技・バリエーションを整理させるのはよいのだけれど、もはや、正しいのか間違っているのか判断ができません。(´;ω;`)。まだ全部は網羅できていないです。
そもそも、初心者対象とは思えない・・・・
絶対に外せない基本ステップ
最も頻度の高い語彙です。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの詳細説明 | 具体的なリードの物理 |
| Mambo Step / Passo Mambo | 前後に踏み替えるステップ。 | 1拍目でリーダーが自分の重心を斜め前方へプレスし、4拍目のタップで完全にニュートラルに戻す。腕の前後運動ではなく、体幹の移動で伝える。 |
| Box Step / Cuadrado / Quadrato | 四角形(ボックス)を描く。 | 横→前→横→後。1歩ごとに**「角」で一瞬だけテンションを硬くし**、進行方向が変わる合図を手のひらで明確に送る。 |
| Basic Turn / Giro Básico | ベーシックの歩数の中で回る基本回転。 | 123のカウントを使い、4拍目のタップまでに回転を完結させる。フォロワーの頭上で小さく円を描き、軸をぶらさないように支える。 |
| Lateral Basic / Base Laterale | 左右に動く標準的なステップ。 | 1-2-3-4。リーダーの骨盤を横にスライドさせ、フレームを「板」のように保って、フォロワーの重心を左右へ運ぶ。 |
| Forward & Back Basic | 縦に動く標準的なステップ。 | 前進と後退。「押し(プレス)」と「引き(プル)」のバランスを一定に保ち、二人の間の距離(コネクション)を1ミリも変えないように移動する。 |
| Step Touch / Paso con Tap | 踏んでから足を揃えてタップ。 | 4拍目と8拍目の「タップ」の瞬間に、膝のクッションを一瞬だけ止めて(ホールド)、重心が移動しきらないことを合図する。 |
リズムと質感の基本(Foundations)
| 名称 (EN / ES / IT) | 動きの詳細説明 | 具体的なリードの物理(メカニズム) |
| Basic Step / Básico | 左右4カウントの基本移動。 | 「フレームの平行移動」。自分の骨盤を横に運び、腕を「硬すぎず柔らかすぎないバネ」として保ち、相手の重心を連動させる。 |
| Sincopated Basic | **膝を上下(Up/Down)**させ、リズムを細かく刻む。 | 膝の屈伸(バウンス)をフレームに伝え、「1 & 2 & 3 & 4」の裏拍を手のひらの微振動で共有する。 |
| Delayed Basic | 重心移動を一瞬遅らせる、タメのある歩法。 | 1拍目で足を出すが、重心移動を2拍目までホールドする。相手の背中の手で「待機」の圧をかけ、一気に解放する。 |
| Forwards & Backwards | 前後のベーシック。 | 「胸のプレス(押し)」と「背中のプル(引き)」。自分の胸郭を前進させ、相手を後ろへ押し出す。後退時は自分の背中で空間を引く。 |
| Basic on the Spot | その場でのベーシック。 | 移動をゼロにし、**重心の左右の踏み替え(シフト)**だけを伝える。密着(クローズド)で最も多用される。 |
| Step Tap | 踏んで、揃えて、タップ(打撃)。 | 4拍目と8拍目のタップの瞬間、**膝をロック(停止)**させ、重心が完全に止まったことをフレームの緊張で伝える。 |
| Majao Step | 踏み下ろしてから浮かせる(Down then Up)。 | ドミニカン由来。**「沈み込んでから弾ける」**エネルギー。リーダー自身の重心を低く落とし、その反動で相手を上に誘発する。 |
| Merengue Basic | ヒップが左右に大きく動くメレンゲ調。 | 骨盤のラテラル(左右の傾き)。片方の腰を上げ、もう片方を下げる動作を、手のひらの上下のプレッシャーで直接導く。 |
フットワークの深化:リズムと空間の全バリエーション
これらはバチャータの「足下」をよりダイナミックに、かつ音楽的に彩るための必須語彙です。
| 名称 (EN / ES) | 動きの詳細説明 | 具体的なリードの物理(メカニズム) |
| Rakata (ラカタ) | 1&2, 3&4と細かく刻む、ドミニカン特有の打撃的ステップ。 | リーダーの膝のバウンスを**「スタッカート(鋭く短い)」**にし、手のひらへの圧を一瞬だけ硬くして、足元のクイックな踏み替えを促す。 |
