアのピクニック等) | ワンステップ、ツーステップ | 戦前の英国パーティーダンス | 3歩歩いてポイントし、男女が入れ替わってツーステップで回る愛らしい16小節のオールドタイム種目。 | ★★☆☆☆ | △(一部のフォーク・オールドタイム愛好会) |
| 50 | タンゴ・セレッテ (Tango Serida) | 英国(1953年) | ノーマン・アレン(Norman Allen) | 2/4拍子(32小節/分) | インターナショナル・タンゴ | モダン・シークエンス・タンゴ群 | ボールルーム・タンゴのプログレッシブリンクやフォーラウェイ・リバース等を16小節の共通ルーティンに組み込んだモダン・シークエンス定番。 | ★★☆☆☆ | △(国内シークエンスダンスサークル) |
| 51 | メイフェア・クイックステップ (Mayfair Quickstep) | 英国(1950年代) | 英国シークエンス教師陣 | 4/4拍子(48小節/分) | クイックステップ | モダン・シークエンス・クイック群 | クイックステップのクォーターターンズ、プログレッシブシャッセ、ロックステップを16小節で全員一斉に踊る爽快なシークエンス種目。 | ★★☆☆☆ | △(シークエンス愛好会・高齢層サークル) |
| 52 | サリー・アン・チャチャ (Sally Anne Cha-Cha) | 英国(1960年代) | 英国ラテン・シークエンス教師陣 | 4/4拍子(31小節/分) | チャチャチャ | ラテン・シークエンス群 | ニューヨーク、スポットターン、ショルダー・トゥ・ショルダー等のチャチャチャ基本フィガーを16小節の定型にまとめたラテン・シークエンスの入門種目。 | ★★☆☆☆ | △(国内シークエンスサークル) |
| 53 | ルンバ・ワン(シークエンス・ルンバ) (Rumba One) | 英国(1970年代) | 英国IDTA/ISTD教師陣 | 4/4拍子(27小節/分) | インターナショナル・ルンバ | ラテン・シークエンス各種 | ファンポジション、ホッキースティック、アレマーナ、クカラチャなどキューバン・ルンバの美しさを16小節で全員同時に踊るシークエンス種目。 | ★★☆☆☆ | △(国内シークエンスサークル) |
カテゴリーIV:ラグタイム期・1910〜20年代ヴィンテージ・アニマルダンス(No.54〜68)
1890年代末から1920年代にかけて、アメリカのアフリカ系コミュニティから生まれ、ラグタイムや初期ジャズの流行とともに欧米の社交界に衝撃を与えた「アニマルダンス(動物の動きを模した即興ペアダンス)」およびヴァーノン&アイリーン・キャッスル夫妻らによる洗練されたヴィンテージ・ボールルーム種目群である。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 54 | ワンステップ (One-Step) | 米国(1900年代〜1910年代) | ヴァーノン&アイリーン・キャッスル夫妻(普及・洗練) | 2/4または4/4拍子(高速ラグタイム・マーチ) | ターキートロット、ツーステップ | フォックストロット、ピーボディ、パソドブレ | 音楽の1拍ごとに1歩ずつリズミカルに歩行(ウォーク)してフロアを高速移動する。近代社交ダンスの「自然な歩行ステップ」の原点。 | ★★☆☆☆ | △(ヴィンテージダンス・ラグタイム愛好会) |
| 55 | キャッスル・ウォーク (Castle Walk) | 米国・ニューヨーク(1913年) | ヴァーノン&アイリーン・キャッスル夫妻、ジム・ヨーロッパ(音楽) | 4/4拍子(ラグタイム) | ワンステップ | スロー・フォックストロット、クイックステップ | つま先立ちに近い軽やかなステップで滑るように前進し、コーナーでピボットターンを決めるエレガントなラグタイム・ペアダンス。 | ★★☆☆☆ | △(ダンス史実演・ヴィンテージサークル) |
| 56 | ターキー・トロット (Turkey Trot) | 米国・サンフランシスコ(1909年頃) | バーバリー・コーストのダンサーたち | 2/4または4/4拍子(ラグタイム) | アフリカ系アメリカ人の民俗舞踊、ワンステップ | ワンステップ、フォックストロット | 七面鳥(ターキー)が首を振りながら小走りに跳ねる動きを模し、腕を羽のように上下させてステップを踏むアニマルダンスの代表格。 | ★★☆☆☆ | ×(歴史的復元イベントのみ) |
| 57 | グリズリー・ベア (Grizzly Bear) | 米国・サンフランシスコ(1910年頃) | アフリカ系ダンサー(音楽:ジョージ・ボッツフォード) | 2/4または4/4拍子(スロー・ラグタイム) | アフリカ系アメリカ人のスロードラッグ | バニーハグ、フォックストロット | 灰色熊のようにパートナーと近いホールドを組み、肩を左右に揺らしながら大股で揺れ動くラグタイム期のアニマルダンス。 | ★☆☆☆☆ | ×(歴史的復元のみ) |
| 58 | バニー・ハグ (Bunny Hug) | 米国・サンフランシスコ(1911年頃) | バーバリー・コーストのダンサー | 4/4拍子(ラグタイム) | グリズリー・ベア、スロードラッグ | チークダンス、ブルース | 小刻みなリズムに合わせてパートナーとクローズド・ポジションで密着して踊るラグタイム期のペアダンス。 | ★☆☆☆☆ | ×(歴史的復元のみ) |
| 59 | カンガルー・ディップ(ホップ) (Kangaroo Dip / Hop) | 米国(1912年頃) | ラグタイム期のダンスホール愛好家 | 4/4拍子(ラグタイム) | ターキートロット、ワンステップ | フォックストロットのディップ動作 | ワンステップの途中に、カンガルーのように膝を深く曲げて沈み込む(ディップする)アクションと小刻みなホップを組み込んだ種目。 | ★☆☆☆☆ | ×(歴史的復元のみ) |
| 60 | クラブ・ステップ (Crab Step) | 米国(1910年代初頭) | ラグタイム期のダンサー | 4/4拍子(ラグタイム) | アニマルダンス群 | チャチャチャのシャッセ、フォックストロット | カニ(Crab)のようにパートナーと組んだまま横方向(サイドウェイズ)へと連続してステップを踏み進めるラグタイムダンス。 | ★☆☆☆☆ | ×(歴史的復元のみ) |
| 61 | キャメル・ウォーク (Camel Walk) | 米国(1910年代〜20年代) | アフリカ系アメリカ人ダンサー | 4/4拍子(ラグタイム、初期ジャズ) | アフリカ系民俗舞踊 | リンディホップのジャズステップ、ムーンウォーク | ラクダが歩くように膝を交互にロック&リリースさせながら頭と上体を前後にうねらせて進むペアおよびソロ・ステップ。 | ★★☆☆☆ | △(スイング・ヴィンテージジャズダンサーが実践) |
| 62 | 20年代パートナー・チャールストン (1920s Partner Charleston) | 米国・サウスカロライナ州起源→NY(1923年『Runnin’ Wild』) | ジェームズ・P・ジョンソン(音楽)、ハーレムのダンサー | 4/4拍子(200BPM前後のホットジャズ) | アフリカ系舞踊(Juba)、ブラックボトム | クイックステップ、リンディホップ、30年代チャールストン | クローズドまたはサイドバイサイドで組み、つま先を内・踵を外にひねる(ツイスト)キックとバウンスを高速で行う狂騒の20年代の象徴。 | ★★★☆☆ | ○(国内リンディホップ・スイングコミュニティで実践) |
| 63 | パートナー・ブラック・ボトム (Partner Black Bottom) | 米国・南部(ニューオーリンズ/アトランタ)→NY(1926年) | ペリー・ブラッドフォード(音楽)、アポロ劇場のダンサー | 4/4拍子(シンコペーションの効いたジャズ・ブルース) | アフリカ系スロードラッグ、タップ | リンディホップ、チャールストン | ミシシッピ川の泥底(Black Bottom)から足を抜くような足踏みと前後へのステップを伴う1920年代のペア&ソロダンス。 | ★★☆☆☆ | △(国内スイング・ヴィンテージジャズ界隈) |
| 64 | ケーキウォーク (Cakewalk) | 米国南部プランテーション(19世紀後半〜1900年代) | アフリカ系アメリカ人(普及:ウィリアムズ&ウォーカー) | 2/4拍子(シンコペーション・ラグタイム行進曲) | 欧州のグランド・マーチ/カドリールの風刺、アフリカ舞踊 | ラグタイムダンス全般、タップ、ジャズダンス | 農園主の気取った歩き方を誇張・風刺して生まれたペア・プロムナード。上体を大きく反らせ、膝を高く上げて闊歩し、優勝ペアにケーキが贈られた。 | ★★☆☆☆ | △(ジャズダンス史・古楽/ラグタイム公演) |
| 65 | テキサス・トミー (Texas Tommy) | 米国・サンフランシスコ(1910年頃) | ジョニー・ピーターズ、エセル・ウィリアムズ | 4/4拍子(ラグタイム、初期ジャズ) | ターキートロット、スロードラッグ | ブレイクアウェイ、リンディホップ(スイングアウトの原型) | クローズドポジションから、リーダーがフォロワーを片手で外へ勢いよく送り出して回転させる「ウィップ(スイングアウトの原型)」を史上初めて導入した種目。 | ★★☆☆☆ | △(リンディホップ上級者・歴史研究家) |
| 66 | ブレイクアウェイ (The Breakaway) | 米国・NYハーレム(1910年代末〜1920年代) | ジョージ・”ショーティ”・スノーデン、ストレッチ・ジョーンズ | 4/4拍子(初期スイングジャズ) | テキサス・トミー、パートナー・チャールストン | リンディホップ | パートナー・チャールストンを踊る最中に、リーダーがホールドを片手だけにして相手を離し(Break away)、互いの即興フットワークを見せ合ったリンディホップ直前の母体。 | ★★☆☆☆ | △(国内リンディホップ愛好家が実演) |
| 67 | ラケット (The Racket) | 米国(1890年代〜1910年頃) | 米国のダンスマスターたち | 2/4または3/4拍子 | ポルカ、ギャロップ、レドワ | ワンステップ | 19世紀末からラグタイム初期にかけて流行した、スライドと素早いステップチェンジを伴う軽快なカップルダンス。 | ★☆☆☆☆ | ×(歴史的復元のみ) |
| 68 | ヴァーソヴィエンヌ(ワルシャワの踊り) (Varsovienne) | ポーランド起源→フランス・米国(1850年代〜1900年代) | デジレ・ヴィクトール(パリで体系化) | 3/4拍子(マズルカに近い中速3拍子) | マズルカ、ポロネーズ、レドワ | ゲイ・ゴードンズ、カントリーダンス、オクラホマミクサー | 男女が同じ方向を向き、男性が女性の背後から両肩の上で手をつなぐ「ヴァーソヴィエンヌ・ポジション」の語源となった優美なペアダンス。 | ★★★☆☆ | ○(日本のフォークダンス連盟等で普及) |
カテゴリーV:スイング、ジャズ、ロックンロール&ジャイブ派生系(No.69〜96)
1920年代末のニューヨーク・ハーレム(サボイ・ボールルーム)で誕生した「リンディホップ」を頂点とするスイング・ファミリー、および戦後に欧米で爆発的に分岐したウエストコースト・スイング、ブギウギ、ロックンロール、モダンジャイブ等のペアダンス群である。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 69 | リンディホップ(サボイ・スタイル) (Savoy-Style Lindy Hop) | 米国・NYハーレム(1928年命名、1930年代確立) | ”ショーティ”・スノーデン、フランキー・マニング、ノーマ・ミラー | 4/4拍子(120〜200BPM、ビッグバンド・スイングジャズ) | ブレイクアウェイ、チャールストン、タップ、テキサストミー | ジターバグ、WCS、ジャイブ、ロックンロール全般 | 全てのスイングダンスの祖。8カウントの「スイングアウト」と6カウントを自在に混ぜ、バウンスとダイナミックなエアステップ(空中技)を繰り出す。 | ★★★★★ | ○(東京・大阪・名古屋・福岡等に専門シーンあり) |
| 70 | リンディホップ(ハリウッド・スタイル) (Hollywood-Style Lindy Hop) | 米国・カリフォルニア州(1930年代末〜40年代) | ディーン・コリンズ(Dean Collins)、ジュエル・マクゴワン | 4/4拍子(スイングジャズ、ジャンプブルース) | サボイ・リンディホップ | ウエストコースト・スイング(WCS) | 上体を低く前傾させ、サボイ・スタイルよりもバウンスを抑えて足のスイブル(ひねり)と高速の回転・鞭のようなスイングアウトを強調する映画的スタイル。 | ★★★★☆ | ○(国内スイングダンサーの間で人気) |
| 71 | ウエストコースト・スイング (WCS) (West Coast Swing) | 米国・カリフォルニア州(1940〜50年代確立) | ディーン・コリンズ(原型)、スキッピー・ブレア(体系化)、ローレンス・ウェッブ | 4/4拍子(90〜130BPM、R&B、最新ポップス、ヒップホップ、ブルース) | ハリウッド・リンディホップ、ブルース | モダン・ハッスル、コンテンポラリー・スイング | カリフォルニア州の公式州舞踊。細長い直線(スロット)上をフォロワーが往復し、ゴムのようなエラスティック・コネクションと完全即興のミュージカリティを競う。 | ★★★★★ | ○(2007年以降、東京・横浜等でWCS専門コミュニティが活発) |
| 72 | ピュア・バルボア (Pure Balboa) | 米国・南カリフォルニア(バルボア半島、1920〜30年代) | パビリオン・ボールルームのダンサー(マックス・バートロメオ等) | 4/4拍子(180〜300BPMの超高速スイングジャズ) | フォックストロット、チャールストン、ランバ・ホップ | バル・スイング | 混雑してスイングアウトが禁止されたホールで誕生。ボディコンタクトを伴うクローズド・ポジションを一切崩さず、緻密な足さばきと体重移動のみで超高速曲に乗る。 | ★★★★☆ | ○(国内スイングイベントでリンディと並び実践) |
| 73 | バル・スイング (Bal-Swing) | 米国・ロサンゼルス(1930年代後半) | ハル・タキエ、ウィリー・デザトフ、ヴェニスビーチのダンサー | 4/4拍子(中速〜高速スイングジャズ) | ピュア・バルボア、リンディホップ | ハリウッド・リンディ、ジャイブ | ピュア・バルボアの密着ステップに、ホールドを解いて回転する「トスアウト(スローアウト)」やロリーズ、クロスオーバー等を融合させたダイナミックなスタイル。 | ★★★★☆ | ○(国内バルボア&リンディ愛好家が実践) |
| 74 | カレッジエイト・シャグ (Collegiate Shag) | 米国・南部〜全米大学(1920年代後半〜30年代) | 米国の大学生ダンサー、アーサー・マレー(体系化) | 4/4拍子(180〜240BPMの高速ラグ・ジャズ) | パートナー・チャールストン、ワンステップ | セントルイス・シャグ、クイックステップ | ボディコンタクトを伴う独特の斜めホールド(手を高く掲げる等)で、「ダブル・リズム(2歩踏んでホップ)」の激しいキックとジャンプを繰り返す。 | ★★★☆☆ | ○(東京等のスイングダンススタジオで開講) |
| 75 | セントルイス・シャグ (St. Louis Shag) | 米国・ミズーリ州セントルイス(1930年代) | セントルイスのダンサーたち | 4/4拍子(高速ジャンプブルース、ブギウギ) | カレッジエイト・シャグ、チャールストン、リンディホップ | インペリアル・スイング、ブギウギ | 8カウントの基本構造(スタンプ・キック・トリプルステップ)を持ち、サイドバイサイド(横並び)で超高速の足技を繰り出すシャグ。 | ★★★☆☆ | △(国内スイング界隈の上級者が実践) |
| 76 | キャロライナ・シャグ (Carolina Shag) | 米国・ノース/サウスカロライナ州(1940年代、マートル・ビーチ) | ビリー・ジェフリーズ、”チキン”・ヒックスらビーチダンサー | 4/4拍子(100〜130BPM、「ビーチ・ミュージック」=R&B・ソウル) | リトル・アップル、ジターバグ、スポット・ダンス | イーストコースト・ビーチ・ボップ | 両カロライナ州の州舞踊。WCSに似たスロット上で、上体をほとんど揺らさず、1・2・3&4・5&6の軽快なフットワーク(鏡のような足さばき)を競う。 | ★★★☆☆ | △(国内では極めて少数) |
| 77 | ブギウギ(競技・ソーシャル) (Boogie-Woogie) | 米国起源→欧州(1940〜50年代に独自発展、WRRC管轄) | 米軍兵士/欧州のロックンロール・連盟(WRRC) | 4/4拍子(ピアノ・ブギウギ、ジャンプブルース) | リンディホップ、ジターバグ | アクロバティック・ロックンロール、ジャイブ | 欧州(独・仏・北欧・伊)で圧倒的人気を誇る即興競技ダンス。6カウントと8カウントの高速ローリング・フットワークでピアノの旋律を視覚化する。 | ★★★★☆ | △(国内スイング・ロカビリー層の一部) |
| 78 | アクロバティック・ロックンロール (Acrobatic Rock ‘n’ Roll) | 米国起源→欧州(1950年代後半〜70年代競技化、WRRC管轄) | 欧州のダンス連盟(スイス・ドイツ・フランス等)、WRRC | 4/4拍子(180〜208BPM、ビートの強いロック・ポップス) | ブギウギ、リンディホップ(エアステップ) | チア・アクロバット、競技ジャイブ | 地面を蹴り上げる高いハイキック・基本ステップと、パートナーを宙に放り投げて回転させる体操競技並みのアクロバット(宙返り等)を融合させたスポーツダンス。 | ★★★★☆ | △(日本では専門競技者が極めて少ない) |
| 79 | ロカビリー・ジャイブ(ボップ) (Rockabilly Jive / Bop) | 米国・英国(1950年代) | ロカビリー・カルチャーの若者たち | 4/4拍子(高速ロカビリー、ネオロカビリー) | ジターバグ、イーストコースト・スイング | 日本の原宿ローラー族・ロカビリーダンス | トリプルステップを省略し、1・2・3・4のシンプルなバウンスまたはタップ&ステップで高速ロカビリー曲に合わせて激しくスピンする4カウント/6カウントのペアダンス。 | ★★★★☆ | ○(東京・地方のロカビリーイベント・ライブハウスで定着) |
