WDSFとはどんな組織?ダンススポーツとは?

JDSFとの関係、そしてオリンピックとのつながりをわかりやすく解説

社交ダンスやダンススポーツについて調べていると、

  • IOC
  • WDSF
  • JDSF
  • JOC
  • 日本スポーツ協会(JSPO・旧日体協)
  • 文部科学省(スポーツ庁)

といった組織名が数多く登場します。

「どれが世界の組織なの?」「何が違うの?」と混乱する人も少なくありません。

この記事では、それぞれの役割と関係を整理しながら、なぜダンススポーツがオリンピック運動と関わっているのかまで詳しく解説します。

まず結論:WDSFは世界のダンススポーツ統括団体

WDSF(World DanceSport Federation)は、世界のダンススポーツを統括する国際競技団体です。

1957年に設立され、1990年にIDSF(International DanceSport Federation)となり、2011年から現在のWDSFへ名称変更されました。1997年にはIOC(国際オリンピック委員会)から国際競技団体(International Federation:IF)として正式に承認されています。

サッカーに例えるとFIFA、バスケットボールならFIBAのような存在であり、ダンススポーツではWDSFがその役割を担っています。

WDSFが扱うダンス

近年のWDSFは、従来のスタンダード・ラテンだけではなく、多様なダンスジャンルを競技として取り入れています。

分類主な競技種目
BallroomStandard、Latin、Ten Dance
BreakingBreaking
CaribbeanSalsa、Caribbean
American StyleSmooth、Rhythm
StreetHip Hop、Disco Dance
StageStage Dance(Jazz、Modern / Contemporaryなど)
Rock系Acrobatic Rock’n’Roll、Boogie Woogie(関連団体と連携)
InclusivePara DanceSport、Special Olympics DanceSport
新しい競技形式Solo、Synchro、Choreographic

つまり現在のWDSFは、「ボールルームダンスだけの団体」ではなく、世界の総合ダンススポーツ団体へ発展しています。

ペアダンスの部分だけ整理すると以下のようになりますが、現時点での整理です。ただ、WDSF本部が直接競技規則・世界選手権を運営する種目WDSFのAssociate Member(関連加盟団体)が統括する種目WDSF加盟国が国内競技として実施している種目とあるため、あくまで参考としてください。
理由は、WDSF本部・WRRC・各国加盟団体(イギリス、フィンランドなど)が採用している競技種目に違いがあるためです。

ダンスペアWDSF本部 DisciplinesWDSF関連団体・加盟団体備考
StandardWDSFの中核競技
LatinWDSFの中核競技
Ten DanceStandard+Latin総合
SmoothAmerican Style
RhythmAmerican Style。競技によってはMerengueやWest Coast Swingを含むことがある。
SalsaCaribbean Discipline
CaribbeanCaribbean系競技群
Para DanceSport車いすペア等
Acrobatic Rock’n’RollWRRC(WDSF Associate Member)が統括
Boogie WoogieWRRC統括
Lindy HopWRRC加盟団体では競技実施。フィンランドなど加盟国でも競技種目。
BuggWRRC系
DoublebugWRRC系
BachataWDSF加盟団体では競技会実施例あり。本部の独立Disciplinesには未掲載。
West Coast SwingWDSF本部ではRhythm競技の一部として採用される場合がある。加盟団体でも競技実施例あり。
MerengueRhythm競技に含まれる場合がある。
Argentine Tango××(現時点では確認できず)現在のWDSF体系には含まれていない。
Kizomba××(現時点では確認できず)WDSF体系外。
Brazilian Zouk××(現時点では確認できず)WDSF体系外。

凡例

  • :WDSF本部が正式なDanceSport Disciplineとして位置付け、世界レベルの競技体系を整備している。
  • :WDSF関連組織(WRRCなど)や加盟団体で正式に競技として扱われている。
  • :本部の独立Disciplinesではないが、関連競技・加盟団体・一部競技体系の中で採用されている。
  • ×:現時点ではWDSF体系への採用を確認できない。

JDSFとは?

JDSF(公益社団法人 日本ダンススポーツ連盟)は、日本におけるダンススポーツの国内統括団体(National Federation:NF)です。

世界には国ごとにWDSF加盟団体があり、日本ではJDSFがその役割を担っています。JDSFはWDSFの正会員であり、日本を代表する加盟団体として活動しています。

JDSFの主な役割は、

  • 国内競技会の開催
  • 日本ランキングの管理
  • 日本代表選手の選考
  • 審判・指導者制度
  • WDSF国際大会への選手派遣
  • ダンススポーツの普及活動

などです。

つまり、

世界ではWDSF、日本ではJDSF

という関係になります。

JDSFは国内の様々な組織とつながっている

JDSFは、単にWDSFへ加盟しているだけではありません。
日本国内ではスポーツ団体や行政とも連携し、ダンススポーツを統括しています。

それぞれの役割は次のとおりです。

WDSF https://www.worlddancesport.org/

世界のルールを制定し、世界選手権やランキングを運営する国際競技団体です。

JDSF https://www.jdsf.or.jp/

日本国内の競技運営、日本代表選考、普及活動を担当します。

JOC(日本オリンピック委員会)

日本代表選手の強化・派遣など、オリンピックに関する日本側の窓口です。

日本スポーツ協会(JSPO・旧日本体育協会)

国内スポーツ団体を支援し、指導者制度やスポーツ振興を担います。

文部科学省・スポーツ庁

スポーツ行政、競技力向上政策、補助金制度などを担当する行政機関です。

つまりJDSFは、

  • 世界とはWDSF
  • オリンピック関係ではJOC
  • 国内スポーツ界では日本スポーツ協会
  • 行政ではスポーツ庁

と、それぞれ連携しながら活動しています。

なぜオリンピックと関係があるのか

「ダンスがオリンピックと関係あるの?」と思う人も多いでしょう。
その理由は、WDSFがIOCから正式に承認された国際競技団体だからです。

IOCから承認を受けるためには、

  • 世界中で競技が行われていること
  • 統一されたルールがあること
  • 公正な審判制度があること
  • アンチ・ドーピング規程を整備していること
  • 選手育成やガバナンスが整っていること

など、多くの条件を満たす必要があります。WDSFはこれらを満たしたため、1997年にIOCの承認団体となりました。

このため、

IOC → WDSF → JDSF

というスポーツ組織としての流れが成立しています。

オリンピック競技になることとは別の話

ここで誤解されやすい点があります。
IOCから承認されていることと、すべての競技がオリンピック正式競技になることは同じではありません。

WDSFには、

  • Standard
  • Latin
  • Salsa
  • Hip Hop
  • Disco Dance
  • Stage Dance
  • Breaking

など多くの競技種目がありますが、これらすべてがオリンピック競技という意味ではありません。
つまり、

  • WDSFが競技として統括している種目
  • オリンピックで実施される競技

は区別して考える必要があります。

まとめ

WDSFは、世界のダンススポーツを統括する国際競技団体であり、現在ではボールルームダンスだけでなく、Breaking、Salsa、Hip Hop、Disco Dance、Stage Danceなど幅広い競技を統括する総合ダンススポーツ組織へ発展しています。

その日本代表組織がJDSFです。

JDSFはWDSFと連携して世界大会や国際競技を運営する一方で、日本国内ではJOC、日本スポーツ協会(JSPO)、文部科学省・スポーツ庁などとも連携し、日本のダンススポーツ全体を支えています。

このような国際・国内双方の組織とのつながりがあるからこそ、ダンススポーツは国際的なスポーツとして発展し、オリンピック運動とも深く結び付いているのです。