| Shuffle Step | 足を床から離さず、引きずるように3歩刻む。 | 進行方向へのテンションを維持しながら、**「低重心」**を保ち、フレームの微細な横揺れで足の滑りをリードする。 |
| Chachacha Step | &カウント(4&1, 8&1)でシャッフルを入れる。 | 4拍目のタップをせず、「タタタン」という3連符の振動をフレーム全体で共鳴させ、重心の素早い切り替えを伝える。 |
| New York Step | サルサ由来。横へ踏み出し、上体を捻ってポーズ。 | 進行方向とは逆の手を高く保ち(ハイ・コネクション)、胸の向きを大きく回転(トーション)させて、足を対角線へ突き出させる。 |
| Hesitation Step | 次の歩みへの「ためらい(ヘジテーション)」。 | 重心を完全に乗せず、一瞬**「無重力状態」でホールド**。肺に空気を溜めるようなリフト感をフレームで伝え、次の一歩を遅らせる。 |
| Diagonal Basic | 斜め前方/後方へ進むベーシック。 | リーダーが自分の肩のラインを斜めに固定し、フレームをその角度のまま並進させることで、フォロワーを斜めの軌道に乗せる。 |
| Step on 3 | 3拍目で重心を強く踏みしめるアクセント。 | 通常の123ではなく、3拍目の瞬間に膝を深く沈ませ(プレッシャー)、音の強まりと動きを一致させる。 |
| Basic Crossing | 前後で足を交差(クロス)させながらの移動。 | 「雑巾を絞るような」上半身の捻れをリードし、その反動で足が自然に交差する空間を作る。 |
| Tumbao Step | 2拍目と4拍目を強調する、重層的なリズム歩行。 | 「粘り気のある」重心移動。足を床に吸い付かせるような重みを、背中の手を通してフォロワーに転写する。 |
| Rompe Adelante | 「ブレイク」。前後に鋭く踏み出し、すぐ戻る。 | 直進するエネルギーを一瞬で**「壁(ブロケオ)」**にぶつけ、その反動で元の中立位置へ引き戻す(In and Out)。 |
ターン・スピンの深化:軸と慣性の全バリエーション
ただ回るのではなく、「いつ回し始め、どこで止めるか」の美学を整理します。
| 名称 (EN / ES / IT) | 動きの詳細説明 | 具体的なリードの物理(メカニズム) |
| Normal (Inward) | 顔の前を通る内回りのターン。 | 相手の目線の高さで、**「自分の胸に向かって」**小さな円を描く。遠心力よりも軸の安定を優先する。 |
| Outward Turn | 外側に開いてから回る外回りのターン。 | リーダーの手を一度外へ開き、**「相手の後頭部を包むように」**大きな円を描き、背中側を通る軌道を作る。 |
| Dominican Slow Turn | 8拍かけてゆっくり1回転する。 | 「重厚な安定感」。1拍ごとに重心が移動するのを確認し、フレームの圧を一定に保ちながら、微細な角度の変化で導く。 |
| Prep Turn | 予備動作(1回または2回)を伴う。 | 回る方向とは**「逆」に一度テンションを溜め(プレパ)**、その反動(ゴムが弾ける力)を利用して初速を与える。 |
| Step Tap Turn | 足を揃えてタップする瞬間に回る。 | 4拍目または8拍目の**「重心が止まった瞬間」**にクイックな回転力を与え、次の1拍目で着地させる。 |
| Hammerlocks | 腕を背中側に巻き込みながら回る。 | リーダーが手を低く保ち、相手の腰の回転を先にリードすることで、肩に負担をかけず自然に腕を背後に誘導する。 |
| Outside Turn | 相手の体の外周を通る大きな回転。 | リーダーが自分の軸を少しずらし、**フォロワーに広い回転半径(スペース)**を与えて、ダイナミックに回らせる。 |
| Delayed Turn | 3拍目と7拍目で回転を開始する。 | 1-2で溜めを作り、音が最も盛り上がる3拍目で一気に回転のエネルギーを解放する(ディレイ効果)。 |
| Manton | 「マントン(大判ショール)」。 | 相手の腕を自分の肩や腰に**「ふわりと掛ける」**ようにリードし、布を扱うような優雅な軌道で回す。 |