| 80 | モダン・ジャイブ(セロ / ル・ロック) (Modern Jive / Ceroc / LeRoc) | フランス起源→英国・ロンドン(1980年確立) | ジェームズ・クローニン、ミシェル・ベレック(Ceroc創設) | 4/4拍子(現代のあらゆるクラブチャート曲、ポップス、ラテン) | フレンチ・ジャイブ、サルサ、ハッスル、WCS | フュージョン・ジャイブ、イージー・スイング | 複雑なフットワーク(トリプルステップ)を完全に排除し、歩行ステップとサルサ・ハッスル由来の華やかなアームワーク(手技)に特化した、英国・豪州で最大規模のソーシャルダンス。 | ★★★★☆ | △(過去に東京等でサークル活動あり、外国人層中心) |
| 81 | ロック・ア・キャトル・タン(フレンチ・ロック) (Rock à 4 temps / French Jive) | フランス・パリ(1950年代〜現在) | パリのサン=ジェルマン=デ=プレの地下クラブ(Caveaux)と学生 | 4/4拍子(あらゆるロック、ポップス、シャンソン) | ジターバグ、ブギウギ | モダン・ジャイブ(Ceroc) | フランスの学生パーティーや結婚式の国民的ペアダンス。足をほとんど動かさず、4拍子の各拍に腕のテンションと高速プレッツェル(手技)だけで踊る。 | ★★★☆☆ | △(在日フランス人コミュニティ等) |
| 82 | スウェーディッシュ・ブッグ (Swedish Bugg) | スウェーデン(1960年代後半〜70年代) | ニルス・ハーカンソン(Nils Håkansson)らが体系化 | 4/4拍子(120〜180BPM、スウェーデンの「ダンスバンド」音楽) | ジターバグ、リンディホップ | ドゥッベルブッグ | スウェーデンで最も人口が多い国民的ペアダンス。4カウントのウォーキングステップを基本とし、固定された足型を持たず連続回転と円運動で踊る。 | ★★★☆☆ | ×(日本国内での実践はほぼ皆無) |
| 83 | ドゥッベルブッグ (Dubbelbugg) | スウェーデン(1970〜80年代) | スウェーデンのブッグ・ダンサーたち | 4/4拍子(ダンスバンド音楽、ロック) | スウェーディッシュ・ブッグ | トリオ・ダンス競技 | 1人のリーダーが2人のフォロワーを同時にリードし、3人の腕を複雑に交差・くぐり抜けさせながら絶え間なくポジションを入れ替えるスウェーデン独自の派生競技。 | ★★☆☆☆ | ×(日本国内での実践はほぼ皆無) |
| 84 | インペリアル・スイング (Imperial Swing) | 米国・セントルイス(1940〜50年代) | ジョージ・エドシック(インペリアル・クラブ) | 4/4拍子(R&B、ブルース、ジャンプジャズ) | セントルイス・シャグ、リンディホップ | ウエストコースト・スイングの一部ムーブメント | セントルイスのクラブ・インペリアルで発展。スロットとサークルの両方で動き、独特の浮遊感(フローティング)のあるトリプルステップを特徴とする地域スイング。 | ★★☆☆☆ | ×(米国中西部ローカル) |
| 85 | ダラス・プッシュ (Dallas Push) | 米国・テキサス州ダラス(1940〜50年代) | ダラスのダンスホール・ダンサー | 4/4拍子(ブルース、R&B、カントリーロック) | リンディホップ、ウエストコースト・スイング | ヒューストン・ホイップ、テキサス・スイング | WCSの姉妹種目。スロットの中央にリーダーが留まり、フォロワーを前後に「プッシュ&プル」させながら鋭いロックステップを踏むテキサス独自のスタイル。 | ★★☆☆☆ | ×(テキサス州ローカル) |
| 86 | ヒューストン・ホイップ (Houston Whip) | 米国・テキサス州ヒューストン(1950年代) | ヒューストンのR&Bクラブ・ダンサー | 4/4拍子(スロー〜中速のR&B、ブルース) | ウエストコースト・スイング、リンディホップ | モダンWCS(ホイップ系バリエーション) | スロットの中央でパートナーを引き寄せて鞭(Whip)のように回転させて送り出すムーブメントを極限まで発達させたスイング。 | ★★☆☆☆ | △(WCSのフィガーとして日本でも踊られる) |
| 87 | ワシントン・ハンド・ダンス (D.C. Hand Dance) | 米国・ワシントンD.C.(1950年代) | D.C.のアフリカ系アメリカ人コミュニティ | 4/4拍子(モータウン、R&B、ソウル) | リンディホップ、ジターバグ | シカゴ・ステッピング | ワシントンD.C.の公式ダンス。空中技を廃し、足裏全体を床に滑らせるフットワーク(グライド)と、絶え間ないハンドコネクションによる回転を特徴とする。 | ★★★☆☆ | ×(米国東海岸ローカル) |
| 88 | シカゴ・ステッピング (Chicago Stepping) | 米国・イリノイ州シカゴ(1970年代確立) | シカゴのソウル/R&Bクラブのダンサーたち | 4/4拍子(R&B、ソウル、ネオソウル、ジャズ) | バップ(Bop)、リンディホップ、スイング | アーバン・ボールルーム | シカゴのアフリカ系コミュニティが誇る洗練されたドレスアップ・ペアダンス。6または8カウントで、滑るようなステップとクールなターンを繰り出す。 | ★★★☆☆ | △(一部のソウル・ストリートダンス愛好家が研究) |
| 89 | デトロイト・ボールルーム(グレイストーン) (Detroit Ballroom / Graystone) | 米国・ミシガン州デトロイト(1950〜60年代) | グレイストーン・ボールルームのアフリカ系ダンサー | 4/4拍子(モータウン、R&B、ソウル) | フォックストロット、リンディホップ、チャチャ | アーバン・ライン&パートナーダンス | 社交ダンスの優美なホールドとモータウン・ソウルのグルーヴを融合させた、流れるようなターンとディップを特徴とするデトロイト独自の都市型ペアダンス。 | ★★☆☆☆ | ×(米国デトロイトローカル) |
| 90 | ブルース・ダンス(ジュク・ジョイント/ボールルーム・ブルース) (Blues Dance) | 米国・南部およびハーレム(1900年代〜現在) | アフリカ系アメリカ人(現代復興:90年代スイング界隈) | 4/4または12/8拍子(デルタブルース、シカゴブルース、スロージャズ) | スロー・ドラッグ、アフリカ系舞踊、リンディホップ | ウエストコースト・スイング、フュージョン・ダンス | 日本の社交ダンスの「ブルース」とは別物。重心を低く保ち、強いパルスとポリリズム、クローズ・エンブレイスやラグ(遅延)を使ってブルース音楽の哀愁を即興表現する。 | ★★★★☆ | ○(東京等のリンディホップ・スイングコミュニティ内で開催) |
| 91 | スロー・ドラッグ (Slow Drag) | 米国南部(19世紀末〜20世紀初頭) | アフリカ系アメリカ人(ジューク・ジョイント) | 4/4拍子(ラグタイム・ブルース、スロー・ジャズ) | 西アフリカ伝統舞踊 | ブルース・ダンス、グリズリー・ベア、リンディホップ | クローズド・ポジションで組み、片足を置いてもう片方の足を床に引きずる(Drag)ように時間をかけて寄せる、すべてのジャズ・ブルース系ペアダンスの源流。 | ★★☆☆☆ | △(国内ブルース&スイング愛好家が実践) |
| 92 | 30年代チャールストン(タンデム・チャールストン) (30s / Tandem Charleston) | 米国・ハーレム(1930年代) | サボイ・ボールルームのリンディホッパーたち | 4/4拍子(中〜高速スイングジャズ) | 20年代チャールストン、リンディホップ | ジャズ・ルーティン、ロックステップ | 20年代のツイストを整理し、前後のロックステップとキック(1・2・3・4・5・6・7・8)に進化させたもの。男女が前後に縦並びになる「タンデム」が有名。 | ★★★★☆ | ○(国内リンディホップで必須技法として普及) |
| 93 | アメリカン・ジターバグ(オリジナル) (Original American Jitterbug) | 米国(1930年代中盤〜40年代) | キャブ・キャロウェイ(1934年『Jitter Bug』で普及) | 4/4拍子(ビッグバンド・スイング) | リンディホップ | イーストコースト・スイング、ジャイブ、日本のジルバ | 元来はリンディホップと同義または簡略化した激しいスイング全般を指す総称。シングル/ダブル/トリプル・リズムが存在する。 | ★★★★☆ | ○(スイング界隈で実践、社交界では「ジルバ」へ変化) |
| 94 | パートナー・ハンド・ジャイブ (Partner Hand Jive) | 英国・ロンドンのカフェ&米国(1957〜58年) | ジョニー・オーティス(楽曲『Willie and the Hand Jive』) | 4/4拍子(ボ・ディドリー・ビートのロックンロール) | ジャイブ、アフリカン・パッティング・ジュバ | ディスコ・ハンドダンス、ショート動画系ペアダンス | ロンドンの地下コーヒーバーで椅子に座ったまま、あるいは立って向かい合い、拍手やハンドサイン動作等をペアで同調させるリズムダンス。 | ★★☆☆☆ | △(オールディーズ・ライブハウス等で披露) |
| 95 | カロライナ・ブギ / ビーチ・ボップ (East Coast / Beach Bop) | 米国東海岸(1950年代) | 大西洋岸のティーンエイジャー・ダンサー | 4/4拍子(R&B、初期ロックンロール) | キャロライナ・シャグ、イーストコースト・スイング | ディスコ・ハッスル | スイングとシャグの中間的なフットワークを持ち、テレビ番組『American Bandstand』を通じて全米の若者に広がった50年代ソーシャルダンス。 | ★★☆☆☆ | ×(米国東海岸ローカル) |
| 96 | ジャズ・ルーツ・パートナー(ママ・シータ等) (Vernacular Jazz Partner Routines) | 米国(1930年代〜現在) | アル・ミンズ、レオン・ジェームズ、現代スイング振付家 | 4/4拍子(スイング・ジャズ) | トラディショナル・ジャズ(シムシャム、ビッグアップル) | コンテンポラリー・スイング | ソロ・ジャズのステップ(スージーQ、ショート・ジョージ、ブギ・バック等)をペアのコネクションとコール&レスポンスに組み込んだスイング様式。 | ★★★☆☆ | ○(国内スイングダンススタジオで指導) |
カテゴリーVI:キューバ・カリブ海・ラテン・クラブ&ストリート系(No.97〜128)
キューバの「コントラダンサ」「ダンソン」「ソン」を源流とし、ニューヨークやプエルトリコ、コロンビアで発展した「サルサ」、ドミニカ共和国発祥の「バチャータ」「メレンゲ」、フレンチ・カリビアンの「ズーク/コンパ」など、現代のグローバル・ソーシャルダンス市場で最大の人口を擁するカテゴリーである。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 97 | サルサ・NYスタイル(On2 / マンボ・スタイル) (New York Style Salsa On2) | 米国・ニューヨーク(1970〜80年代確立) | エディ・トレス(Eddie Torres ”The Mambo King”) | 4/4拍子(クラーベ・リズム、160〜220BPM、サルサ、マンボ、ラテンジャズ) | パラディアム期マンボ、ソン、パチャンガ、ハッスル | モダン・ラテン・フュージョン | 直線(スロット)上で踊り、カウント「2」と「6」で方向転換(ブレイク)する。音楽のコンガ(トゥンバオ)と完全に同調する滑らかで洗練されたスタイル。 | ★★★★★ | ◎(東京・六本木/新宿/日本橋等のサルサバーで主流の1つ) |
| 98 | サルサ・LAスタイル(On1) (Los Angeles Style Salsa On1) | 米国・ロサンゼルス(1990年代確立) | バスケス3兄弟(フランシスコ、ルイス、ジョニー・バスケス)、アレックス・ダ・シルバ | 4/4拍子(サルサ・ロマンティカ、サルサ・デュラ) | NYサルサ、マンボ、ウエストコーストスイング、ハリウッド映画ダンス | 競技サルサ(キャバレー部門) | スロット上でカウント「1」と「5」の強拍でブレイクする。ダイナミックな高速連続スピン、シャイン、ディップやトリックを多用する華やかなスタイル。 | ★★★★★ | ◎(日本で最もレッスン人口が多いサルサスタイル) |
| 99 | カジノ(キューバン・サルサ) (Casino / Cuban Salsa) | キューバ・ハバナ(1950年代後半、カジノ・デポルティーボ) | キューバの社交クラブのダンサーたち | 4/4拍子(ソン、サルサ・クバーナ、ティンバ) | ソン・クバーノ、ダンソン、グアグアンコー、ジターバグ | ルエダ・デ・カジノ、ティンバ・ダンス | 直線ではなく男女が互いに円を描くように回りながら移動し、腕を複雑に絡ませる「ヌード(結び目)」とアフロ・キューバンのボディムーブメントを特徴とする。 | ★★★★★ | ◎(日本全国のサルサバー・専門教室で大人気) |
| 100 | ルエダ・デ・カジノ (Rueda de Casino) | キューバ・ハバナ(1956年頃) | グアラチェロス・デ・レグラ、カジノ・デポルティーボ | 4/4拍子(キューバン・サルサ、ティンバ) | カジノ、コントラダンサ(スクエア・サークル形式) | バチャータ・ルエダ、ズーク・ルエダ | 複数のカップルが大きな円(ルエダ=車輪)を作り、1人のリーダー(カンタンテ)の掛け声とハンドサインに従って一斉に技を繰り出し、次々とパートナーを交換する。 | ★★★★☆ | ○(日本のキューバンサルサ・パーティーの定番演目) |
| 101 | サルサ・カレーニャ(コロンビア・スタイル) (Salsa Caleña) | コロンビア・カリ市(1960〜70年代) | カリのダンサーたち(世界大会Salsódromo等) | 4/4拍子(33回転レコードを45回転で再生したことから生まれた超高速サルサ) | キューバ音楽、クンビア、ブガルー、パチャンガ | アクロバティック・ラテン競技 | 上半身をほぼ動かさず、膝から下の超高速・超絶技巧のフットワーク(レピケ、プンタ・タロン)とアクロバティックなリフトを競う「世界のサルサの首都」のスタイル。 | ★★★★☆ | △(Japan Cup等の競技・ショーケースで一部実践) |
| 102 | プエルトリカン・サルサ (Puerto Rican Salsa) | プエルトリコ(1960〜70年代) | パピート・ハラミージョ(Papito Jaramillo)ら | 4/4拍子(プエルトリカン・サルサ、ファニア系) | ソン、マンボ、ボンバ、プレナ | NYスタイル・サルサ | On1またはOn2(特にフォロワーが2で前に出るオープンブレイク)で踊られ、優雅な姿勢と極めて精緻なソロ・フットワーク(シャイン)を重視する。 | ★★★★☆ | △(国内On2/On1上級クラスで指導) |
| 103 | ソン・クバーノ (Son Cubano) | キューバ東部オリエンテ州(19世紀末)→ハバナ(1920年代) | 自然発生(音楽普及:セクステート・ハバネロ、トリオ・マタモロス) | 4/4拍子(クラーベ、コントラティエンポ=裏拍アクセント) | スペインの弦楽舞踊とアフリカ系バントゥーのリズム | カジノ、マンボ、インターナショナル・ルンバ、チャチャチャ | すべての近代ラテン・ペアダンスの母。音楽の1拍目を休止し、2拍目・3拍目・4拍目(カスコ/コントラティエンポ)で優雅かつ誇り高くステップを踏む。 | ★★★★☆ | ○(国内キューバン・サルサ教室で基礎・応用として指導) |
| 104 | ダンソン (Danzón) | キューバ・マタンサス(1879年) | ミゲル・ファイルデ(Miguel Failde:作曲・創始) | 2/4拍子(バケテーオ・リズム、フルートとバイオリンのチャランガ編成) | コントラダンサ・クバーナ(ハバネラ) | ダンソネーテ、マンボ、チャチャチャ、メキシカン・ダンソン | キューバの公式国舞。優雅な歩行パート(パセオ)と、扇子を使いながら小さく繊細なボックスステップを踏むパートを交互に繰り返す貴族的なペアダンス。 | ★★★☆☆ | △(キューバ民族舞踊・サルサ史ワークショップ等) |
| 105 | ダンソネーテ (Danzonete) | キューバ・マタンサス(1929年) | アニセート・ディアス(Aniceto Díaz) | 2/4または4/4拍子 | ダンソン、ソン・クバーノ | マンボ、チャチャチャ | ダンソンにソンのヴォーカルとシンコペーションを取り入れ、パートナーのヒップムーブメントをより自由にした1930年代の過渡期ダンス。 | ★☆☆☆☆ | ×(歴史的種目) |
| 106 | コントラダンサ・クバーナ(ハバネラ) (Contradanza Cubana / Habanera) | 仏領サン=ドマング(ハイチ)→キューバ(18世紀末〜19世紀) | ハイチ革命でキューバへ亡命したフランス系入植者とアフリカ系住民 | 2/4拍子(ハバネラ・リズム=付点8分音符+16分音符+8分音符2つ) | イングリッシュ・カントリー・ダンス、フランスのコントルダンス | ダンソン、アルゼンチン・タンゴ、マシーシェ | ヨーロッパの列舞(コントラダンス)にアフリカのシンコペーション(タンゴ・コンゴ)が融合。このハバネラ・リズムが南米へ渡りタンゴを生んだ。 | ★★☆☆☆ | △(音楽史・キューバ伝統舞踊公演) |
| 107 | グアグアンコー(アフロ・キューバン・ルンバ) (Guaguancó) | キューバ・ハバナ&マタンサス(19世紀末、奴隷解放後) | アフリカ系キューバ人コミュニティ | 4/4拍子(クラーベと3本のコンガ打楽器のみ) | アフリカ(コンゴ・ヨルバ)の伝統舞踊、ユカ | カジノ(ルンバ・パート)、サルサのボディムーブメント | 社交ダンスの「ルンバ」とは全く異なる打楽器舞踊。組まずに対面し、男性がハンカチやジェスチャーで求愛を示す「ヴァクナオ」と、女性がスカートを操ってかわす駆け引きを演じる。 | ★★★★☆ | ○(日本のサルサ・アフロキューバン教室で大人気) |
