「ハマジル」「カワジル」の起源と進化

ジルバの系譜

概要:ジルバの歴史と横浜・川崎ジルバの発展

ジルバは、第二次世界大戦後の1945年にアメリカ駐留軍によって日本にもたらされた社交ダンスの一種であり、そのルーツはアメリカ発祥の「ジターバグ(Jitterbug)」にあります[1, 2, 3]

日本では「ジターバグ」が「ジルバ」へと転訛し、和製英語として定着。戦後の日本、特に横浜では、進駐軍の兵士たちがダンスホールで踊るロックンロールを日本人が模倣し始めたことから、独自のスタイルを持つ「横浜ジルバ」、通称「ハマジル」が誕生しました[1, 6]

混雑したダンスホールという環境が、男性はその場で足踏みを主体とし、女性が男性にまとわりつくように小さく前進する、といった独特の踊り方を育みました。手は軽く「つまむ」ように持ち、常に上下に動かしてリズムを取り、音楽性よりも手軽さが重視されたため、当時の社交ダンスのプロからは「洋楽に合わせて踊る盆踊り」と揶揄されることもありました[1, 6]

横浜ジルバからさらに発展したとされるのが「川崎ジルバ」、通称「カワジル」です。現代では、伝統的なハマジルの特徴を残しつつ、音楽性やリズム感を加味してスタイリッシュにアレンジされた「ロックハマジル」なども登場し、ジルバは社交ダンスの競技種目には含まれないものの、初心者でも踊りやすいパーティーダンスとして現在も広く親しまれています[1]

議論のポイント

1. ジルバの起源と日本への伝来

背景、原因、要因: ジルバの源流は、1920年代にアメリカで誕生したスイングダンスの一種である「ジターバグ」にあります[1, 3, 5, 8]。日本への伝来は、第二次世界大戦が終結した1945年、戦勝国であるアメリカの駐留軍が日本に持ち込んだことがきっかけです[1, 2, 3]

技術用語の説明:

  • ジターバグ(Jitterbug): アメリカで1930年代に発展したスイングダンスの一種で、活発で即興的な動きが特徴です[1, 2]
  • スイングダンス(Swing Dance): 1920年代から1940年代にかけてアメリカで人気を博した一連のダンススタイルの総称です。

2. 「ジルバ」呼称の独自性と和製英語としての側面

背景、原因、要因: アメリカから「ジターバグ」として伝わったダンスが、日本では「ジルバ」という呼称で広く普及しました[1, 2, 4]。これは、ジターバグの発音が日本語の音韻体系に適合する形で転訛したものであり、厳密には「和製英語」に分類されます[1, 4]

技術用語の説明:

  • 転訛(てんか): 言葉の音が変化すること。
  • 和製英語(わせいえいご): 日本で作られた英語のような表現で、英語圏では通用しない言葉です。

3. 横浜ジルバ(ハマジル)の誕生と独特のスタイル

背景、原因、要因: 横浜ジルバ、通称「ハマジル」は、戦後の横浜のダンスホールで独自に発展しました[1]。混雑した限られたスペースで米兵の踊るロックンロールを真似し始めたことが背景にあります。

  • 男性のステップ: 基本的にその場での足踏みが主。
  • 女性のステップ: 男性に「まとわりつくように」小さく前進。
  • 手の繋ぎ方: 男性は女性の手を軽く「つまむ」ように持ち、常に上下に動かしてリズムをとる。

肯定的な意見:

手軽さとスペースを取らない踊り方から、当時の一般大衆に広く受け入れられ、初心者でもすぐに楽しめました[1]

否定的な意見:

「音楽性やリズム感が重視されない」側面から、社交ダンスの専門家からは「洋楽に合わせて踊る盆踊り」と揶揄されることもありました[1, 6]

技術用語の説明:

  • ロックンロール(Rock and Roll): 1950年代にアメリカで誕生したポピュラー音楽のジャンル。

4. 川崎ジルバ(カワジル)への進化と特徴

背景、原因、要因: 川崎ジルバ、通称「カワジル」は、横浜ジルバ(ハマジル)からさらに発展したダンススタイルです[6]。最も顕著な特徴は、ハマジルが片手でのリードを主体とするのに対し、カワジルでは両手を使った技が多く取り入れられている点です[6]

技術用語の説明:

  • サルサ(Salsa): キューバを起源とする中南米系のペアダンスで、複雑な手のリードやターンのバリエーションが豊富です[6]。サルサの技がジルバに取り込まれてきているようです。

5. ジルバとジャイブ:スイングダンスの多様性

背景、原因、要因: ジルバはアメリカのジターバグから転訛したものですが、同様にジターバグを起源とするスイングダンスに「ジャイブ」があります[1, 2, 4]。ジルバが日本へ直接伝わった一方で、同時期にイギリスへ渡ったジターバグは、現地の文化やダンススタイルと融合し、「ジャイブ」として完成されました[2, 1]

技術用語の説明:

  • リンディホップ(Lindy Hop): 1920年代後半にニューヨークで誕生したアフリカ系アメリカ人のダンス。
  • ジャイブ(Jive): 社交ダンスのラテンアメリカン種目の一つで、軽快で跳ねるような動きが特徴です。
  • シングル・リンディ形式(SSQQ): ジルバのリズムの基本とされる「スロー・スロー・クイック・クイック」。
  • ダブル・リンディ形式(Q&Q, Q&Q, QQ): ジャイブのリズムの基本とされる、より細かく速いステップ。

ジルバ (肯定的意見):

ステップがシンプルで覚えやすく、初心者にとって取り組みやすいパーティーダンスとして人気があります[1]

ジャイブ (否定的意見):

競技ダンスのラテンアメリカン種目の一つであり、より高度な身体能力と技術が求められ、初心者には難しいとされる傾向があります[1]

6. 現代におけるジルバの再評価と多様な発展

背景、原因、要因: ジルバは、その歴史的背景や手軽さから、現代においても根強い人気を誇っています[1]。伝統的な横浜ジルバの要素を継承しつつ、現代的な音楽性やリズム感を加味した「ロックハマジル」のようなアレンジされたスタイルも登場しています[1]

伝統的ジルバ(ハマジル)の魅力:

形式に囚われず、誰もが気軽に楽しめる点が、多くの人々を惹きつけてきました。

現代的ジルバ(ロックハマジルなど)の発展:

よりスタイリッシュな動きや多様な音楽ジャンルへの対応を目指し、若い世代にも魅力が再発見されています[1]

国際的な広がり: スイングダンスは、欧米だけでなく、中国、韓国、シンガポール、台湾、香港などアジア各地にも広がり、国際的な交流の場でも楽しまれています[1]

参考文献

  • [1]社交ダンスの「ジルバ」について歴史や特徴、混合しやすいジャイブとの違いを解説します(Dance Studio Smile, アクセス日: 2026年1月18日)
  • [2]ジルバ – Wikipedia(Wikipedia, アクセス日: 2026年1月18日)
  • [3]社交ダンスの歴史(厚生労働省公認 広島県社交ダンス協会, アクセス日: 2026年1月18日)
  • [4]ジルバの歴史(横田ダンスアカデミー, アクセス日: 2026年1月18日)
  • [5]ジルバとは?(Swing in Japan, アクセス日: 2026年1月18日)
  • [6]ジルバについて(生田ダンススポーツクラブ, アクセス日: 2026年1月18日)
  • [7]ジルバの由来と種類(DANCING IS MY DIRECTION, アクセス日: 2026年1月18日)
  • [8]スウィングダンスとは?(ARBAN, アクセス日: 2026年1月18日)
  • [9]YouTube (ジルバ関連コンテンツ)(YouTube, アクセス日: 2026年1月18日)