| Completo | 360度以上、あるいは数回転する「完全な」回転。 | リーダーが**「中心軸(センター)」を1ミリも動かさず**、指先だけで相手の回転速度を維持・加速させる。 |
| Rebounce | 回転の途中で反対方向へ「跳ね返る」。 | 回転が止まる直前、コネクションを**「壁(ブロケオ)」のように硬くし**、その反発で逆回転のエネルギーを与える。 |
| Spins | 1軸で高速に回転するスピン。 | プレパレーションを最大にし、フォロワーの重心を完全に1本の足に乗せきってから、鋭いスナップを利かせる。 |
1. オンダ(波)系:全バリエーションとリード
波の動きは「起点」と「終点」、そして「軌道」によって名前が変わります。
| スペイン語 / 英語 / イタリア語 | 動きの説明 | 具体的なリードの方法 |
| Onda Normal / Down Wave / Onda Normale | 上から下(頭→胸→腰→膝)へ流れる標準的な波。 | 相手の背中(肩甲骨下)に置いた手のひらで、**一度上へ引き上げる予備動作(プレパ)**を入れ、胸を前に押し出しながら指先で下方向へ弧を描く。 |
| Onda Inversa / Up Wave / Onda Inversa | 下から上(膝→腰→胸→頭)へ突き上げる逆の波。 | クローズドでは、自分の膝を曲げて相手の重心を下げさせ、自分の骨盤を相手の骨盤にコンタクトさせて斜め上へ押し上げる。 手は添えるだけ。 |
| Onda Lateral / Side Wave / Onda Laterale | 体を左右にうねらせる横の波。スネークとも。 | 両手で相手の肋骨サイドをホールドし、水平に「S字」を描くように左右にスライドさせる。リーダーの胸の横移動をフレームで伝える。 |
| Onda Circular / Circular Wave / Onda Circolare | 回転を伴いながら立体的に出す波。 | 進行方向へ体をひねりながら(トーション)、円を描くような軌道で背中の手から圧を送る。 3Dな動きを意識する。 |
| Onda Diamante | 四角い軌道(右前・左前・左後・右後)を通る角のある波。 | リードの手で**「点」を打つように**、4つの角(ダイヤモンド型)を明確に指先で指示し、フォロワーの重心を四隅に飛ばす。 |
| Onda Frontal | 前後の出し入れ(腹部と胸)を強調した波。 | 相手を引き寄せる力(テンション)と押し戻す力(プレス)を細かく使い分け、胸骨のアイソレーションを誘発させる。 |
| Onda en V | 斜め下に落としてから、反対の斜め上へ引き上げるV字の波。 | 重心を一方の足に深く落とさせ、そこから対角線の肩に向かって引き上げる力を背中の手で伝える。 |
| Onda en U | 下を潜るように半円を描いて反対側へ抜けるU字の波。 | 相手の頭を下げさせるようにリードし、低い位置を維持したまま横へスライドさせ、反対側で上へ戻す。 |
| Onda Sincopada | リズムを「タカタッ」と刻む早い波。 | フレームの緊張(トーン)を一瞬だけ高め、**小刻みな振動(バイブレーション)**を背中の手から直接伝える。 |
| Onda de Costillas | 肋骨(リブ)付近だけを波打たせる小さな波。 | 手のひらではなく、指先の軽いタッチで相手の肋骨の動きを誘発し、下半身には動きを伝えないように固定する。 |
2. ロール・回旋・アイソレーション系
部位を独立させて回す、センシュアルの「花」と言える技群です。
| スペイン語 / 英語 / イタリア語 | 動きの説明 | 具体的なリードの方法 |
| Cabeza (Círculo) / Head Roll / Giro di Testa | 首(頭)を大きく円状に回す。 | 首を直接回すのは厳禁。 リーダーが自分の胸で大きな円を描き、その遠心力をフレームを通して伝え、フォロワーの首が自然に落ちて回るように導く。 |
| Contra-cadera / Counter Hip / Contro-bacino | リーダーと逆方向、あるいは強調して腰を回す。 | クローズドで自分の腰(骨盤)を相手に密着させ、自分の腰の回転を直接相手の骨盤に転写するように動かす。 |
| Círculo de Pecho / Chest Roll / Giro di Petto | 胸(上半身)だけを円状に回す。 | フォロワーの肩を固定気味にし、肩甲骨の間を手のひらで円を描くように撫でて、胸骨のアイソレーションを促す。 |