| 108 | ヤンブー(アフロ・キューバン・ルンバ) (Yambú) | キューバ・マタンサス(19世紀後半) | アフリカ系キューバ人コミュニティ | 4/4拍子(スローなアフロ・キューバン・ルンバ) | アフリカ伝統舞踊 | グアグアンコー | アフロ・キューバン・ルンバの最古かつ最も遅いペア様式。「ヤンブーではヴァクナオをしない」という伝統通り、老夫婦のように優美かつ敬意を持って対面で踊る。 | ★★★☆☆ | △(国内アフロ・キューバン専門クラス) |
| 109 | オリジナル・キューバン・マンボ (Original Cuban Mambo) | キューバ(1938年音楽創始、1940年代ダンス化) | オデリオ・ウルフェ、イスラエル・”カチャオ”・ロペス、ペレス・プラード | 4/4拍子(ホーンセクションとコンガの高速マンボ) | ダンソン(シンコペーション部)、ソン・モントゥーノ | チャチャチャ、パラディアム・マンボ、サルサ | ダンソンの終結部(新リズム部)から独立。膝を柔らかく使い、カウント4から2にかけて身体をうねらせながらステップを踏む躍動感あふれるペア&ソロダンス。 | ★★★☆☆ | ○(サルサ&ラテンダンサーがシャイン・ペアで実践) |
| 110 | パチャンガ (Pachanga) | キューバ(1959年)→米国NY(1960年代初頭大流行) | エドゥアルド・ダビドソン(音楽)、チャーリー・パルミエリ、NYダンサー | 4/4拍子(フルートとバイオリンの軽快なチャランガ曲) | チャチャチャ、マンボ、メレンゲ | サルサ(特にNYスタイルOn2のシャイン・フットワーク) | 膝を柔軟にバウンスさせながら、両足を左右に滑らせる(グライド&スイブル)独特の軽快なフットワーク。ペアおよびシャインで踊られる。 | ★★★★☆ | ○(日本のOn2サルサ・スタジオで必修クラスあり) |
| 111 | ラテン・ブガルー (Latin Boogaloo) | 米国・ニューヨーク(1960年代中盤、スパニッシュ・ハーレム) | ピート・ロドリゲス、ジョー・クーバ、プエルトリコ系&黒人の若者 | 4/4拍子(マンボ/チャチャと米国R&B・ソウルの融合音楽) | マンボ、チャチャチャ、ツイスト、R&Bダンス | サルサ、ストリートダンス(ポッピング/ブガルー) | ラテン音楽に英語の歌詞とR&Bビートを乗せ、ペアのチャチャ・マンボステップとソウルフルなヒップ&ショルダーのグルーヴを融合させた60年代NYの象徴。 | ★★★☆☆ | ○(国内サルサ・シャインクラス等で指導) |
| 112 | キューバン・ボレロ (Cuban Bolero) | キューバ・サンティアーゴ・デ・クーバ(1883年) | ペペ・サンチェス(音楽創始) | 2/4または4/4拍子(シンキージョ・リズムの甘美なバラード) | ソン、ダンソン、スペインの叙情歌 | インターナショナル・ルンバ、アメリカン・ボレロ、バチャータ | スペインの3拍子のボレロとは無関係のキューバ発祥2/4・4/4拍子バラード。クローズド・ポジションで組み、スローなソン/ルンバの足型でロマンティックに踊る。 | ★★★☆☆ | △(サルサバーでスロー曲がかかった際に踊られる) |
| 113 | トラディショナル(ドミニカン)・バチャータ (Dominican / Traditional Bachata) | ドミニカ共和国・サントドミンゴ(1960年代初頭) | ホセ・マヌエル・カルデロン(1962年録音)、ドミニカ庶民層 | 4/4拍子(レキント・ギターとボンゴ、グイラの高速アルペジオ) | ボレロ(キューバ/ラテン)、ソン、メレンゲ | モダン・バチャータ、センシュアル・バチャータ | ギターの複雑なシンコペーションに合わせ、ボックスやサイドステップの中に素早いフットワーク(シンコペーション・ステップ)と柔らかいヒップムーブメントを刻む。 | ★★★★★ | ○(日本のバチャータ専門クラス・フェスティバルで人気) |
| 114 | モダン・バチャータ (Modern Bachata) | 欧米・豪州(2000年代前半) | 欧米のサルサ/ラテン・インストラクター陣 | 4/4拍子(アヴェントゥーラ、プリンス・ロイス等のアーバン・バチャータ) | ドミニカン・バチャータ、サルサ(LA/NY) | センシュアル・バチャータ、アーバン・バチャータ | 「1・2・3・タップ(ヒップ)」のシンプルな左右ベーシックに、サルサ由来のターンパターンやスライド、ディップを組み込んだ最も汎用性の高いスタイル。 | ★★★★★ | ◎(日本の全サルサ&バチャータバーで毎晩踊られる) |
| 115 | センシュアル・バチャータ (Bachata Sensual) | スペイン・カディス(2000年代中盤〜現在) | コルケ・エスカロナ&ジュディス・コルデロ(Korke & Judith) | 4/4拍子(R&B・ポップスをバチャータ化したリミックス曲、ロメオ・サントス等) | モダン・バチャータ、ブラジリアン・ズーク、コンテンポラリーダンス | アーバン・キゾンバ、バチャータ・フュージョン | 脚のステップ以上に、上半身のボディムーブメント(波打つ動き)、アイソレーション、ヘッドロール、ディップのリード&フォローを体系化した世界最大級のトレンド種目。 | ★★★★★ | ◎(東京・大阪等で急拡大、日本人世界王者も輩出) |
| 116 | バチャタンゴ (Bachatango) | イタリア・欧米(2000年代中盤) | 欧州のラテン・タンゴダンサー | 4/4拍子(バンドネオンを取り入れたバチャータ曲) | モダン・バチャータ、アルゼンチン・タンゴ | ドラマティック・バチャータ・ショーケース | バチャータの「1・2・3・タップ」の4拍目タップの代わりに、アルゼンチン・タンゴの「ガンチョ(脚の引っ掛け)」「ボレオ」「オチョ」を挿入するハイブリッド種目。 | ★★★☆☆ | △(国内バチャータのショーケース・振付等で実践) |
| 117 | アーバン・バチャータ(マドリード・スタイル) (Urban / Madrid Bachata) | スペイン・マドリード&米国(2010年代〜) | ダニエル&デジレ、マルコ&サラ、アタバカ等 | 4/4拍子(ヒップホップやレゲトン要素の強い最新バチャータ) | モダン・バチャータ、センシュアル・バチャータ、ヒップホップ | バチャータ・レディース・スタイリング競技 | センシュアル・バチャータの滑らかなボディムーブメントに、ヒップホップのヒットや鋭いアクセント、スライドを融合させた現代フェスティバルの主流スタイル。 | ★★★★★ | ◎(日本の若手バチャータダンサーに絶大な人気) |
| 118 | メレンゲ (Merengue) | ドミニカ共和国(19世紀中頃誕生、1930年代国策化) | 自然発生/普及:ラファエル・トゥルヒージョ政権、フアン・ルイス・ゲラ | 2/4拍子(タンボーラ太鼓、グイラ、アコーディオンの高速ビート) | コントラダンサ、アフロ・カリビアン舞踊 | バチャータ、サルサの複雑な手技(プレッツェル) | ユネスコ無形文化遺産。音楽の1拍ごとに足踏み(マーチ)し、キューバンモーションと複雑な腕のくぐり抜けを楽しむ、ステップが最も簡潔なペアダンス。 | ★★★★★ | ○(日本のサルサバーで週末等に必ずかかる定番曲) |
| 119 | パンビチェ(メレンゲ・アパンビチャオ) (Pambiche) | ドミニカ共和国・プエルト・プラタ(1916年〜米軍占領期) | トーニョ・アブレウ(音楽)、ドミニカ北部のダンサー | 2/4拍子(通常のメレンゲより遅くシンコペーションが強い) | メレンゲ | スロー・メレンゲ | 速いメレンゲとは対照的に、ゆったりと重心を落としてシンコペーションに合わせてステップを踏むドミニカ北部の伝統的メレンゲ様式。 | ★★☆☆☆ | △(ドミニカ音楽・ラテン愛好家の一部) |
| 120 | クンビア(コロンビア&メキシカン・ペア) (Cumbia) | コロンビアカリブ海沿岸起源→メキシコ・中南米全域 | 先住民・アフリカ系・スペイン系の混交/現代ペア化:メキシコ・米国 | 2/4または4/4拍子(「チャン・チャカ・チャン」の裏拍ギロ・リズム) | コロンビア民俗舞踊(求愛の輪舞) | サルサ・カレーニャ、テクス・メクス・クンビア | 伝統的には女性がスカートを広げ男性が帽子で求愛する非接触ペア舞踊。現代のクラブ(メキシカン・クンビア)ではオープンなバックステップと円運動で軽快に組んで踊る。 | ★★★★★ | ○(国内サルサバーや中南米イベントで頻繁に踊られる) |
| 121 | バジェナート(パートナー・ダンス) (Vallenato) | コロンビア北部・バジェドゥパル(19世紀末〜20世紀) | コロンビアの農民・吟遊詩人(カルロス・ビベスらが現代化) | 2/4または4/4拍子(アコーディオン、カハ、グアチャラカの4リズム) | スペイン舞踊、アフリカ系リズム、先住民音楽 | トロピポップ・ダンス | ソン、パセオ、メレンゲ、プーヤの4つのリズムがあり、カップルがクローズド・ポジションで小刻みにステップを踏みながら滑らかに揺れるコロンビアの国民的ペアダンス。 | ★★★☆☆ | △(在日コロンビア人および南米音楽イベント) |
| 122 | レゲトン・パートナー(サルサトン) (Reggaeton Partner / Salsatón) | プエルトリコ・パナマ(1990年代後半〜現在) | ラテン・アーバン・クラブのダンサーたち | 4/4拍子(デムボウ・リズム=3+3+2のトレシージョ) | ジャマイカのダンスホール、サルサ、ラテンストリートダンス | アーバン・ラテン・クラブダンス | デムボウのリズムに合わせ、体幹のアイソレーションやバウンス、サルサ由来のペアワークを組み合わせて踊る現代ラテンクラブのペアスタイル。 | ★★★★☆ | ○(六本木・渋谷等のラテンナイトクラブで実践) |
| 123 | カリビアン・ズーク(フレンチ・ズーク/ズーク・ラブ) (Caribbean Zouk / Zouk-Love) | 仏領グアドループ&マルティニーク(1980年代初頭) | バンド「Kassav’(カッサヴ)」が音楽創始 | 4/4拍子(80〜120BPM、「トゥン・チ・カ・チ」のズークビート) | ハイチのコンパ(Kompa)、ビギン(Biguine)、カドリーユ | ブラジリアン・ズーク、キゾンバ(アンゴラ) | クローズド・ポジションで組み、左右へのステップと滑らかなヒップのローリングを繰り返すカリブ海のペアダンス。 | ★★★★☆ | △(日本ではブラジリアンズークやキゾンバの方が主流) |
| 124 | コンパ(コンパス・ディレクト) (Kompa / Compas Direct) | ハイチ(1955年創始) | ネムール・ジャン=バティスト(Nemours Jean-Baptiste) | 4/4拍子(エレキギターとコンガ、カウベルの優雅なグルーヴ) | キューバのソン、ドミニカのメレンゲ、フランスのカドリーユ | カリビアン・ズーク、カボ・ズーク | ハイチの国民的ペアダンス。クローズド・ポジションでその場に留まり、膝の柔らかな屈伸とスウェイでパートナーと音楽のグルーヴを共有する。 | ★★★★☆ | △(国内キゾンバ・カリビアンイベントの一部) |
| 125 | ビギン (Biguine) | 仏領マルティニーク&グアドループ(19世紀後半〜1930年代パリ流行) | クレオール音楽家・ダンサー(アレクサンドル・ステリオ等) | 2/4拍子(クラリネットとトロンボーンのクレオール・ジャズ) | フランスの宮廷舞踊(コントルダンス)とアフリカ系ベレ | カリビアン・ズーク、コール・ポーター『Begin the Beguine』 | 軽快なツーステップとプロムナード、柔軟なキューバンモーションを組み合わせたフレンチ・カリビアンの伝統的サロン・ペアダンス。 | ★★☆☆☆ | ×(音楽としては有名だがダンス実践は稀) |
| 126 | カリプソ・パートナー・ダンス (Calypso Partner Dance) | トリニダード・トバゴ(20世紀初頭〜1950年代米国ブーム) | トリニダードのカーニバル文化/ハリー・ベラフォンテ(1956年ブーム) | 2/4または4/4拍子(カリプソ、スティールパン音楽) | アフリカ系カリブ舞踊、ルンバ、マンボ | ソカ、スカ、ロックステディ | 1950年代後半に米国で「第2のマンボ」としてペアダンス化され、バック・ブレイクと膝の屈伸、陽気なヒップアクションで踊られたカリビアン・社交ダンス。 | ★★☆☆☆ | △(カリビアン音楽イベント等で散発的) |
| 127 | ソカ・パートナー・ダンス (Soca Partner Dance) | トリニダード・トバゴ(1970年代創始〜現在) | ロード・ショーティ(Lord Shorty:音楽創始) | 4/4拍子(高速のソカ=Soul of Calypso) | カリプソ、インド系タッサ・リズム | モダン・カリビアン・カーニバルダンス | カーニバルやクラブでハイテンポなソカのビートに合わせ、リズミカルなステップとステップ・ジャンプを共有する祝祭的なダンス。 | ★★★★☆ | ○(東京等のカリビアン・ソカ・レゲエイベントで実践) |
| 128 | ボンバ&プレナ(プエルトリコ) (Bomba & Plena) | プエルトリコ(17世紀ボンバ/20世紀初頭プレナ) | アフリカ系プエルトリコ人(ロイス、ポンセ等の沿岸地域) | 2/4または4/4拍子(バレル太鼓とパンデレタ) | 西アフリカ伝統舞踊、スペインの民俗舞踊 | プエルトリカン・サルサ | ボンバは踊り手が太鼓奏者にリズムを指示する対話舞踊。プレナは「歌う新聞」と呼ばれ、クローズドホールドで滑らかに旋回する社交ペアダンスとしても踊られる。 | ★★★☆☆ | △(プエルトリコ系サルサワークショップ等) |
カテゴリーVII:ブラジル系ペアダンス(No.129〜142)
ブラジルでは、カーニバルのソロ・サンバ(サンバ・ノ・ペ)とは別に、「ダンサ・デ・サロン(Dança de Salão=ブラジル流社交ダンス)」と呼ばれる極めて豊穣なペアダンス文化が発展しており、その中からランバダやブラジリアン・ズーク、フォホーといった世界的ヒット種目が生み出されている。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 129 | サンバ・デ・ガフィエイラ (Samba de Gafieira) | ブラジル・リオデジャネイロ(1940年代確立) | リオの庶民的ダンスホール(ガフィエイラ)、カルリーニョス・デ・ジェズス | 2/4拍子(サンバ、ショーロ、ボサノヴァ、パゴージ) | マシーシェ、アルゼンチン・タンゴ、スイング | サンバ・フンキ、ブラジリアン・ズーク | 競技社交ダンスのサンバとは全く異なるリオ本来のペア・サンバ。アルゼンチンタンゴの足技(ガンチョ、サカーダ)とスイングのアクロバット、サンバの軽快な歩行を融合。 | ★★★★☆ | ○(東京のブラジル系ダンススタジオ・フェスティバルで指導) |
| 130 | サンバ・パゴージ(ペア) (Samba Pagode Partner) | ブラジル・リオ&サンパウロ(1980〜90年代) | パゴージ音楽コミュニティ | 2/4拍子(カヴァキーニョとタンタンの小編成サンバ) | サンバ・デ・ガフィエイラ、サンバ・ノ・ペ | モダン・ガフィエイラ | ガフィエイラよりも省スペースかつカジュアルなオープン/クローズドホールドで、細かなシンコペーション・ステップ(ミウジーニョ等)を共有するスタイル。 | ★★★☆☆ | △(国内ブラジル音楽イベントの一部) |
| 131 | サンバ・フンキ(サンバ・ファンク) (Samba Funkeado) | ブラジル・リオデジャネイロ(1990年代末〜2000年代) | ジミー・ジ・オリヴェイラ(Jimmy de Oliveira) | 2/4または4/4拍子(サンバ・ソウル、ヒップホップ、R&B) | サンバ・デ・ガフィエイラ、ヒップホップ、ファンク | モダン・ブラジリアン・ストリートペア | 伝統的なガフィエイラのステップに、ヒップホップのアイソレーション(胸や肩のヒット)、ボディロール、鋭いストップ(ブレイク)を融合させた革新的スタイル。 | ★★★☆☆ | △(国内ブラジリアン・ズーク/ガフィエイラWS等で紹介) |
| 132 | サンバ・ロック (Samba Rock) | ブラジル・サンパウロ(1960〜70年代) | ジャクソン・ド・パンデイロ(音楽)、サンパウロ黒人コミュニティ(アタバキ等) | 4/4拍子(ブラジリアン・ソウル、サンバ・ロック=ジョルジ・ベン等) | アメリカン・ジターバグ(ロックンロール)、サンバ、ボサノヴァ | ランバダ(腕のターン構造) | サンパウロの黒人ソウルパーティー(バイレ・ブラック)から誕生。ロックンロールの複雑なアームワーク(両手を離さず連続でくぐる)とサンバのグルーヴを融合。 | ★★★☆☆ | △(在日ブラジル人コミュニティ・イベント) |
| 133 | マシーシェ(ブラジリアン・タンゴ) (Maxixe) | ブラジル・リオデジャネイロ(1870年代〜1910年代欧米流行) | リオの庶民層/音楽:エルネスト・ナザレー、シキーニャ・ゴンザーガ/欧米普及:キャッスル夫妻 | 2/4拍子(ハバネラ・リズムとシンコペーションのショーロ) | ポルカ、ハバネラ(キューバ)、ルンドゥ(アフリカ系) | サンバ・デ・ガフィエイラ、インターナショナル・サンバ | ブラジル初の都市型ペアダンス。ポルカのステップにハバネラのリズムとダイナミックな体幹のひねり・脚の交差を加え、1914年にパリとNYで大ブームを巻き起こした。 | ★★☆☆☆ | △(ガフィエイラのルーツとして専門家が実演) |
| 134 | ランバダ (Lambada) | ブラジル北部・パラ州ベレン&バイーア州ポルト・セグーロ(1970年代末〜1989年世界ブーム) | パラ州のダンサー/世界普及:バンド「カオマ(Kaoma)」(1989年『Chorando Se Foi』) | 4/4または2/4拍子(カリビアン・カリンボ・クンビア融合の高速曲) | カリンボ(アマゾン舞踊)、フォホー、マシーシェ、メレンゲ | ブラジリアン・ズーク、ランバズーク | クローズド・ポジションでの連続的な8の字のヒップムーブメントと、スカートを翻すスピン、頭部を回すヘッドムーブメントで1989〜90年に世界中を熱狂させたペアダンス。 | ★★★★☆ | ○(90年代に大流行、現在はズーク愛好家が継承) |
| 135 | ブラジリアン・ズーク(トラディショナル/リオ・スタイル) (Traditional Rio Brazilian Zouk) | ブラジル・リオデジャネイロ(1990年代前半) | アダリオス・グループ、レナタ・ペサニャ(Renata Peçanha)、ハイムンド・サントス | 4/4拍子(カリビアン・ズーク、R&B、レゲトン、スローポップス) | ランバダ、サンバ・デ・ガフィエイラ、コンテンポラリーダンス | ネオ・ズーク、センシュアル・バチャータ | ランバダブーム終焉後、遅いフレンチ・ズーク曲でランバダを踊るために誕生。直線と円運動、「スロー・クイック・クイック」のステップと流麗なヘッドムーブメント(カンブレ等)が特徴。 | ★★★★★ | ○(東京ズークフェスティバル開催、専門スタジオHajime等で急成長) |
| 136 | ランバズーク(ポルト・セグーロ・スタイル) (LambaZouk) | ブラジル・バイーア州ポルト・セグーロ(1990年代〜2000年代) | ベルジーニョ、ジジ&リカルド、ブラス・ドス・サントス | 4/4拍子(アップテンポなズーク、キゾンバ、ラテンポップス) | ランバダ | モダン・ブラジリアン・ズーク | リオ・スタイルが直線的なステップを取り入れたのに対し、ランバダ本来の「その場(イン・プレイス)での円運動」と高速で連続するウィップ・チッキ(頭部の回転)を維持したスタイル。 | ★★★★☆ | ○(国内ブラジリアン・ズークコミュニティで実践) |
| 137 | ネオ・ズーク / ソウル・ズーク (Neo Zouk / Soulzouk) | ブラジル・欧州(2000年代後半〜2010年代) | マフ・マンソ(Mafie Zouker:Neo)、チナ・ソウザ(China:Soulzouk)、ダニエル&レティシア | 4/4拍子(ヒップホップ、ダブステップ、チルアウト、R&B) | リオ・ブラジリアン・ズーク、コンタクト・インプロ、ヒップホップ | フュージョン・ダンス、センシュアル・バチャータ | 定型ステップの概念を解体し、関節の生体力学と呼吸・体幹のねじれ(トーション)による無限の円運動やヒップホップのグルーヴに特化した現代ズークの進化形。 | ★★★★☆ | ○(国内ズークWSおよびソーシャルで普及) |
| 138 | フォホー(ペ・デ・セラ/トラディショナル) (Forró Pé de Serra) | ブラジル北東部(ノルデスチ)(19世紀末〜1940年代普及) | ルイス・ゴンザーガ(音楽の父) | 2/4拍子(アコーディオン=サンフォーナ、ザブンバ太鼓、トライアングル) | 欧州のポルカ・シュティッシュ、先住民・アフリカ系舞踊 | フォホー・ウニヴェルシタリオ、ランバダ | ブラジルで最も大衆的な国民的ペアダンス。クローズド・ポジションで組み、2歩ずつ左右・前後にステップを踏みながら滑らかに旋回する。 | ★★★★★ | ○(代々木公園ブラジルフェスティバルや東京の専門サークルで実践) |
| 139 | フォホー・ウニヴェルシタリオ (Forró Universitário) | ブラジル・サンパウロ&リオ(1990年代後半〜現在) | ブラジル南東部の大学生、バンド「Falamansa」等 | 2/4拍子(軽快なモダン・フォホー、シャド) | トラディショナル・フォホー、サルサ、サンバ・ロック | 欧州のフォホー・フェスティバル文化 | 伝統フォホーに、前後のベーシックステップとオープンポジションでの多彩なスピン・手技(サルサ/サンバロック由来)を導入し、欧州・世界へ爆発的に広がったスタイル。 | ★★★★★ | ○(東京のフォホー・サークルおよびイベントで主流) |
| 140 | シャド(ショッチ)&バイアン (Xote & Baião) | ブラジル北東部(19世紀末〜20世紀中盤) | ルイス・ゴンザーガ、ウンベルト・テイシェイラ | 2/4または4/4拍子(スローで跳ねるシャド、シンコペーションのバイアン) | 欧州のシュティッシュ(Schottische→Xoteに訛化) | フォホー全般 | フォホー音楽のサブジャンル。シャドはより遅いテンポで小刻みに弾み、バイアンは土着的な足のスタンプとリズムワークを強調する。 | ★★★☆☆ | △(国内フォホー・イベント内で踊られる) |
| 141 | ヴァネラン (Vaneirão) | ブラジル南部・リオグランデ・ド・スル州(ガウーショ文化、19世紀末) | 南部カウボーイ(ガウーショ)とキューバ音楽の交配 | 2/4拍子(アコーディオン主体の高速ガウーショ音楽) | キューバのハバネラ(Habanera→Vaneira)、ポルカ | セルタネージョ(ブラジリアン・カントリー)ダンス | ブラジル南部の伝統ペアダンス。ポルカやフォホーに似た高速のステップでフロアを豪快に旋回する。現代の「セルタネージョ・ウニヴェルシタリオ」の母体。 | ★★★☆☆ | △(在日ブラジル人コミュニティ) |
| 142 | ボサノヴァ・ダンス (Bossa Nova Partner Dance) | ブラジル・リオ(音楽1958年)→米国(1960年代初頭ダンス化) | ジョアン・ジルベルト、アントニオ・カルロス・ジョビン(音楽)/米国ダンス教師陣(ダンス化) | 2/4または4/4拍子(ボサノヴァ) | サンバ・デ・ガフィエイラ、ルンバ、ジャズ | ソフト・ラテン・ソーシャル | 1960年代初頭にボサノヴァが世界ヒットした際、サンバのバウンスを抜き、膝を柔らかく使ったウォーキングとボックス・クロスステップとして考案された社交ペアダンス。 | ★★☆☆☆ | △(社交ダンス教室の教養・ガフィエイラ内で実践) |
カテゴリーVIII:アルゼンチン・ウルグアイ・中南米フォーク&世界タンゴ系(No.143〜162)
19世紀末のラプラタ川流域(ブエノスアイレスおよびモンテビデオ)で誕生した「アルゼンチン・タンゴ」の諸流派と、フィンランドやフランスで独自進化したタンゴ、および南米大陸の多彩な民俗ペアダンス群である。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 143 | アルゼンチン・タンゴ(サロン・スタイル) (Tango de Salón / Tango de Pista) | アルゼンチン・ウルグアイ(1880年代誕生、1930〜40年代黄金期確立) | カルロス・ガルデル、ダリエンソ、ディ・サルリ(音楽)、黄金期のミロンゲーロたち | 2/4または4/4拍子(バンドネオンを含むオルケスタ・ティピカ) | ミロンガ、ハバネラ、カンドンベ、ワルツ、マズルカ | ボールルームタンゴ、キゾンバ、全タンゴ流派 | ユネスコ無形文化遺産、世界選手権「ピスタ部門」の基準。抱擁(アブラッソ)を保ちつつ下肢の自由度を確保し、即興の歩行(カミナータ)、オチョ、ヒーロで音楽を表現する。 | ★★★★★ | ◎(東京・関西・名古屋・福岡等に多数の専門スタジオとミロンガが存在) |
| 144 | アルゼンチン・タンゴ(ミロンゲーロ/アピラード・スタイル) (Estilo Milonguero / Apilado) | アルゼンチン・ブエノスアイレス中心街(1940〜50年代) | スサーナ・ミラー(命名)、テテ・ルスコーニ、ガヴィートら | 2/4または4/4拍子(リズミカルな黄金期タンゴ) | サロン・タンゴ | クローズ・エンブレイス系ソーシャルダンス | 混雑した都心のミロンガで発展。互いに上体の軸を共有するクローズ・エンブレイス(アピラード)を終始崩さず、大きな足技を控えて微細な重心移動とリズムの共有に集中する。 | ★★★★☆ | ◎(国内の全てのミロンガで広く実践) |
| 145 | アルゼンチン・タンゴ(ヴィジャ・ウルキサ・スタイル) (Villa Urquiza Style) | アルゼンチン・ブエノスアイレス北西部郊外(1940〜50年代) | ルイス・”ミルンギータ”・レモ、ヘラルド・ポルタレら | 4/4拍子(ディ・サルリ、プグリエーセ等の叙情的タンゴ) | サロン・タンゴ | ステージ・タンゴ(エセナリオ) | 郊外の広いクラブ(スンデルランド等)で発展。極めてエレガントな直立姿勢、長いストライドの歩行、床を撫でるような美しい装飾足技(エンロスケ、ラピス)を特徴とする。 | ★★★★☆ | ○(国内タンゴ競技者・上級者の間で主流) |
| 146 | アルゼンチン・タンゴ(オリジェロ&カニェンゲ) (Tango Orillero & Canyengue) | アルゼンチン・ブエノスアイレス場末(1900〜1920年代) | エル・カチャファース、初期の港湾労働者・移民 | 2/4拍子(初期タンゴ・オルケスタ、ギター&フルート) | ミロンガ、カンドンベ | サロン・タンゴ | 黄金期以前の古風なスタイル。カニェンゲは膝を曲げたV字ホールドでリズミカルに踊り、オリジェロは郊外ならではの自由で素早い足さばきを持つ。 | ★★★☆☆ | △(国内タンゴスタジオの特別WS・デモで実演) |
| 147 | タンゴ・ヌエボ (Tango Nuevo) | アルゼンチン・ブエノスアイレス(1990年代後半確立) | グスタボ・ナヴェイラ(Gustavo Naveira)、ファビアン・サラス、チチョ・フルンボリ | 4/4拍子(ピアソラ、ゴタン・プロジェクト等のエレクトロ・タンゴ、オルタナティブ曲) | アルゼンチン・タンゴ、コンタクト・インプロヴィゼーション | ネオ・タンゴ、フュージョン・ダンス | タンゴの構造を運動学的に徹底分析し、オープン・エンブレイスや軸の共有・逸脱(ボルカーダ、コルガーダ)、サカーダ(脚の領域への侵入)を劇的に拡張した現代スタイル。 | ★★★★☆ | ○(国内タンゴスタジオ・オルタナティブミロンガで実践) |
| 148 | タンゴ・エセナリオ(ステージ・タンゴ) (Tango Escenario) | アルゼンチン(1950年代〜1983年『タンゴ・アルゼンチーノ』で世界確立) | フアン・カルロス・コペス&マリア・ニエベス、ミゲル・アンヘル・ソト | 4/4拍子(プグリエーセ、ピアソラ等の劇的なタンゴ楽曲) | ヴィジャ・ウルキサ・タンゴ、クラシック・バレエ、モダン・ダンス | フィギュアスケート・アイスダンスのタンゴ | 世界選手権「エセナリオ部門」。観客に見せるために振り付けられ、高い跳躍、リフト、高速のガンチョやボレオを駆使する劇場芸術としてのペアダンス。 | ★★★★☆ | ◎(世界選手権アジア大会が日本で開催され、日本人世界王者も複数誕生) |
| 149 | ミロンガ(ミロンガ・リサ&ミロンガ・コン・トラスピエ) (Milonga Lisa / con Traspié) | アルゼンチン・ウルグアイ(1870年代〜現在) | ラプラタ川流域のガウーショと都市住民(ペピート・アヴェジャネーダ等) | 2/4拍子(ハバネラ由来の軽快で速いミロンガ曲) | ハバネラ、カンドンベ、パジャダ | アルゼンチン・タンゴ | タンゴの直接の親であり、現在のミロンガ(ダンスパーティー)でも3曲セット(タンダ)で必ず踊られる。1拍に1歩踏む「リサ」と、倍速の裏拍ステップを刻む「トラスピエ」がある。 | ★★★★★ | ◎(国内の全アルゼンチン・タンゴ愛好家が必修) |
| 150 | タンゴ・ヴァルス(ヴァルス・クリオージョ/クルサード) (Tango Vals / Vals Cruzado) | アルゼンチン・ウルグアイ(1900年代〜現在) | アルゼンチンのタンゴ楽団とミロンゲーロ | 3/4拍子(バンドネオンで演奏される高速・叙情的なワルツ) | ウィンナー・ワルツ、アルゼンチン・タンゴ | 南米のクリオージョ・ワルツ群 | ミロンガでタンゴ・ミロンガと共に踊られる3大種目の1つ。タンゴの抱擁とフィガー(ヒーロ、サカーダ)を用いながら、3拍子の1拍目を強く踏んで流れるように旋回する。 | ★★★★★ | ◎(国内の全アルゼンチン・タンゴ愛好家が必修) |
| 151 | フィンランド・タンゴ (Finnish Tango / Suomalainen tango) | フィンランド(1913年伝来、1940〜50年代独自確立) | ウント・モノネン、オラヴィ・ヴィルタ(音楽)、フィンランド国民 | 4/4拍子(短調=マイナーキーの哀愁漂う行進曲調タンゴ) | ボールルーム・タンゴ、アルゼンチン・タンゴ、ドイツ系行進曲 | 北欧のダンスパビリオン(Lavatanssit)文化 | フィンランドの国民的ダンス(世界最大のタンゴ祭「セイナヨキ・タンゴマーケット」を開催)。首の振りを排し、クローズド・ポジションで低い重心と長いスライド歩幅で進む。 | ★★★☆☆ | △(北欧音楽・フィンランド文化イベント等で紹介) |
| 152 | タンゴ・ミュゼット(フレンチ・タンゴ) (Tango Musette) | フランス・パリ(1907〜1920年代) | カミーユ・ド・リナル、パリのバル・ミュゼット楽団 | 2/4拍子(アコーディオン主体のタンゴ・ミュゼット) | アルゼンチン・タンゴ、マズルカ | インターナショナル・タンゴ、パソドブレ | アルゼンチンタンゴがパリに上陸した際、アコーディオン(ミュゼット)伴奏に合わせてステップが簡略化・定型化されたヨーロッパ社交タンゴの原型。 | ★★☆☆☆ | △(シャンソン・アコーディオンイベント等) |
| 153 | チャカレーラ (Chacarera) | アルゼンチン北西部・サンティアゴ・デル・エステロ州(19世紀中頃) | アルゼンチンのガウーショ(農牧民) | 6/8拍子と3/4拍子のポリリズム(ギターとボンボ・レグエロ太鼓) | スペインのセギディージャ、先住民舞踊 | アルゼンチンのフォルクローレ舞踊群 | ミロンガの幕間でもよく踊られる人気のフォルクローレ・ペアダンス。接触せず向かい合い、男性の靴底のタップ(サパテオ)と女性のスカートさばき(サランデオ)で周回する。 | ★★★★☆ | ○(日本のアルゼンチン・タンゴ界隈およびフォルクローレ愛好家が実践) |
| 154 | アルゼンチン・サンバ(Zamba) (Zamba – Argentina) | ペルー(サマクエカ)起源→アルゼンチン北西部(19世紀前半) | アルゼンチン北西部の住民 | 6/8拍子(ゆったりとした叙情的なフォルクローレ曲) | ペルーのサマクエカ(Zamacueca) | クエカ、マリネラ | ブラジルのSambaとは全く無関係。男女が白いハンカチ(パニュエロ)を手に持ち、接触せずに円を描きながら求愛の駆け引きを演じ、最後に男性が女性の上にハンカチを掲げる。 | ★★★☆☆ | ○(国内フォルクローレおよびアルゼンチン・タンゴ愛好家) |
| 155 | クエカ (Cueca) | チリ・ボリビア・アルゼンチン西部(1824年頃〜、1979年チリ国舞化) | 南米太平洋岸のクリオージョ・メスティーソ | 6/8拍子(手拍子とギター、ハープの陽気な音楽) | ペルーのサマクエカ、スペインのファンダンゴ | チリ・ボリビアの地域変種クエカ | チリの公式国舞。ハンカチを振りながら半円移動(メディア・ルナ)とリズミカルな足踏み(エスコビジャード、サパテオ)をペアで繰り広げる。 | ★★★☆☆ | △(在日チリ・ボリビア人および南米フォルクローレ団体) |
| 156 | マリネラ(マリネラ・ノルテーニャ等) (Marinera) | ペルー沿岸部(1879年にアベラルド・ガマラが命名) | ペルーのメスティーソ・黒人・スペイン系住民 | 6/8拍子(ブラスバンドまたはギター&カホン) | サマクエカ、スペインのファンダンゴ、アフリカ系舞踊 | タンデロ(ペルー) | ペルーの最も格式高い国舞。女性は伝統スカートを操り、男性は帽子とハンカチを使って優雅で情熱的な求愛ステップを踏む。 | ★★★★☆ | ○(日本国内にマリネラ専門アカデミーや国際大会支部が存在) |
| 157 | ガト (El Gato) | アルゼンチン・ウルグアイ・ペルー(1820年代〜) | 南米パンパのガウーショ | 6/8拍子(快活なギター&ボンボ曲) | スペイン舞踊、サマクエカ | チャカレーラ | 「猫(Gato)」の意を持つ快活なペアダンス。チャカレーラに似た構造(ブエルタ、ヒロ、サパテオ&サランデオ)をよりコンパクトにしたガウーショの定番舞踊。 | ★★★☆☆ | △(国内フォルクローレ愛好会) |
| 158 | カンドンベ(ウルグアイ・ペア&パレード) (Candombe) | ウルグアイ・モンテビデオ(18世紀末〜19世紀) | アフリカ系ウルグアイ人(3種のタンボール太鼓群) | 2/4拍子(チコ、レピケ、ピアノの3太鼓によるポリリズム) | アフリカ(コンゴ・アンゴラ)の戴冠舞踊 | ミロンガ、アルゼンチン・タンゴ | ユネスコ無形文化遺産。老賢者(グラムジエロ)と老婦人(ママ・ビエハ)のキャラクターペアや、若い男女のペアが太鼓のシンコペーションに合わせて躍動的に踊る。 | ★★★☆☆ | △(タンゴの歴史WS・打楽器イベント等) |
| 159 | クアルテート (Cuarteto) | アルゼンチン・コルドバ州(1943年創始) | レオノール・マルサーノ(音楽:「トゥンガ・トゥンガ」ピアノ伴奏)、ロドリゴ | 2/4拍子(ピアノとアコーディオンの高速ビート) | スペインのパソドブレ、イタリアのタランテラ | モダン・アルゼンチン・ポップス・ダンス | コルドバ発祥の国民的パーティー音楽・ペアダンス。メレンゲやパソドブレに近い高速の2拍子で、パートナーと手をつないで陽気にステップとスピンを繰り返す。 | ★★★☆☆ | △(在日アルゼンチン人パーティー等) |
| 160 | チャマメ (Chamamé) | アルゼンチン北東部・コリエンテス州&パラグアイ(19世紀〜20世紀) | グアラニー先住民とスペイン・東欧移民(音楽:トランシト・ココマルーラ) | 6/8拍子と3/4拍子(アコーディオンとギター) | グアラニー舞踊、スペイン舞踊、ポルカ | ポルカ・パラグアージャ | ユネスコ無形文化遺産。クローズ・エンブレイスで組み、小刻みなステップと大きなスウェイ、男性のサパテオを交えながら大地を滑るように踊る。 | ★★★☆☆ | △(国内フォルクローレ・アコーディオンイベント) |