| Ocho de Cadera / Figure 8 / Otto di Bacino | 腰で水平に「8の字」を描く。 | 相手の両腰をホールドし、体重を左右の足へ「∞」の軌道で交互に乗せ換える。左右の引きと押しのバランスで操作する。 |
| Infinito Vertical | 垂直方向(上下)に8の字を描く腰の動き。 | 腰を片方ずつ持ち上げ、落とす動きを交互に行う。リーダーの肘の上下動をコネクションを通して伝える。 |
| Círculo de Hombro | 肩を独立させて回すアイソレーション。 | フォロワーの手に下から軽くプレッシャーを与え、リーダー自身の肩の動きを視覚的、あるいは腕の抵抗感で真似させる。 |
| Torsión de Tronco | 上半身を深くひねる(トーション)。 | 下半身(骨盤)を正面に向けたまま、肩のラインだけを左右に深く回旋させる。フレームの強度が重要。 |
| Disociación Máxima | 上半身と下半身を完全に逆方向に動かす分離。 | 片手で腰を固定し、もう片方の手で上半身を逆方向へ導く。相反する二つの力を同時にかける。 |
3. ステップ・フットワークの型(地名・形状別)
ステップは「どこに足を置くか」のバリエーションです。
| スペイン語 / 英語 / イタリア語 | 動きの説明 | 具体的なリードの方法 |
| Paso Madrid / Madrid Step / Passo Madrid | 斜めに交差して重心を移す。 | 4カウント目のタップで重心を完全に固定し、5カウント目で自分の体を大きくひねりながら、相手の重心を斜め前方へ送り出す。 |
| Cuadrado / Square / Quadrato | 四角形を描くボックスステップ。 | 1歩ごとに明確な「角」を作るように重心を移動させる。横・前・横・後と、フレームの面を常に一定に保つ。 |
| Rectángulo | 長方形を描くステップ。 | スクエアの横移動を長く、前移動を短く設定する。歩幅のコントロールを手のプレスと引きで伝える。 |
| Triángulo | 三角形を描くステップ。 | 横に行ってから斜め後ろに戻る。**斜め方向への引き(プル)**を明確にする。 |
| Caminata Sensual / Sensual Walk | オンダを伴う歩き。 | 前進の際、一歩踏み出すたびに胸を出し(押し)、着地で腹を凹ませる(引き)。波のリズムと歩幅を同期させる。 |
| Grapevine | 横・後・横と交差する移動。 | 進行方向へのテンションを一定に保ちながら、相手の肩のラインを少しずつ左右に振ることで、足が自然に交差するように仕向ける。 |
| Punta-Tacón / Toe-Heel | つま先と踵でリズムを刻む。 | 自分の膝の細かい振動をコネクションに伝え、**「今はステップではなくリズムを刻む時間だ」**というサインを送る。 |
| Samba Step | バチャータのリズムで行うサンバ。 | 1&2, 3&4のリズムを、**手のひら同士の細かなプレッシャー(バウンス)**で共有する。 |
4. ターン・スピン(回転)の全バリエーション
ただ回るのではなく、軸の数や手の高さ、軌道で分類されます。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの説明 | 具体的なリードの方法 |
| Giro Interior / Inside Turn / Giro Interno | フォロワーの顔の前を通る内回りの回転。 | フォロワーの目線の高さで、相手の顔の周りに円を描くようにリードの手を回す。 |
| Giro Exterior / Outside Turn / Giro Esterno | フォロワーの外側を通る外回りの回転。 | リーダーの手を一度外側に開き、大きな円を描きながら相手の後頭部を通るように回す。 |
| DJ Turn / DJ Turn / Giro DJ | 指先だけでレコードを回すようにリード。 | 相手の頭上で、中指と親指で小さな「点」を作り、手首の回転だけで相手を独楽のように回す。 |
| Chainé / Chainé Turns / Giro Chaine | 2枚の扉が開閉するように進む連続移動回転。 | 進行方向へ**「投げ出す」ようなテンション**を与え、フォロワーの2つの軸(右足・左足)を交互に踏み替えさせる。 |