| 161 | ホロポ (Joropo) | ベネズエラ&コロンビア東部(ジャノス平原、18世紀〜) | ジャネーロ(平原のカウボーイ) | 3/4拍子と6/8拍子(アルパ・ジャネーラ=ハープ、クアトロ、マラカス) | スペインのファンダンゴ、フラメンコ(サパテアード)、ワルツ | パッサージェ | ベネズエラの国舞。ワルツのようなホールド(バルセオ)から、リーダーが激しい靴音(サパテオ)を打ち鳴らし、フォロワーが箒で掃くように足を滑らせる(エスコビジャオ)超高速ペアダンス。 | ★★★☆☆ | △(中南米文化イベント等) |
| 162 | ケブラディータ (Quebradita) | メキシコ北部&米国南西部(1990年代初頭大ブーム) | メキシコ系アメリカ人の若者、バンダ(Banda)音楽グループ | 2/4拍子(高速のテクノ・バンダ、ノルテーニョ音楽) | カントリー・ウエスタン、ポルカ、ロックンロール | ドゥランゲンセ・ダンス | カウボーイハットとブーツを着用し、跳ねるような高速ステップの中で、リーダーがフォロワーを支えて深いバックベンド(ケブラーダ=ディップ)やアクロバットを決める。 | ★★★☆☆ | ×(北米・メキシコローカル) |
カテゴリーIX:アフリカ系・ルソフォニア(ポルトガル語圏)&ディスコ・ハッスル・クラブ系(No.163〜178)
1980年代にアンゴラで誕生し、ポルトガルを経由してヨーロッパ・世界中のラテンフェスティバルを席巻した「キゾンバ/センバ」系譜と、1970年代ニューヨークのディスコ・ムーブメントから生まれた「ハッスル/ディスコフォックス」、および現代の「フュージョン・ダンス」群である。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 163 | キゾンバ(トラディショナル) (Traditional Kizomba) | アンゴラ・ルアンダ(1980年代後半)→ポルトガル・欧州 | エドゥアルド・パイム(音楽創始)、ペチュ&ヴァネッサ(欧州体系化) | 4/4拍子(80〜100BPM、「トゥン・タ・トゥ・タ」の電子ズーク・ビート) | センバ(アンゴラ)、カリビアン・ズーク、アルゼンチン・タンゴ | アーバン・キズ、タラシーニャ | 「アフリカン・タンゴ」とも呼ばれるが、ルーツはアンゴラのセンバ。クローズ・エンブレイスで組み、膝を柔らかく使った円運動のすり足歩行と「サイーダ(横へのステップアウト)」が特徴。 | ★★★★★ | ○(東京・横浜元町等で定期レッスン・ソーシャルが開催) |
| 164 | アーバン・キズ (Urban Kiz) | フランス・パリ(2013〜2015年頃確立) | エナー・ルボン(Enah Lebon)、カーティス・セルドン、ムニール | 4/4拍子(ゲットー・ズーク、R&Bリミックス、トラップ、ヒップホップ) | トラディショナル・キゾンバ、タンゴ・ヌエボ、ヒップホップ | タラショ(Tarraxo)、ドゥースール | 伝統キゾンバの円運動とバウンスを直線(リニア)的な移動へと変革。フレームのテンションを使った鋭いストップ(ブロック)、スライド、コントラボディやサカーダを多用する。 | ★★★★★ | ○(日本のキゾンバ・バチャータ界隈で急速に普及) |
| 165 | センバ (Semba) | アンゴラ(1950年代音楽確立、起源は植民地期のマセンバ) | リセウ・ヴィエイラ・ディアス(音楽)、アンゴラ国民 | 4/4拍子(キゾンバより速く陽気なギター&パーカッション曲) | マセンバ(アンゴラ伝統舞踊)、レバティダ | ブラジルのサンバ(語源)、キゾンバ | キゾンバの直接の親。速いテンポの中で、ダイナミックなストライドや方向転換、プレイフルなフットワークを陽気に楽しむアンゴラの伝統的社交ダンス。 | ★★★★☆ | ○(国内キゾンバ・イベントやWSで併せて踊られる) |
| 166 | タラシーニャ&タラショ (Tarraxinha & Tarraxo) | アンゴラ(タラシーニャ)→フランス(2010年代後半タラショ) | アンゴラのダンサー/タラショ創始:グウェニー&リリアン(Gwany & Liliana) | 4/4拍子(重低音とシンセが強調されたスロー・タラショ・ビート) | キゾンバ、カリビアン・ズーク | アーバン・キズのボディ・アイソレーション | 大きな歩行ステップを抑えてその場に留まり、リーダーの体幹フレームの微細なリードでリズムのアイソレーションと重心移動を共有するダンス。 | ★★★★☆ | ○(国内キゾンバ/アーバンキズ・パーティーで実践) |
| 167 | ドゥースール (Douceur) | フランス・欧州(2010年代中盤) | フランスのキゾンバ・コミュニティ | 4/4拍子(非常にスローで甘美なR&B・ゲットーズーク) | キゾンバ、タラシーニャ、スローダンス | コンテンポラリー・キゾンバ | フランス語で「甘さ・優しさ」の意。複雑な足技を抑え、呼吸と微細な重心移動のみで波のように揺れ動くミニマルなクローズ・エンブレイス様式。 | ★★★☆☆ | △(国内キゾンバ・ソーシャルのスロー曲で実践) |
| 168 | コラデイラ&モルナ (Coladeira & Morna) | カーボベルデ共和国(19世紀モルナ、1930年代コラデイラ) | エウジェニオ・タヴァレス、セザリア・エヴォラ(音楽) | 4/4または2/4拍子(クレオール弦楽・ダンス音楽) | ポルトガルのファド、ブラジルのモディーニャ、カリビアン・ズーク | カボ・ズーク(Cabo Zouk / Cabo Love) | 大西洋の島国カーボベルデの伝統ペアダンス。モルナは哀愁(ソダーデ)を帯びたスローダンス、コラデイラは軽快なテンポで旋回する社交ダンス。 | ★★★☆☆ | △(ポルトガル語圏音楽・キゾンバイベントの一部) |
| 169 | フナナ(パートナー) (Funaná) | カーボベルデ・サンティアゴ島(19世紀〜1980年代近代化) | 農村部のアコーディオン(ガイタ)と鉄棒(フェーロ)奏者 | 2/4拍子(150BPM前後の猛烈に速い2拍子) | アフリカ西海岸の伝統舞踊、ポルトガルの民俗舞踊 | アフロ・ハウス・パートナー | カーボベルデで最もエネルギッシュなペアダンス。クローズド・ポジションで組み、膝を高速で交互に屈伸させながらリズミカルに旋回する。 | ★★☆☆☆ | ×(欧州・アフリカローカル) |
| 170 | ニューヨーク・ハッスル(ラテン・ハッスル/4カウント&3カウント) (New York / Latin Hustle) | 米国・ニューヨーク(1972〜75年、サウス・ブロンクス&ブルックリン) | プエルトリコ系およびイタリア系・黒人のティーンエイジャー、ビリー・ファハルド | 4/4拍子(110〜130BPM、70年代ディスコ、ハウス、R&B) | マンボ、サルサ、ウエストコースト・スイング | モダン・ハッスル、ディスコ・フォックス、映画『サタデー・ナイト・フィーバー』 | 1970年代ディスコブームの象徴。「&1・2・3(3カウント・ストリートハッスル)」または4カウントでスロット上を絶え間なく移動し、切れ目のない高速連続スピンと劇的なラップ/ディップを繰り出す。 | ★★★★☆ | ○(東京・横浜でWCSやストリートダンサーにより「ニュー・ハッスル」等として活発に展開) |
| 171 | ストリート・ハッスル(6カウント/ロサンゼルス等) (6-Count Street Hustle) | 米国(1970年代中盤) | ヴァン・マッコイ(1975年楽曲『The Hustle』)、全米ディスコクラブ | 4/4拍子(ディスコ音楽) | イーストコースト・スイング、フォックストロット | ディスコ・ラインダンス&ペアダンス | ニューヨークの複雑な3カウントハッスルとは別に、全米のディスコで流行した「スロー・スロー・クイック・クイック(6カウント)」の基本歩を持つ入門用ペア・ディスコダンス。 | ★★★☆☆ | △(ディスコ・イベント等で世代的に実践) |
| 172 | ディスコ・フォックス (Discofox) | ドイツ・スイス・オーストリア(1970年代後半確立、IDO管轄) | ゲルト・ハウフ、ドイツ舞踊教師連盟(ADTV) | 4/4拍子(ユーロビート、シュラーガー、ポップス全般) | フォックストロット、ニューヨーク・ハッスル、スイング、サンバ | ディスコ・ハッスル競技、ディスコ・チャート | ドイツ語圏で圧倒的No.1の国民的ペアダンス。「1・2・タップ(または1・2・&3)」の3歩リズムに、ハッスル由来の連続腕くぐり(プレッツェル)とアクロバットを融合。 | ★★★★☆ | ×(欧州ドイツ語圏で巨大だが日本ではハッスルが主流) |
| 173 | バンプ (The Bump) | 米国・欧州・日本(1974〜76年ディスコブーム) | ペニー・マクレーン(楽曲『Lady Bump』)、ザ・コモドアーズ | 4/4拍子(ファンク、ディスコ) | アフリカ系ヒップ・バンプ舞踊 | パーティー・レクリエーション・ダンス | パートナーと向かい合い、音楽の2拍目・4拍目(または1拍ごと)にお互いの腰サイドや肩をリズミカルに軽くタッチさせる70年代ディスコのレクリエーションダンス。 | ★★★☆☆ | ○(日本の70〜80年代ディスコ・イベントで定番) |
| 174 | シカゴ・バップ (Chicago Bop) | 米国・シカゴ(1950〜60年代) | シカゴの黒人高校生・クラブダンサー | 4/4拍子(ジャズ、ドゥーワップ、初期ソウル) | リンディホップ、ジターバグ | シカゴ・ステッピング | シカゴ・ステッピングの直接の母体となった滑らかなバウンス・ペアダンス。 | ★★☆☆☆ | ×(米国ローカル) |
| 175 | フュージョン・パートナー・ダンス (Fusion Partner Dance) | 米国・欧州(2000年代中盤〜現在) | ブルース・スイング・タンゴ・ズークのクロスオーバー世代 | 4/4拍子他(エレクトロニカ、アコースティック、オルタナティブ、R&B) | ブルース、タンゴ・ヌエボ、WCS、ブラジリアン・ズーク、コンタクト・インプロ | マイクロ・ダンス、リキッド・リード | 特定の伝統的ステップを一切規定せず、複数のペアダンスの技術を持つダンサー同士が純粋な物理的コネクション(テンション&コンプレッション)のみで現代音楽を即興共創するスタイル。 | ★★★★☆ | ○(東京のズーク・WCS・タンゴ・ブルースの合同イベントで実践) |
| 176 | コンタクト・インプロヴィゼーション(CI) (Contact Improvisation) | 米国・ニューヨーク(1972年創始) | スティーヴ・パクストン(Steve Paxton)、ナンシー・スターク・スミス | 無音、または環境音楽・実験音楽・ジャズ | モダン/ポストモダンダンス、合気道、体操、太極拳 | コンテンポラリー・パートナーリング、ネオ・ズーク、タンゴ・ヌエボ | 固定されたリーダー/フォロワーの役割を持たず、2人の身体が接触点(ローリング・ポイント)と重力の共有・預け合い(ウェイト・シェアリング)を通じて即興で動く現代舞踊技法。 | ★★★★☆ | ○(日本のコンテンポラリーダンス界・大学・CIジャムで全国的に実践) |
| 177 | マイクロ・ブルース(マイクロ・ダンス) (Micro Blues / Micro Fusion) | 米国西海岸(2010年代) | ブルース&フュージョン・コミュニティ | 4/4拍子(極めて静かなアンビエント、スローブルース) | ブルース・ダンス、フュージョン、タラシーニャ | マインドフル・パートナーダンス | 大きな移動ステップを行わず、手首やフレームの接触を通じて呼吸と微細な重心移動(マイクロ・ムーブメント)だけで音楽のニュアンスを共有する様式。 | ★★☆☆☆ | △(国内ブルース・フュージョン愛好家の一部) |
| 178 | ロック・ステディ&スカ・パートナー (Rocksteady & Ska Partner Dance) | ジャマイカ・キングストン(1960年代) | ジャマイカのルードボーイ&サウンドシステム文化 | 4/4拍子(裏拍ギターカッティングのスカ、スローなロックステディ) | カリプソ、アメリカン・R&B/ジターバグ | レゲエ・ラヴァーズロック・ダンス | スカの時代には腕を前後に振る「スカ・ランキング」とペアのスピン、ロックステディの時代にはスローなテンポでパートナーと組んで膝を柔らかく揺らすペアスタイルが流行した。 | ★★★☆☆ | △(日本のスカ・レゲエ・クラブイベントで一部実践) |
カテゴリーX:北米カントリー&ウエスタン、ケイジャン、スクエア/コントラ系(No.179〜196)
アメリカ南部・西部のカウボーイ文化とヨーロッパ移民のフォークダンスが融合した「カントリー&ウエスタン(UCWDC等が競技管轄)」、ルイジアナ州のフランス系アカディア人・クレオール文化から生まれた「ケイジャン/ザイデコ」、およびコール(掛け声)に従うグループ・ペアダンス群である。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 179 | カントリー・ツーステップ(テキサス・ツーステップ) (Country-Western Two-Step) | 米国・テキサス州(19世紀末起源、1970〜80年代映画『アーバン・カウボーイ』で世界的ブーム) | テキサスのホンキートンク・ダンサー/競技化:UCWDC | 2/4または4/4拍子(160〜200BPM、カントリー・ミュージック) | フォックストロット、ワンステップ、ポルカ | プログレッシブ・ダブル・ツーステップ | カントリー・ペアダンスの代表格。「クイック・クイック・スロー・スロー」のリズムでカウボーイブーツを床に滑らせ、ループ(頭上の腕くぐり)やラップを伴いながらLODを高速移動する。 | ★★★★★ | ○(東京・神奈川のカントリーダンスサークルやライブハウスで実践) |
| 180 | プログレッシブ・ダブル・ツーステップ (Progressive Double Two-Step) | 米国・テキサス州&アリゾナ州(1970〜80年代) | 南西部のカントリーダンサー | 4/4拍子(中速のカントリー曲) | カントリー・ツーステップ | トリプル・ツーステップ | 通常のツーステップが困難な中速曲に対応するため、「クイック・クイック・クイック・クイック・スロー・スロー」とシャッセを2回連続させて進むバリエーション。 | ★★★☆☆ | △(国内カントリーダンス愛好家の一部) |
| 181 | トリプル・ツーステップ (Triple Two-Step) | 米国(1980年代、UCWDC正式種目) | カントリー競技ダンサー、UCWDC | 4/4拍子(76〜96BPMのスロー〜中速カントリー) | カントリー・ツーステップ、ウエストコースト・スイング | モダン・カントリー・競技ダンス | 「トリプルステップ(1&2)・トリプルステップ(3&4)・ウォーク(5)・ウォーク(6)」の6カウントでLODを滑るように移動するカントリー競技の主要種目。 | ★★★☆☆ | △(国内カントリー競技・愛好会) |
| 182 | ナイトクラブ・ツーステップ (NC2S) (Nightclub Two-Step) | 米国・カリフォルニア州(1965年創始) | バディ・シュウィマー(Buddy Schwimmer:当時15歳で考案) | 4/4拍子(52〜68BPMの現代ポップ・バラード、カントリー・バラード) | ボサノヴァ、スロー・ダンス、ルンバ | コンテンポラリー・ボールルーム・スロー | 「スロー(1-2)・クイック(3)・クイック(&4)」または「クイック・クイック・スロー」で横への長いグライドとロックステップを踏む。欧米で結婚式のバラード用として絶大な人気を誇る。 | ★★★★☆ | ○(国内アメリカンスタイル教室・WCS/カントリー界隈で指導) |
| 183 | カントリー・ワルツ (Country Waltz) | 米国西部(19世紀〜現在、UCWDC種目) | 米国開拓民/UCWDC | 3/4拍子(カントリー・ワルツ曲、例:『Tennessee Waltz』) | 欧州のワルツ、アメリカン・ワルツ | ウェスタン・プロムナード・ワルツ | 社交ダンスのワルツのような過度なライズ&フォールや反りを抑え、ブーツを床に滑らせるフラットなグライドと、カウボーイハットに干渉しないループ・ターンを多用する。 | ★★★★☆ | ○(国内カントリーダンスサークルで定番) |
| 184 | カントリー・ポルカ (Country Polka) | 欧州(チェコ・ドイツ)移民→米国テキサス・中西部(19世紀後半〜) | テキサス・ドイツ系&チェコ系移民、UCWDC | 2/4拍子(110〜130BPM、アコーディオン入りカントリーポルカ) | ボヘミアン・ポルカ | テクス・メクス・ポルカ | ホップ(跳躍)を抑え、膝を柔らかく使った高速のトリプルステップ(「1&2, 3&4」)でLODを猛スピードで旋回するカントリー競技の花形種目。 | ★★★☆☆ | △(国内カントリー&フォークダンス界隈) |
| 185 | カントリー・チャチャ (Country Cha-Cha) | キューバ→米国(1970〜80年代にカントリー化、UCWDC種目) | 米国のカントリーダンス教師陣、UCWDC | 4/4拍子(110〜120BPM、カントリー・ロック&ポップス) | アメリカン・チャチャ、カントリー・ツーステップ | カウボーイ・チャチャ(パートナー・ミキサー) | カントリー音楽のシャッフルビートにチャチャチャの「2・3・4&1」を乗せ、さらには男女が横並び(スウィートハート・ポジション)でLODを前進するミキサー形式も大人気。 | ★★★★☆ | ○(日本のカントリーラインダンス&パートナーサークルで人気) |
| 186 | カントリー・スイング(バー・スイング) (Country Bar Swing) | 米国西部・山岳州(1980年代〜現在、SNSで若者に大流行) | 米国西部のカントリーバーの若者たち | 4/4拍子(現代カントリー・ロック、ポップス) | イーストコースト・スイング、ロカビリー、アクロバット | モダン・ホンキートンク・スイング | フットワークは極限まで単純(4カウントのステップ・ステップ・ロックステップ)にする一方、連続スピン、プレッツェル、リフトやディップを次々と繰り出す若者向けソーシャルダンス。 | ★★★★☆ | △(米軍基地周辺やカントリーバーで散見) |
| 187 | ウエスタン・プロムナード(シャッフル) (Western Promenade / Country Shuffle) | 米国西部(20世紀中盤) | カントリー・ダンスホール愛好家 | 4/4拍子(カントリー・シャッフル曲) | ワンステップ、フォックストロット | カウボーイ・ストロール | 男女が横並びで手をつなぎ(プロムナード/スケーターズ・ポジション)、軽快なウォーキングとシャッフルでLODを一周するリラックスしたペアダンス。 | ★★★☆☆ | ○(国内カントリーイベントのウォーミングアップ等で実践) |
| 188 | コットン・アイド・ジョー(パートナー&ミキサー) (Cotton-Eyed Joe Partner) | 米国南部・テキサス州(19世紀起源、1980年映画で再流行) | 米国南部起源/1994年Rednexで世界ヒット | 2/4拍子(フィドル曲『Cotton-Eyed Joe』) | アイリッシュ・ジグ、ポルカ、シュティッシュ | ラインダンス版コットン・アイド・ジョー | ヒール&トゥとクロス・キック、ポルカステップを組み合わせ、掛け声に合わせて後ろ蹴りを入れるテキサスの伝統的パートナー&サークルダンス。 | ★★★☆☆ | ○(国内カントリー&フォークダンスで定番) |
| 189 | カウボーイ・シュティッシュ (Cowboy Schottische) | 欧州起源→米国西部(19世紀後半〜) | 西部開拓民 | 4/4拍子(中速のカントリー曲) | 欧州のシュティッシュ | カントリー・バーン・ダンス | ヴァーソヴィエンヌやスケーターズ・ポジションで「左・右・左・ホップ、右・左・右・ホップ、ステップ・ホップ×4」を繰り返す西部開拓時代の伝統ペアダンス。 | ★★★☆☆ | ○(日本のフォークダンス・カントリー界隈で普及) |
| 190 | ケイジャン・ワンステップ(ケイジャン・ジグ) (Cajun One-Step / Cajun Jig) | 米国・ルイジアナ州南西部(アカディアナ地方、19世紀〜20世紀) | カナダから移住したフランス系アカディア人(ケイジャン) | 2/4拍子(ケイジャン・アコーディオンとフィドルの高速音楽) | フランス伝統舞踊、ワンステップ、ツーステップ | ケイジャン・ジターバグ、ザイデコ | 狭いハウス・ダンス(Fais do-do)で発展し、足裏を床から離さずに小刻みに体重を踏み換える素朴でリズミカルなルイジアナの伝統ペアダンス。 | ★★★☆☆ | △(国内ルーツミュージック・ケイジャン音楽イベント) |
| 191 | ケイジャン・ツーステップ&ケイジャン・ワルツ (Cajun Two-Step & Waltz) | 米国・ルイジアナ州(19世紀〜20世紀) | ケイジャン・コミュニティ | 2/4拍子(ツーステップ)および3/4拍子(ケイジャン・ワルツ) | 欧州のワルツ、ポルカ、ツーステップ | モダン・ケイジャン・ダンス | ルイジアナのダンスホールで交互に演奏される2大定番。腕をリズミカルにポンピングしながらフロアを旋回する。 | ★★★☆☆ | △(国内ケイジャン・アコーディオン愛好会) |
| 192 | ケイジャン・ジターバグ (Cajun Jitterbug) | 米国・ルイジアナ州(1940〜50年代) | 第二次大戦後のケイジャン青年層 | 2/4または4/4拍子(アップテンポなケイジャン曲) | アメリカン・ジターバグ、ケイジャン・ツーステップ | ザイデコ・スイング | ケイジャン音楽の速い2拍子に合わせて、ロックステップを省いたスイングの回転や腕のループを絶え間なく繰り出すルイジアナ独自のジターバグ。 | ★★★☆☆ | △(国内ルーツミュージックイベントの一部) |
| 193 | ザイデコ・ダンス (Zydeco Dance) | 米国・ルイジアナ州南西部(1940〜50年代確立) | クリフトン・シェニエ(音楽の王)、ルイジアナの黒人クレオール人 | 4/4拍子(ピアノ・アコーディオンと洗濯板=フロットワールのR&B・ブルース調音楽) | ケイジャン・ダンス、アフリカ系スイング、ブルース | ヒップホップ・ザイデコ | ケイジャンよりも強いシンコペーション(8カウントの中に倍速の足さばきを刻む)と、バウンス・オープンポジションでの即興スピンを特徴とする黒人クレオールのペアダンス。 | ★★★☆☆ | △(国内ブルース・ザイデコ音楽ライブ等で実践) |
| 194 | ウエスタン・スクエアダンス (Modern Western Square Dance) | 欧州起源→米国(1930年代ロイド・ショーが近代化、CALLERLAB管轄) | ロイド・ショー(Lloyd Shaw)、米国スクエアダンス・コーラー連盟 | 2/4または4/4拍子(カントリー、ポップス、ロック) | カドリール、イングリッシュ・カントリー・ダンス、コティヨン | モダン・チャレンジ・スクエアダンス | 4組のペア(計8人)が正方形(セット)を作り、コーラー(指令者)が即興で繰り出す英語のコール(Do-sa-do, Swing your partner, Allemande left等)に瞬時に反応して隊形を組む知的なペア・グループダンス。 | ★★★★☆ | ◎(「日本スクエアダンス協会」傘下に全国数百のクラブがあり数万人が実践) |
| 195 | コントラダンス(ニューイングランド・コントラ) (Contra Dance) | 英国・仏起源→米国ニューイングランド地方(18世紀〜現在) | 英国・仏の入植者/1970年代フォークリバイバルで現代化 | 2/4または6/8拍子(アイリッシュ/ケルト系フィドル&ピアノの生演奏) | イングリッシュ・カントリー・ダンス、フランスのコントルダンス | スクエアダンス、バーン・ダンス | 男女のペアが長い2列(Longways set)を作って向かい合い、生演奏とプロンプターの声に合わせてパートナーと「スイング(高速ピボット旋回)」しながら列の端まで全ペアと順番に踊り進む。 | ★★★★☆ | ○(東京・京都・つくば等でコントラダンスの定期例会が開催) |
| 196 | ラウンドダンス(キュード・ボールルーム) (Round Dance / Cued Ballroom) | 米国(1940〜50年代確立、ROUNDALAB管轄) | ロイド・ショー、米国スクエアダンス界の指導者陣 | ワルツ、ツーステップ、チャチャ、ルンバ、フォックス等の全リズム | 社交ダンス(インターナショナル&アメリカン)、スクエアダンス | シークエンスダンス(北米版) | スクエアダンスの姉妹種目。社交ダンスのワルツやルンバ等のステップを、ステージ上の「キューアー(Cuer)」が次のフィガー名をマイクで予告(キューイング)し、フロア全員のペアが同じ動きを同時に踊る。 | ★★★☆☆ | ○(日本スクエアダンス協会内のラウンドダンス部門として全国に普及) |
カテゴリーXI:ヨーロッパ伝統民俗舞踊・バルフォーク(Balfolk)・北欧・東欧・日本の学校フォーク系(No.197〜226)
18〜19世紀にヨーロッパ全土の社交界と農村を席巻した「ポルカ」「マズルカ」「シュティッシュ」等の伝統カップルダンスと、1970年代以降の欧州で伝統音楽の生演奏とともに若者文化として復興した「バルフォーク(Balfolk)」、北欧の「ポルスカ/ハンボ」、および日本の戦後教育・日本フォークダンス連盟を通じて全国民に普及したカップルダンス群である。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 197 | ポルカ(ボヘミアン・ポルカ) (Polka) | ボヘミア(現チェコ、1830年代誕生、1844年パリ・世界大ブーム) | アンナ・スレザコヴァ(農婦が創案説)、ヨゼフ・ネルダ(プラハへ普及) | 2/4拍子(快活な2拍子、チェコ・ドイツ民俗音楽およびシュトラウス楽曲) | チェコの民俗舞踊(クラコヴィアク、スコチュナー) | マシーシェ、カントリーポルカ、北米・南米の全2拍子ペアダンス | 19世紀最大のダンス革命。「ホップ・ステップ・クローズ・ステップ(1&2&)」のリズムでクローズドホールドのままLODを高速で連続旋回する。 | ★★★★★ | ◎(フォークダンス連盟、学校教育、クラシック演奏会で広く定着) |
| 198 | シュティッシュ(スコティッシュ) (Schottische) | ドイツ・ボヘミア起源(1840年代に「スコットランド風」として欧州流行) | マーク・ラー(1848年ロンドンで紹介) | 4/4または2/4拍子(ポルカより遅く落ち着いたテンポ) | ポルカ、エコセーズ(古風なカントリーダンス) | ブラジルのシャド(Xote)、カウボーイ・シュティッシュ、イェンッカ | 「1・2・3・ホップ(ラン×2)、ステップ・ホップ×4(回転)」の2小節構造を基本とする。現代ヨーロッパのバルフォーク(Balfolk)で最も人気が高く、即興バリエーションが豊富。 | ★★★★☆ | ○(フォークダンス連盟および国内バルフォーク・ケルト音楽愛好家が実践) |
| 199 | マズルカ (Mazurka) | ポーランド・マゾフシェ地方(16世紀起源、19世紀欧州社交界流行) | ポーランド農民・貴族/音楽:フレデリック・ショパン | 3/4拍子(2拍目または3拍目に強いアクセントが置かれる3拍子) | ポーランド民俗舞踊(マズール、オベレク、クヤヴィアク) | ヴァーソヴィエンヌ、バルフォーク・マズルカ | ポーランドの国舞の1つ。伝統版は踵を打ち鳴らす勇壮な踊りだが、現代のバルフォーク版は「1・2・3、1・2・ホップ」でクローズド・ポジションを組み、滑らかで親密なペアダンスへと進化している。 | ★★★★☆ | ○(フォークダンス連盟・バレエのキャラクターダンス・バルフォーク界隈) |
| 200 | レドワ (Redowa) | ボヘミア(現チェコ、1830年代誕生、1840年代パリ・ロンドン流行) | ボヘミア農民(チェコ語:Rejdovák) | 3/4拍子(ワルツよりやや速く、マズルカに近いアクセント) | チェコ民俗舞踊、ワルツ、マズルカ | ボストン、ヴァーソヴィエンヌ | バレエのパ・ド・バスクに似た滑らかな3拍子のリープ(跳躍移動)とワルツ旋回を組み合わせた19世紀中葉の優雅な社交ペアダンス。 | ★★☆☆☆ | △(歴史的ダンス・フォークダンス研究会) |
| 201 | ギャロップ (Galop) | ドイツ・ハンガリー起源(1820年代ウィーン・パリ流行) | 欧州社交界(音楽:シュトラウス、オッフェンバック) | 2/4拍子(極めて速い2拍子、舞踏会の最終演目) | ドイツのホップ・ワルツ(Hopser)、コサック舞踊 | カンカン(Can-can)、クイックステップのシャッセ | 馬の襲歩(ギャロップ)のように、クローズドホールドで横方向への高速シャッセ(グライド・クローズ・グライド)を連続して行い、ホールを猛スピードで駆け抜ける19世紀の人気種目。 | ★★★☆☆ | ○(幼稚園のリトミック、バレエ、フォークダンスで定番) |
| 202 | レントラー (Ländler) | オーストリア・バイエルン(南ドイツ)・スイス(18世紀以前〜現在) | アルプス地方の農民(映画『サウンド・オブ・ミュージック』で有名) | 3/4拍子(素朴でゆったりとした3拍子) | ドイチェ・タンツェ、アルプス民俗舞踊 | ヴェニーズ・ワルツ、スロー・ワルツ、シュープラットラー | すべてのワルツの直接の母体。ホップや足踏み、男女の腕が複雑に絡み合う窓のようなポーズ(フェンステル)を伴いながら優雅に回るアルプスの伝統ペアダンス。 | ★★★★☆ | ○(日本フォークダンス連盟およびドイツ・オーストリア文化祭で普及) |
| 203 | ツヴィーファッハー (Zwiefacher) | ドイツ南部・バイエルン州&ボヘミア国境(18世紀末〜) | バイエルンの農民・楽士 | 変拍子(2/4拍子と3/4拍子が不規則に入れ替わる) | レントラー、ポルカ(ドイチャー) | バルフォークの変拍子ダンス | ドイツ語で「二重のもの」の意。楽曲の途中で「2拍子のピボット(ポルカ)」と「3拍子のワルツ」が目まぐるしく切り替わるため、曲の構造を暗記するか高度なリード&フォローが要求される。 | ★★★☆☆ | △(日本フォークダンス連盟の上級講習会等で人気) |
| 204 | シュープラットラー(ペア形式) (Schuhplattler) | ドイツ・バイエルン州&オーストリア・チロル州(19世紀中葉体系化) | アルプスの木こり・農民・狩人 | 3/4拍子(レントラー調の民俗音楽) | レントラー | バイエルン伝統ステージ舞踊 | レントラーの旋回パートの合間に、男性が女性の周りで跳躍しながら自分の革ズボン(レーダーホーゼン)の膝や靴底(Schuh)を平手で猛烈な速さで叩き鳴らす求愛舞踊。 | ★★★☆☆ | △(日本のオクトーバーフェストやフォークダンス連盟で披露) |
| 205 | ヴァルス・ミュゼット(フレンチ・ワルツ) (Valse Musette) | フランス・パリ(19世紀末〜1920年代、バスティーユ地区) | オーヴェルニュ地方出身者とイタリア系移民のアコーディオン奏者 | 3/4拍子(非常に速く滑らかなアコーディオン円舞曲) | ウィンナー・ワルツ、ブルレ | バルフォーク・ワルツ(5拍子・8拍子・11拍子ワルツ) | パリの庶民的ダンスホール「バル・ミュゼット」の主役。狭いフロアで驚異的なスピードのまま、その場で独楽のように滑らかに連続回転する。 | ★★★★☆ | ○(アコーディオン愛好家・バルフォーク・シャンソン界隈で実践) |
| 206 | ジャヴァ (La Java) | フランス・パリ(1919年誕生) | アントナン・ルイ、フェルナン・ロベール(パリのバル・ミュゼット) | 3/4拍子(1拍目に強いアクセントがある高速3拍子) | ヴァルス・ミュゼット、マズルカ | パリのキャバレー・ダンス | ワルツをさらに庶民的にしたパリのバル・ミュゼット由来のペアダンス。小股で地団駄を踏むように弾みながら、クローズド・ポジションで高速旋回するスタイルで一世を風靡した。 | ★★☆☆☆ | △(フランス音楽・ミュゼット研究会) |
| 207 | ブルレ(2拍子・3拍子・バルフォーク) (Bourrée à 2 temps / 3 temps) | フランス中部・オーヴェルニュ&ベリー地方(16世紀起源〜現代バルフォーク) | フランス農民(17世紀にバロック宮廷へも導入) | 2/4拍子または3/8拍子(ハーディ・ガーディ、バグパイプ、アコーディオン) | フランス中世・ルネサンス民俗舞踊 | バロック・ブルレ、ヴァルス・ミュゼット | 現代の欧州バルフォーク(Balfolk)で不可欠なペア/ライン舞踊。パートナーと接触せず(または手を取って)向かい合い、「1・2・3」の推進力あるステップで接近と後退・交差を繰り返す。 | ★★★★☆ | △(国内バルフォーク・古楽イベントで実践) |
| 208 | アン・ドロ&ハンター・ドロ(バルフォーク) (An Dro & Hanter Dro) | フランス北西部・ブルターニュ地方(中世・ルネサンス起源〜現代) | ブルターニュのケルト系住民(Fest-Noz=夜の祭り) | 2/4拍子(アン・ドロ)、3/4または3/8拍子(ハンター・ドロ) | 中世のブランル(Branle) | バルフォークのサークル&ペアダンス | ユネスコ無形文化遺産(Fest-Noz)。本来は小指や腕を組むチェーンダンスだが、現代のバルフォークでは曲の後半やバリエーションとしてペアで旋回する形式も混ぜて踊られる。 | ★★★★☆ | △(国内ケルト音楽・ブルターニュ舞踊・バルフォーク会で実践) |
| 209 | スウェーディッシュ・ポルスカ (Swedish Polska) | スウェーデン(16世紀末〜現在、各地方に数十の変種) | スウェーデン農民・伝統フィドル(スペルマン)奏者 | 3/4拍子(ポルカとは異なり、独特の不等拍を持つ3拍子) | ポーランドの舞踊(Polska=ポーランド風)、中世舞踊 | ハンボ、スヌア、北欧のガンマルダンス全般 | スウェーデン伝統音楽・舞踊の最高峰。「スリェン・ポルスカ」「ボンダ・ポルスカ」「ビオンクス」等があり、3拍子の1拍目と3拍目に独特のタメを作って驚異的な浮遊感で連続回転する。 | ★★★★☆ | ○(日本国内にニッケルハルパ奏者やスウェーデンフォークダンス愛好会が存在し活発) |
| 210 | ハンボ (Hambo) | スウェーデン・ヘルシングランド地方(19世紀末確立) | スウェーデンの農民・音楽家(代表曲:『ホルガローテン』) | 3/4拍子(1拍目に強いアクセントと沈み込みがある3拍子) | ポルスカ、マズルカ | ガンマルダンス(北欧オールドタイム)競技 | スウェーデンを代表する3拍子の国民的ペアダンス。前進プロムナードからクローズドホールドに入り、1拍目で深くディップ(スタンプ)して軽やかに1回転する動作を4小節周期で繰り返す。 | ★★★★☆ | ○(日本のフォークダンス連盟および北欧音楽界隈で非常に有名) |
| 211 | スヌア(スヌアボック) (Snoa / Snurrbock) | スウェーデン・ノルウェー(19世紀〜) | 北欧の農村コミュニティ | 2/4拍子(軽快な北欧フィドル・アコーディオン曲) | ポルスカ、歩行ピボット | スウェーディッシュ・ブッグ | 2拍子の曲に合わせ、前後のプロムナードから一転して、ホップを伴わない超高速のピボット回転(Snurra=スピンする)を行う北欧のペアダンス。 | ★★★☆☆ | △(国内北欧フォークダンス愛好会) |
| 212 | フンッパ (Humppa) | フィンランド(1950年代命名、起源は1910〜20年代ジャズ・フォックス) | アンテロ・アルパロ(1958年ラジオ番組で命名)、クンピ・ヤ・クンッパニット | 2/4拍子(110〜130BPM、チューバとアコーディオンの裏拍ビート) | フォックストロット、ワンステップ、ポルカ | レトカイェンッカ | フィンランドのダンスパビリオンでタンゴと並ぶ定番。強いバウンス(弾み)を伴い、1拍ごとにステップまたはツーステップで陽気に飛び跳ねるように移動する。 | ★★★☆☆ | △(国内フォークダンス・北欧音楽イベント) |