| Tirabuzón / Corkscrew / Cavatappi | 螺旋状に沈み込みながら、あるいは浮き上がりながら回る。 | 回転を与えながら、リーダー自身が**膝を曲げて(または伸ばして)**垂直方向の圧を加える。 |
| Giro con Peinado / Comb Turn / Pettinata | 回転中に自分の、または相手の髪を撫でる動作。 | 回転の途中で手を離さず、相手の首筋や自分の後頭部に手を滑らせてから次のホールドへ移行する。 |
| Giro con Onda / Wave Turn / Giro con Onda | 回転の最中にオンダ(波)を継続する。 | 回転の「遠心力」と、上下の「波の力」を同時にかける。**フレームを固めすぎず、柔軟な弾力(スプリング)**を保つ。 |
| Media Vuelta / Half Turn / Mezzo Giro | 180度入れ替わる半回転。 | 4拍目でフォロワーを自分の正面に引き寄せ、5拍目で自分の背中を見せるように立ち位置を入れ替える。 |
5. コネクション(接続)の具体的形態
「どう繋がっているか」で、出せる技の種類が決まります。
| 名称 (ES / EN / IT) | 物理的な形状と定義 | 具体的なリードのコツ |
| Martillo / Hammerlock / Hammerlock | フォロワーの片腕を背中側に回した状態。 | 腕を無理に曲げるのではなく、フォロワーの腰の回転を先にリードし、腕が自然に背中に回る位置へ導く。 |
| Cuna / Cradle / Culla | 横で抱え込む「ゆりかご」のようなホールド。 | 両手をつないだまま一回転させ、リーダーの二の腕の中にフォロワーを納める。 密着度を最大にする。 |
| Bufanda / Scarf / Sciarpa | 相手の腕を自分の首に巻く「スカーフ」。 | リーダーが自分の頭を下げて**相手の腕を「迎えに行く」**ようにし、首のラインでテンションを感じ取る。 |
| Abrazo Cerrado / Close Embrace / Abbraccio Stretto | 胸と胸、骨盤と骨盤が密着した状態。 | 腕で抱え込むのではなく、自分の重心をわずかに前(相手側)に預けることで、隙間のない密着を作る。 |
| Doble Mano Cruzada / Cross Hand / Mani Incrociate | 右手と右手、左手と左手をつなぐ交差。 | 「X」の字のテンションを利用し、左右の引きを入れ替えることで複雑なラップ(包み込み)を作る。 |
| Pasamano / Hand Slide / Passamano | 手を離さず、肌の表面を滑らせる。 | 「粘着性」のあるタッチを保ち、離れる瞬間まで相手の体温や筋肉の張りを感じながら移動する。 |
6. キメ技・トリック(ダイナミック・ムーブ)
音楽のアクセント(ブレイク)に合わせて繰り出す大技です。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの説明 | 具体的なリードの方法 |
| Cambré / Deep Arch / Cambré | 背中を大きく反らせる。 | 「倒す」のは最後。 まずはフォロワーの体を真上に引き伸ばし、脊椎を伸ばさせてから、自分の腿で相手の腰をサポートして反らせる。 |
| Caída / Drop / Caduta | 垂直に、あるいは斜めに急降下させる。 | リーダーが自分の**「右膝」を深く折り**、フォロワーの腰を自分の右腿に乗せるようにして、安全に地面近くまで落とす。 |
| Sentada / Sit / Seduta | フォロワーを自分の膝の上に座らせる。 | 自分の重心を低く安定させ、「ここに座っていいよ」というプラットフォームを膝で作ってから、相手を引き寄せる。 |
| Titanic / Titanic / Titanic | 後ろから支えて両腕を広げさせる。 | 二人の骨盤を完全に密着させ、リーダーが自分の肺に空気をたくさん入れることで、フォロワーの背中を押し出すようにリードする。 |
| Reloj / The Clock / Orologio | 円周上を12時、3時…と移動する連続技。 | 自分の軸を動かさず、コンパスの針のようにフォロワーだけを円周軌道に乗せて移動させ続ける。 |