| 213 | イェンッカ (Jenkka) | フィンランド(19世紀中葉〜) | フィンランド国民(派生曲『レトカイェンッカ』は1960年代に坂本九もカバー) | 2/4または4/4拍子 | シュティッシュ(Schottischeのフィンランド版) | レトカイェンッカ(ライン/コングライン形式) | フィンランド版のシュティッシュ。ペアで横並びからクローズドホールドに入り、軽快なステップ・ホップで回転する。 | ★★★☆☆ | ○(日本のフォークダンスおよび学校教育で知名度が高い) |
| 214 | チャールダーシュ (Csárdás / Czardas) | ハンガリー(19世紀中葉、起源は18世紀のヴェルブンコシュ) | ハンガリーのロマ(ジプシー)楽団と農民/音楽:モンティ、リスト、ブラームス | 2/4または4/4拍子(極端に遅い「ラッシュー」から超高速の「フリッシュ」へ急加速) | ヴェルブンコシュ(徴兵の踊り) | スロバキア・ウクライナ・ルーマニアのカップルダンス | ハンガリーの国舞。居酒屋(Csárda)が語源。男女が両肩・腰を持って組み、重厚なスローパートから一転、足を打ち鳴らしながら猛烈なスピードで左右に回転する。 | ★★★★☆ | ○(日本フォークダンス連盟およびクラシックバレエで広く実践) |
| 215 | クラコヴィアク (Krakowiak) | ポーランド南部・クラクフ地方(16世紀起源、19世紀欧州劇場・社交界流行) | クラクフ地方の農民・騎兵 | 2/4拍子(シンコペーション=裏拍アクセントの効いた速い2拍子) | ポーランド民俗舞踊 | ボヘミアン・ポルカ、バレエのキャラクターダンス | ポーランド5大国舞の1つ。馬が駆けるような横へのギャロップ・シャッセと、空中や床で踵と踵を鋭く打ち合わせる「ホルプツェ(Hołubce)」をペアで繰り出す。 | ★★★☆☆ | ○(日本フォークダンス連盟およびバレエ教育で普及) |
| 216 | クヤヴィアク&オベレク (Kujawiak & Oberek) | ポーランド中部・クヤヴィおよびマゾフシェ地方(17〜19世紀) | ポーランド農民 | 3/4拍子(クヤヴィアクは叙情的スロー、オベレクは超高速) | ポーランドの3拍子民俗舞踊 | マズルカ | ポーランド5大国舞の2種。クヤヴィアクは哀愁を帯びた滑らかな歩行旋回、オベレクは「回転する」の意を持ち、男性が片膝をつく跳躍や女性をリフトする激しいアクロバットを伴う。 | ★★★☆☆ | △(日本フォークダンス連盟のポーランド舞踊講習) |
| 217 | ポロネーズ (Polonaise) | ポーランド(16世紀末の国王戴冠式行進起源、18〜19世紀全欧宮廷舞踊化) | ポーランド貴族(シュラフタ)/音楽:ショパン、チャイコフスキー | 3/4拍子(威厳ある緩やかな行進曲調3拍子) | ポーランド農村の歩行舞踊(Chodzony) | 19世紀舞踏会のオープニング・グランドマーチ | ポーランド5大国舞の最古種目。カップルが横並びで手を取り、3拍子の1拍目で軽く膝を曲げて威厳を持って歩き、宮廷や舞踏会の幕開けを飾る行列ペアダンス。 | ★★★★☆ | ○(バレエ、フォークダンス、ウィーン舞踏会イベント等で実践) |
| 218 | フリアント&ソウセツカー (Furiant & Sousedská) | ボヘミア(現チェコ、18〜19世紀) | チェコ農民/音楽:スメタナ、ドヴォルザーク | 3/4拍子(フリアントはヘミオラ=2拍と3拍の交錯、ソウセツカーは穏やかな3拍子) | ボヘミア民俗舞踊、レントラー | チェコ国民楽派の舞曲 | チェコの代表的な対照的ペアダンス。フリアントは足を踏み鳴らす力強い変則アクセント舞踊、ソウセツカーは隣人同士が穏やかに組んで回る円舞曲。 | ★★★☆☆ | △(日本フォークダンス連盟のチェコ舞踊レパートリー) |
| 219 | コロブチカ (Korobushka / Korobochka) | ロシア民謡起源→米国(1930年代にロシア系移民が振付)→戦後日本で国民化 | ロシア系アメリカ人フォークダンサー/日本普及:GHQ・ウィンフィールド・ニブロ | 2/4拍子(ロシア民謡『行商人=コロブチカ』) | ロシア民俗舞踊、シュティッシュ、ポルカ | 日本の学校・キャンプファイヤー・フォークダンス | 原曲はロシアだが、カップルダンスとしての振付は米国で誕生し、戦後日本の学校教育で爆発的に普及した種目。前後のシュティッシュ歩と、バランス・ハンガリアンターン・パートナー交換で構成。 | ★★★☆☆ | ◎(日本の小学校・中学校・フォークダンス連盟で圧倒的知名度) |
| 220 | オクラホマ・ミクサー (Oklahoma Mixer / Turkey in the Straw) | 米国・テキサス州(伝統的ツー・ステップ・ミキサー)→戦後日本で定着 | 米国ウエスタン・フォークダンサー/日本導入:リッキー・ホールデン、GHQ | 2/4または4/4拍子(米国フォーク曲『藁の中の七面鳥』) | カウボーイ・シュティッシュ、テキサス・ツーステップ | 日本の運動会・キャンプファイヤー文化 | ヴァーソヴィエンヌ・ポジションで組み、「ヒール&トゥ×2、左へスライド、右へスライド、4歩前進してパートナー交代」を繰り返す、日本で最も踊られたペア・ミキサーダンス。 | ★★★☆☆ | ◎(日本の中学校・高校・地域イベントで全世代が経験) |
| 221 | オスロー・ワルツ (Oslo Waltz) | スコットランド/イングランド起源(ノルウェー名義のオールドタイム・ミキサー) | 英国のオールドタイム・ダンス教師陣 | 3/4拍子(スコットランド・ノルウェー風ワルツ曲) | セント・バーナード・ワルツ、ゲイ・ゴードンズ | 学校フォークダンスのワルツ・ミキサー | 内側と外側の二重円になり、バランスステップと男性の前の女性を隣の男性へ送り出すパートナー交換、クローズドホールドでのワルツターンを組み合わせた優美な教育・社交種目。 | ★★★☆☆ | ◎(日本の中学校・高校・フォークダンス連盟の規定種目) |
| 222 | ドードレブスカ・ポルカ (Doudlebska Polka) | チェコ南部・ドードレビー地方(19世紀〜20世紀) | チェコの民俗舞踊家(米国・日本へはマイケル・ハーマンらが紹介) | 2/4拍子(陽気なブラス・ポルカ曲) | ボヘミアン・ポルカ | ミキサー・ポルカ | ポルカ旋回パート、全員が肩を組んで大きな1つの輪になって歩くパート、男性が中央で手拍子し女性が外側を回って新しいパートナーを見つけるパートからなる快活なチェコ・ポルカ。 | ★★★☆☆ | ◎(日本の中学校・高校およびフォークダンス連盟の定番) |
| 223 | タンゴ・ミクサー&トゥ・トゥール (Tango Mixer & To Tur) | 米国(タンゴ・ミクサー)/デンマーク(トゥ・トゥール) | 欧米フォークダンス指導者/日本フォークダンス連盟 | 4/4拍子(タンゴ曲)/2/4拍子(デンマーク民謡) | ボールルーム・タンゴ/デンマークのツーステップ(To Tur=Two Dance) | 学校教育カップルダンス | 日本フォークダンス連盟の中学校・高校編に選定されている代表的な教育カップルダンス。基本の歩行・ツーステップと円陣のパートナー交換を学ぶ。 | ★★★☆☆ | ◎(日本の学校教育および全国フォークダンスサークルで普及) |
| 224 | エース・オブ・ダイヤモンド/キンダー・ポルカ/グスタフス・スコール (Ace of Diamonds / Kinderpolka / Gustaf’s Skoal) | デンマーク/ドイツ/スウェーデン(19世紀〜20世紀教育化) | 北欧・ドイツの民俗舞踊収集家(エリザベス・バーチェナルらが世界へ紹介) | 2/4拍子(素朴で明快なヨーロッパ民謡) | 欧州のポルカ、カドリール(グスタフス・スコールは4組ペアのスクエア形式) | 小学校体育の表現・フォークダンス | 日本の小学校学習指導要領およびフォークダンス連盟で長年採用されている3大入門ペアダンス。手拍子、足踏み、エルボー・スイング(肘かけ回り)、ポルカステップの基礎を養う。 | ★★★☆☆ | ◎(日本の小学校教育およびフォークダンス連盟で必修) |
| 225 | スコティッシュ・カントリー・ダンス(SCD) (Scottish Country Dance) | スコットランド(18世紀起源、1923年RSCDS設立で世界標準化) | ジーン・ミリガン、イヴォンヌ・スチュワート(RSCDS創設者) | 2/4・4/4拍子(リール、ストラスペイ)、6/8拍子(ジグ) | イングリッシュ・カントリー・ダンス、フランスの宮廷舞踊・バレエ | カレドニアン・リール、コントラダンス | 4組前後のペアが2列(Longways set)で向かい合い、パ・ド・バスク、スキップ・チェンジ、ストラスペイ・トラベル等の緻密なステップで幾何学的な図形を描く格式高い社交ダンス。 | ★★★★☆ | ○(RSCDS東京支部・埼玉支部・東海支部など日本国内に公認支部と多数の愛好家が存在) |
| 226 | アイリッシュ・セット・ダンス&シーリ・ダンス (Irish Set Dancing & Céilí) | アイルランド(19世紀カドリール導入→現代セットダンス) | アイルランドの農村コミュニティ、ゲール連盟 | 6/8拍子(ジグ)、4/4拍子(リール、ホーンパイプ)、2/4拍子(ポルカ) | フランスのカドリール(4組ペアのスクエア)、アイリッシュ・ステップ | リバーダンス等のステージ・アイリッシュ | 「セット・ダンス」は4組のペアが正方形を作り、床を滑るバタリング(足音)と高速のハウス・アラウンド(ペア旋回)を行う大人の社交ダンス。「シーリ」はより伝統的な列舞・円舞。 | ★★★★☆ | ○(東京・関西等にアイリッシュ・セットダンスの定期クラス・ケーリーが存在) |
カテゴリーXII:中世・ルネサンス・バロック・リージェンシー(歴史的宮廷舞踊)(No.227〜242)
14世紀から19世紀前半にかけてヨーロッパの宮廷および貴族社会で踊られ、トワノ・アルボーの『オルケゾグラフィ』(1589年)やジョン・プレイフォードの『イングリッシュ・ダンシング・マスター』(1651年)、ラウール=オージェ・フイエのバロック舞踊記譜法(1700年)等によって現代に完全復元・継承されているペアダンス群である。
| No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| 227 | エスタンピ&サルタレロ(中世・初期ルネサンス) (Estampie & Saltarello) | イタリア・フランス(13〜15世紀) | 中世の宮廷楽師/体系化:ドメニコ・ダ・ピアチェンツァ、グリエルモ・エブレオ | 3拍子系または複合拍子(中世古楽器演奏) | 中世のキャロル(Carole)、ドゥクティア(Ductia) | バス・ダンス、ガイヤルド | 記録に残る最古級の西洋ペア舞踊。カップルが横並びで手を取り、エスタンピは滑らかな歩行、サルタレロは軽いホップ(跳躍)を伴って宮廷を進む。 | ★★☆☆☆ | △(国内の古楽・中世ルネサンス舞踊研究会で実演) |
| 228 | バス・ダンス(低舞踏) (Basse Danse / Bassadanza) | フランス・ブルゴーニュ公国&イタリア(15世紀〜16世紀前半) | ドメニコ・ダ・ピアチェンツァ、アントニオ・コルナッツァーノ | 3拍子または2拍子(荘重なルネサンス管楽器・リュート曲) | エスタンピ | パヴァーヌ、クーラント | 「低い(Basse)ダンス」の名通り、跳躍を一切行わず、足を床から浮かさずに滑らせる礼節(レヴェランス)、シングル、ダブル、ブランルの4基本歩で構成される貴族のペア舞踊。 | ★★☆☆☆ | △(国内ルネサンス舞踊・古楽アンサンブル公演) |
| 229 | パヴァーヌ (Pavane) | イタリア(パドヴァ説)またはスペイン(16世紀〜17世紀初頭) | トワノ・アルボー(1589年『オルケゾグラフィ』に記譜) | 2/2または4/4拍子(極めて荘重な2拍子行進曲) | バス・ダンス | アルマンド、ポロネーズ | 孔雀(Pavo)が羽を広げて歩くような威厳あるプロセス(行列)ペアダンス。宮廷の盛装をまとった男女が片手を取り、シングルとダブルの前進・後退でホールを練り歩く。 | ★★★☆☆ | ○(国内のバロック・ルネサンスダンス教室・古楽祭で定番) |
| 230 | ガイヤルド(ガリアルダ) (Galliard / Gagliarda) | イタリア起源→フランス・英国(16世紀〜17世紀初頭、エリザベス1世が愛好) | トワノ・アルボー、ファブリツィオ・カローゾ、チェーザレ・ネグリ | 6/8または3/4拍子(快活な3拍子系舞曲) | サルタレロ | ラ・ヴォルタ、トゥルディオン、クーラント | パヴァーヌの直後に続けて踊られる「高舞踏(跳躍舞踊)」。カップルが向かい合い、4回のキック跳躍と5拍目の高いジャンプ&着地(サンク・パ=5歩)で健脚を競い合う。 | ★★★☆☆ | ○(国内ルネサンスダンス愛好会・演劇指導等で実践) |
| 231 | ラ・ヴォルタ (La Volta) | フランス(プロヴァンス)&イタリア(16世紀後半〜17世紀初頭) | トワノ・アルボー(記譜)、エリザベス1世とレスター伯の絵画で有名 | 6/8または3/4拍子(ガイヤルドの変種) | ガイヤルド | ワルツ(語源・旋回概念の先駆説) | ルネサンス期の革新的なペアダンス。フォロワーがリーダーの横に立ち片手をリーダーの肩に置き、リーダーが両手でフォロワーのバスクの下を支えてリフトしながら2人で旋回する。 | ★★★☆☆ | △(ルネサンス舞踊公演・映画『エリザベス』等で有名) |
| 232 | アルマンド(アルメイン) (Allemande / Almain) | ドイツ起源→フランス・英国宮廷(16世紀後半〜18世紀バロック) | トワノ・アルボー、ロンドンの法学院(Inns of Court) | 4/4拍子(穏やかな中速4拍子) | パヴァーヌ、ドイツの歩行舞踊 | バロック組曲の第1楽章、コントラダンス(アルマンド・ターン) | 「ドイツ風」の意。ルネサンス期は3歩歩いて片足を上げるペア行列舞踊、バロック期(18世紀後半)には男女が腕を背中や頭上で複雑に交差させるフィギュラティブ・ペアダンスへと変化した。 | ★★★☆☆ | ○(国内ルネサンス・バロックダンス教室で指導) |
| 233 | クーラント(コッレンテ) (Courante / Coranto) | イタリア・フランス(16世紀後半〜17世紀、ルイ14世が最も愛好) | ピエール・ボーシャン、ラウール=オージェ・フイエ(記譜) | 6/4または3/2拍子(フランス型の荘重な複合3拍子)、3/4拍子(イタリア型) | ガイヤルド、バス・ダンス | メヌエット(宮廷の主役を継承) | 17世紀フランス・バロック宮廷で最も格式が高かったペアダンス。クーペ(Coupé)とパ・ド・ブルレ(Pas de bourrée)を用い、楕円形の軌道を描きながら緊張感のあるすり足とライズで進む。 | ★★★☆☆ | ○(東京・横浜のバロックダンス教室で専門指導) |
| 234 | サラバンド (Sarabande) | 中米・スペイン起源(16世紀)→フランス宮廷(17世紀に荘厳化) | スペイン植民地起源/フランス宮廷(ボーシャン、ペクールが体系化) | 3/4または3/2拍子(2拍目に長い付点・強調が置かれる緩やかな3拍子) | スペイン・新大陸のサラバンダ | バロック・オペラおよび組曲の緩徐舞踊 | 当初は情熱的なカスタネット舞踊だったが、フランス宮廷で威厳と哀愁を帯びた高貴なバロック・ペア/ソロ舞踊へと昇華された。 | ★★★☆☆ | ○(国内バロックダンス教室・定期公演の主要レパートリー) |
| 235 | トゥルディオン&カナリオ (Tourdion & Canario) | フランス(トゥルディオン)/カナリア諸島・スペイン起源(カナリオ、16世紀) | トワノ・アルボー、ファブリツィオ・カローゾ | 6/8拍子または3/4拍子 | ガイヤルド、スペイン民俗舞踊 | フラメンコのサパテアード、バロックのカナリー | トゥルディオンはガイヤルドより床に近く素早い跳躍舞踊。カナリオはつま先と踵を猛烈な速さで床に打ち付け、足を滑らせる技巧的なペア求愛舞踊。 | ★★☆☆☆ | △(国内ルネサンス・バロック舞踊研究会) |
| 236 | メヌエット (Menuet / Minuet) | フランス・ポワトゥー地方起源→ヴェルサイユ宮廷(1660年代〜18世紀末) | ピエール・ボーシャン(ルイ14世の舞踏教師)、ギヨーム=ルイ・ペクール | 3/4拍子(優雅で中庸な3拍子、ただしステップは2小節=6拍で1単位) | クーラント、ポワトゥー地方のブランル | クラシック・バレエの基礎技法、カドリール | 18世紀ヨーロッパ社交界の絶対的王者。4歩で6拍を使う「パ・ド・メヌエット」を踏み、男女が距離を保ってZ字(またはS字)の軌道を描きながら視線と右手・左手・両手の交換を行う。 | ★★★★☆ | ○(東京芸大・聖徳大講師や横浜・東京のスタジオで本格的なレッスンが開講) |
| 237 | ガヴォット (Gavotte) | フランス南東部・ドーフィネ地方(ギャップ周辺)起源→17〜18世紀宮廷 | フランス農民起源/宮廷体系化:ボーシャン、リュリ、ラモー | 2/2または4/4拍子(小節の真ん中=第3拍から始まるアウフタクトが特徴) | フランスのブランル(Branle de la Gavotte) | 19世紀サロン・ガヴォット | 軽い跳躍(コントルタン・ド・ガヴォット)とアッサンブレを伴う明るく牧歌的なバロック・ペアダンス。初期には踊りの終わりにパートナーへ花束等を贈る習慣があった。 | ★★★☆☆ | ○(国内バロックダンス教室・フォークダンスで実践) |
| 238 | リゴドン&パスピエ (Rigaudon & Passepied) | フランス南部プロヴァンス(リゴドン)/北西部ブルターニュ(パスピエ、17〜18世紀) | フランス宮廷舞踏家(ペクール、フイエ記譜) | 2/2拍子(リゴドン)、3/8または6/8拍子(高速のパスピエ) | フランス地方民俗舞踊 | バロック・オペラ=バレの快活なペア曲 | リゴドンはその場でのユニークな両足開閉ジャンプ(パ・ド・リゴドン)を特徴とし、パスピエはメヌエットを倍速にしたような軽快な交差ステップでフロアを駆け巡る。 | ★★★☆☆ | ○(国内バロックダンス教室のレパートリー) |
| 239 | ジーグ&ルール(バロック) (Gigue & Loure) | 英国・アイルランド起源(ジグ)→17世紀フランス宮廷/フランス・ノルマンディー(ルール) | フイエ、ペクール(記譜)、J.S.バッハ等(音楽) | 6/8・9/8・12/8拍子(高速のジーグ)、6/4拍子(緩やかなルール=「スロー・ジーグ」) | アイリッシュ/ブリティッシュ・ジグ | バレエのアレグロ技法 | ジーグは軽快な跳躍とパ・ド・ブルレで疾走するバロック組曲の終曲舞踊、ルール(バグパイプの意)は重みのある付点リズムで優雅に滑るペア/ソロ舞踊。 | ★★★☆☆ | ○(国内バロックダンス教室・古楽公演で実演) |
| 240 | シャコンヌ&パッサカリア (Chaconne & Passacaglia) | スペイン・新大陸起源(16世紀末)→17〜18世紀フランス宮廷劇場 | スペイン・イタリア経由/フランス宮廷:リュリ、ペクール | 3/4拍子(低音部が同じ和声・旋律を繰り返すオスティナート変奏曲) | スペインのチャコーナ、パッサカージェ | バロック・バレエのグランド・フィナーレ | 元来は新大陸およびスペイン起源の舞踊だったが、ヴェルサイユ宮廷で最も壮麗な大編成ペア/ソロ舞踊へと進化し、多様なステップの変奏を次々と披露する。 | ★★★☆☆ | ○(国内バロックダンス公演の花形演目) |
| 241 | イングリッシュ・カントリー・ダンス(リージェンシー・ダンス) (English Country Dance / Regency Dance) | イングランド(16世紀後半エリザベス朝〜19世紀初頭リージェンシー期に頂点) | ジョン・プレイフォード(1651年『The English Dancing Master』出版)、トマス・ウィルソン | 2/4・6/8・3/4・3/2拍子(『グリーンスリーヴス』『ホール・イン・ザ・ウォール』等) | 英国の農村舞踊、ルネサンス宮廷舞踊 | フランスのコントルダンス、コントラダンス、カドリール、スクエアダンス | ジェーン・オースティンの小説・映画の世界そのものの舞踊。ペアが2列(Longways)または円を作り、軽やかなスキップと図形移動(セット、ターン・シングル、キャスト・オフ)で上品に交流する。 | ★★★★☆ | ○(日本国内にプレイフォード/イングリッシュ・カントリー・ダンスの専門愛好会が複数存在) |
| 242 | カドリール&コティヨン (Quadrille & Cotillion) | フランス(18世紀コティヨン→ナポレオン期・19世紀全域でカドリール確立) | パリの舞踏教師陣(1815年オルマック社交界へ導入) | 2/4拍子と6/8拍子の全5楽章(『パンツァロン』『エテ』『プール』『パストゥレル』『フィナーレ』) | イングリッシュ・カントリー・ダンス、フランスのコントルダンス | ウエスタン・スクエアダンス、アイリッシュ・セット・ダンス、カリビアン・カドリーユ | 4組のカップルが正方形(スクエア)に並び、5つの楽章(フィガー)を順番に踊り継ぐ19世紀ヨーロッパ・ロシア・南北アメリカの最重要グループ・ペアダンス。 | ★★★★☆ | ○(ウィーン舞踏会イベント、19世紀ヒストリカルダンス愛好会、フォークダンス連盟で実践) |
上記表から漏れていた追加の25種目
| 系統 | No. | 種目名(日・英) | 発祥(国・時期) | 創始者・体系化 | 使用曲・拍子・テンポ | 影響元(ルーツ) | 影響先(派生) | 特徴(ホールド・動き) | 世界人気 | 日本普及 |
| アメリカン/社交系 | 243 | ナイトクラブ・フォックストロット (Nightclub Foxtrot) | 米国 (1990年代) | 都市部クラブのダンサー | 4/4拍子 (スローポップス、ジャズ) | フォックストロット | 現代クラブ系ソーシャル | 混雑したフロアに対応するため歩幅を極端に小さくし、スウェイとコンパクトな回転のみで優雅さを維持する。 | ★★☆☆☆ | △ |
| スイング/ジャズ系 | 244 | ジャンプジャイブ (Jump Jive) | 米国・英国 (1940年代〜) | スイング復興期のダンサー | 4/4拍子 (160〜200BPM、ジャンプブルース) | リンディホップ、ジターバグ | ネオ・スイング | ジターバグのバウンスをさらに強調し、リズミカルなキックとアクロバットを交えて激しく飛び跳ねる。 | ★★★☆☆ | △ |
| カリブ/ラテン系 | 245 | メレンゲ・ティピコ / ペリコ・リピアオ (Merengue Típico) | ドミニカ共和国 (19世紀後半) | 北部シバオ地方の農民・楽士 | 2/4拍子 (アコーディオンとタンボーラによる超高速ビート) | コントラダンサ | モダン・メレンゲ | 現代メレンゲの原型。クローズドホールドを固く保ち、細かく複雑なフットワークとシンコペーションを高速で刻む。 | ★★★☆☆ | △ |
| カリブ/ラテン系 | 246 | カダンス (Cadence / Cadence-lypso) | ドミニカ国・ハイチ (1970年代) | バンド「エグザイル・ワン」等 | 4/4拍子 (アップテンポなカリブ音楽) | コンパ、カリプソ | ズーク(フレンチ・カリビアン) | カリプソのテンポとハイチのコンパの滑らかさを融合させ、腰の重心移動を中心に親密なホールドで踊る。 | ★★★☆☆ | × |
| カリブ/ラテン系 | 247 | ポロ (Porro) | コロンビア (20世紀中盤) | カリブ海沿岸の住民・ビッグバンド | 2/4または4/4拍子 (ビッグバンド編成のクンビア音楽) | クンビア | コロンビアの社交ダンス群 | クンビアをより洗練させた社交ペアダンス。円を描く滑らかなターンと、優雅なプロムナード移動を特徴とする。 | ★★★☆☆ | × |
| カリブ/ラテン系 | 248 | ダンソン・メヒカーノ (Danzón Mexicano) | メキシコ・ベラクルス州 (19世紀末〜) | キューバ系移民、現地の愛好家 | 2/4拍子 (メキシコ様式のダンソン) | キューバン・ダンソン | メキシコの社交ダンス群 | キューバ起源のダンソンが独自進化。厳格な姿勢を保ち、楽曲の区切り(パセオ)で扇子を開いて休止する伝統を重んじる。 | ★★★★☆ | × |
| カリブ/ラテン系 | 249 | カドリーユ・クレオール (Quadrille Créole) | 仏領アンティル・カリブ海 (19世紀) | アフリカ系クレオール住民 | 2/4または6/8拍子 (アコーディオン、パーカッション) | フランスのカドリール | カリビアン・ズーク | 欧州の4組スクエアダンス(カドリール)に、カリブ海のシンコペーションと腰の躍動的なアイソレーションを融合させた群舞ペア。 | ★★☆☆☆ | × |
| ブラジル系 | 250 | ボレロ・ブラジレイロ (Bolero Brasileiro) | ブラジル (20世紀中盤) | ダンサ・デ・サロンの教師陣 | 4/4拍子 (スローバラード) | キューバン・ボレロ、サンバ・デ・ガフィエイラ | 現代ダンサ・デ・サロン | ガフィエイラ由来の長距離グライドや深いディップを多用し、ブラジル特有の情熱的なクローズドホールドで滑らかに旋回する。 | ★★★★☆ | △ |
| 南米フォーク/タンゴ系 | 251 | エスコンディード (Escondido) | アルゼンチン (19世紀) | パンパのガウーショ(農牧民) | 6/8拍子と3/4拍子のポリリズム (ギターと太鼓) | チャカレーラ | 南米フォルクローレ群 | チャカレーラと同系統の非接触ペア。「隠れる(Escondido)」の名通り、一方が手や帽子の陰に隠れる動作を交えて求愛する。 | ★★★☆☆ | △ |
| 南米フォーク/タンゴ系 | 252 | メレンゲ・ベネソラーノ (Merengue Venezolano) | ベネズエラ (20世紀初頭) | カラカス市民 | 5/8拍子 (独特の変拍子リズム) | カリブ海音楽 | ベネズエラの都市型ダンス | 5/8拍子という世界的にも珍しい奇数拍子で踊られ、足を引きずるような独特のリズム(ルシアーノ)と柔らかな腰の動きを持つ。 | ★★☆☆☆ | × |
| 南米フォーク/タンゴ系 | 253 | ランチェーラ (Ranchera) | メキシコ・アルゼンチン (20世紀初頭) | 農村部の住民 | 3/4拍子 (マリアッチやギターのワルツ調) | 欧州のワルツ | モダン・ノルテーニョ・ペア | ワルツをラテンアメリカの農村風にアレンジしたスタイル。マズルカに似たホップやステップを交え、快活に旋回する。 | ★★★☆☆ | × |
| 南米フォーク/タンゴ系 | 254 | ワパゴ (Huapango) | メキシコ・ワステカ地方 (19世紀〜) | メスティーソ住民 | 6/8拍子 (バイオリンとギター) | スペインのサパテアード | 現代メキシコ民俗舞踊 | 木製の台(タリーマ)の上で、カップルが向かい合い、複雑で高速な足踏み(サパテアード)を打ち鳴らしてリズムを共鳴させる。 | ★★★☆☆ | × |
| 南米フォーク/タンゴ系 | 255 | ワイノ (Huayno / Wayno) | ペルー・ボリビア (先コロンブス期〜) | アンデス先住民 | 2/4拍子 (ケーナ、サンポーニャ等) | アンデス伝統舞踊 | カポラレス等のパレード舞踊 | パートナーと手をつながずに向かい合い、細かく跳ねるようなステップと足のスタンプ(サパテオ)を交えて旋回する。 | ★★★☆☆ | △ |
| 南米フォーク/タンゴ系 | 256 | パシージョ (Pasillo) | コロンビア・エクアドル (19世紀) | クリオージョ住民 | 3/4拍子 (高速かつ哀愁のあるワルツ) | ウィンナー・ワルツ | エクアドル・コロンビアの国舞 | エクアドルの国舞。「小さなステップ」の意を持ち、極めて速い3拍子に合わせて小刻みにフロアを旋回する。 | ★★★☆☆ | × |
| 南米フォーク/タンゴ系 | 257 | パラグアイのポルカ (Polka Paraguaya) | パラグアイ (19世紀) | パラグアイ国民 | 6/8拍子と3/4拍子のポリリズム | 欧州のポルカ | ガロパ(頭に瓶を乗せる踊り) | 欧州のポルカとは異なり6/8拍子を基調とする。流れるような速いグライドステップと、女性が頭に瓶を乗せて踊る派生がある。 | ★★★☆☆ | × |
| アフリカ/ディスコ系 | 258 | コンゴ系ルンバ (Congolese Rumba) | コンゴ民主共和国 (1940年代) | フランコ、タブー・レイ等 | 4/4拍子 (ギター主体のルンバ・リンガラ) | キューバン・ソン | スークース | キューバ音楽がアフリカへ還流して誕生。クローズドホールドで密着し、腰の滑らかで精微なアイソレーションとスウェイで踊る。 | ★★★★☆ | × |
| アフリカ/ディスコ系 | 259 | スークース (Soukous) | コンゴ民主共和国 (1960〜70年代) | コンゴの若者・楽士 | 4/4拍子 (テンポの速いギター・ダンス音楽) | コンゴ系ルンバ | ンドンボロ | ルンバから派生し、ホールドを解いたオープンなターンや、さらに激しい腰のローリングを伴うエネルギッシュなダンス。 | ★★★★☆ | △ |
| アフリカ/ディスコ系 | 260 | ディスコスウィング (Disco Swing) | 米国・欧州 (1970年代) | ディスコのダンサーたち | 4/4拍子 (70〜80年代ディスコ曲) | イーストコースト・スイング、ハッスル | ディスコ・フォックス | スイングのステップをディスコビートに適用し、トリプルステップを歩行に置き換えながらプレッツェル等の手技を繰り出す。 | ★★★☆☆ | △ |
| 欧州フォーク系 | 261 | タランテラ (Tarantella) | イタリア南部 (中世〜近代) | 農民・庶民 | 6/8または3/8拍子 (タンバリンとマンドリンの高速曲) | 中世民俗舞踊 | バレエのキャラクターダンス | 毒蜘蛛タランチュラの伝承に由来。男女がタンバリンを叩きながら、跳躍と高速のスピンで激しい求愛と熱狂を表現する。 | ★★★★☆ | ○ |
| 欧州フォーク系 | 262 | セビジャーナス (Sevillanas) | スペイン・アンダルシア地方 (19世紀) | セビリアの住民 | 3/4拍子 (ギターと手拍子・歌) | セギディージャ | フラメンコの関連舞踊 | 4つのパート(コプラ)から構成され、カスタネットを鳴らしながらパートナーと交差(パサーダ)を繰り返す華やかなペア。 | ★★★★★ | ○ |
| 欧州フォーク系 | 263 | スロバキアン・ポルカ (Slovak Polka) | スロバキア (19世紀) | 農村コミュニティ | 2/4拍子 (スロバキア民俗音楽) | ボヘミアン・ポルカ | 東欧のポルカ群 | ボヘミア起源のポルカより足のスタンプやホップが力強く、パートナーを高く持ち上げるようなバウンシーな回転を特徴とする。 | ★★☆☆☆ | △ |
| 欧州フォーク系 | 264 | スプリングダンス (Springdans) | ノルウェー (中世〜ルネサンス) | 農村コミュニティ | 3/4拍子 (不等拍・スウィング感のあるフィドル曲) | ルネサンスの跳躍舞踊 | スプリンガル等の地域変種 | リーダーがフォロワーをリードしながら、走るようなステップと高いリープ(跳躍)を交えてフロアを回るアクロバティックな伝統舞踊。 | ★★★☆☆ | △ |
| 欧州フォーク系 | 265 | シュティリアー (Styrian Dance / Steirischer) | オーストリア・シュタイアーマルク州 (18世紀〜) | アルプス住民 | 3/4拍子 (レントラー系のゆったりとした民俗音楽) | レントラー | バイエルン地方の民俗舞踊 | 腕を複雑にくぐらせて窓のような形を作る「フェンステル」動作を多用し、ワルツのステップで優美に旋回するアルプス特有のペア。 | ★★☆☆☆ | △ |
| 欧州フォーク系 | 266 | ポルカ・マズルカ (Polka Mazurka) | 欧州社交界 (19世紀中葉) | ダンス教師陣 | 3/4拍子 (マズルカのリズム) | ポルカ、マズルカ | (特になし) | 音楽は3拍子のマズルカだが、ステップはポルカのシャッセとグライドを用いるという、19世紀に流行したハイブリッド社交種目。 | ★★☆☆☆ | △ |
| 歴史的宮廷舞踊 | 267 | ランセル (The Lancers) | 英国・欧州 (1817年) | ジョン・デュバル等 | 2/4および6/8拍子 (全5楽章の組曲) | カドリール | ウエスタン・スクエアダンス | 4組のペアがスクエアを作り、軍隊の槍騎兵(ランサー)を模した整然たる敬礼や交差フィガーを5楽章にわたり展開する。 | ★★★☆☆ | △ |
結論と今後の展望:ペアダンスにおける「伝統の標準化」と「国境なきフュージョン」の二極化
世界267種目に及ぶ社交ダンス・ペアダンスの網羅的分析からは、歴史的な系統樹の収斂と大陸間還流、競技化とソーシャル化の分化、そして日本市場におけるマルチ・コミュニティ化という3つの構造的トレンドが浮かび上がる。
第一に、一見すると無秩序に存在する200種目以上のペアダンスも、歴史的因果関係を辿れば4つの巨大な系統樹に収斂する。すなわち、バス・ダンスからメヌエットやカントリーダンスを経てワルツ・ポルカ・カドリールへと至る「欧州宮廷・農村の旋回&列舞系」、スロードラッグやチャールストンからリンディホップを経てジルバ・ジャイブ・ウエストコースト・スイング・ブギウギへと広がる「北米アフリカ系のラグタイム・スイング系」、コントラダンサからダンソン・ソンを経てマンボ・ルンバ・チャチャチャ・サルサ・バチャータへと展開する「キューバ・カリブ海のクレオール系」、そしてハバネラ・カンドンベ・センバからアルゼンチン・タンゴ、マシーシェ、ガフィエイラ、ランバダ、ブラジリアン・ズーク、キゾンバへと連なる「南米ラプラタ川およびブラジル・アンゴラの大西洋還流系」である。さらに21世紀には、ブラジリアン・ズーク、センシュアル・バチャータ、タンゴ・ヌエボ、キゾンバ、アーバン・キズなどの間で、身体の使い方やリード・フォローの技術に影響が見られる。こうしたジャンル間の交流は、ペアダンスが地域ごとの伝統を継承するだけでなく、国境を越えた技術や表現の共有によって変化していることを示している。
第二に、競技化(ルーティン・フレーム固定)とソーシャル化(完全即興・マルチ音楽対応)の二極化が進行している。インターナショナルスタイル10種目やアクロバティック・ロックンロールのように、明確な競技規則と審査基準の下でアスリート化・劇場芸術化を深める領域がある一方で、ウエストコースト・スイング(WCS)、センシュアル・バチャータ、アーバン・キズ、ブラジリアン・ズーク、モダン・ジャイブのように、固定された足型や専用音楽に縛られず、最新のビルボード・ポップスやR&Bで初対面の相手と即興で踊れるソーシャル・ペアダンスが世界中の若年〜中堅層を急速に獲得している。
第三に、日本国内におけるペアダンス実践の多様性とクロスオーバー化が顕著である。日本国内は伝統的に、インターナショナルスタイル10種目とブルース・ジルバを軸とする社交ダンス界、日本フォークダンス連盟を中心とする学校・地域フォークダンス、そしてウエスタン・スクエアダンスという組織化された3大基盤が非常に強固であった。
しかし現在では、東京・横浜・大阪などの都市部を中心に、サルサ、バチャータ、アルゼンチン・タンゴ、アメリカンスムース/リズム、ウエストコースト・スイング、ブラジリアン・ズーク、キゾンバ、フォホー、リンディホップなど、さまざまなペアダンスを学び、実践できる場が広がっている。また、バロックダンス、スウェーデンのポルスカ/ハンボ、欧州のバルフォークなど、歴史的舞踊や地域の伝統舞踊を実践する活動も見られる。ただし、指導者や実践コミュニティの規模、活動の継続性は種目によって異なる。
今後はこれら独立していた日本の各ダンスコミュニティ間の垣根がさらに低くなり、ハッスルとズークとウエストコースト・スイング、あるいはサルサとバチャータとキゾンバを同一のスタジオやイベントで横断して踊るマルチ・ダンサー層が一段と拡大していくものと予測される。