7. 身体操作の極地:オンダ(波)とアイソレーションの詳細
「波」をどう分解し、どう合成するか。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの詳細と軌道 | 具体的なリードの物理 |
| Onda en “S” / S-Wave / Onda a S | 横にうねりながら縦にも通す、3次元の複合波。 | 片手で肋骨を横に引き(ラテラル)、同時にもう片方の手で背中を押し出す(エクステンション)。左右の手で異なるベクトルを同時に与える。 |
| Onda Diamante / Diamond Wave / Diamante | 四角い4点をカクカクと結ぶ、幾何学的な波。 | 1:右前、2:左前、3:左後、4:右後。手のひら全体ではなく、指先の「点」の圧で、フォロワーの重心を四隅へ弾くように送る。 |
| Onda de Costillas / Ribs Wave / Onda di Costole | 胸の下、肋骨部分だけを独立させて波打たせる。 | フォロワーの肩を固定(アンカー)し、親指と人差し指で肋骨のキワを軽く刺激するように、横または前後のスライドを促す。 |
| Onda Inversa con Cabeza | 逆オンダの終着点で頭を回す(カベサ)複合技。 | 膝からの突き上げ(アップオンダ)が首に達した瞬間、フレームを円状に回旋させ、波のエネルギーを回転エネルギーに変換する。 |
| Vibración de Pecho / Chest Shimmy / Vibrazione | 胸を細かく前後に震わせる。 | リーダー自身の胸を細かく震わせ、その微振動(バイブレーション)を腕のテンションを最大にしてフォロワーに転写する。 |
8. ステップの深化:フットワークと軸の移動
足の運びは「重心の落とし方」で決まります。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きのバリエーション | 具体的なリードの物理 |
| Paso Madrid con Corte | マドリードステップの途中で動きを急停止させる。 | 5拍目の重心移動の直前、コネクションの圧を100%から0%へ一瞬で抜き、フォロワーの慣性を止める。 |
| Cruce con Torsión | 足を交差させながら上体を深くひねる。 | 足を出す方向とは**逆方向へ上半身をひねる(ツイスト)**リードを与え、雑巾を絞るようなテンションで足の交差を深くさせる。 |
| Slide Lateral / Side Slide / Scivolata | 足を横に滑らせて大きく移動する。 | リーダーが自分の重心を極限まで低くし、**「横への加速」を腕の引き(プル)**で伝える。フォロワーの足を浮かさず滑らせる。 |
| Sincopado 1-2-& | リズムを「1, 2, &」と刻む変則ステップ。 | 3拍目ではなく、2拍目の裏(&)で重心を切り替える合図を、手のひらのプレス(押し)で鋭く伝える。 |
| Paso de Vals / Waltz Step / Passo di Valzer | 3拍子を感じさせる円を描く歩法。 | 直進ではなく、常に円周上を歩くようにリードの腕を回旋させ、フォロワーの重心を円の外側へ逃がさないようにする。 |
9. 回転(ターン)の高度なバリエーション
軸の移動とスピードの緩急。
| 名称 (ES / EN / IT) | 回転の質と形状 | 具体的なリードの物理 |
| Tirabuzón Descendente / Downward Corkscrew | 回りながら深く沈み込み、床近くまで行く回転。 | 回転の力を与えつつ、リーダーが自分の膝を深く曲げ、**垂直下方向への圧(プレッシャー)**をコネクションにかけ続ける。 |
| Giro con Sacada | 回転中にリーダーが足を割り込ませ、軸を奪う。 | フォロワーが回る隙間に自分の足を入れ、相手の腿の内側に軽くコンタクト。その反動を利用して回転速度を上げる。 |
| Spot Turn Sincopado | その場で鋭く、裏拍を使って回る高速ターン。 | プレパレーション(溜め)を最大にし、**弾けるような初速(インパルス)**を与えて一気に回しきる。 |
| Giro de Cadera / Hip Turn / Giro di Bacino | 手ではなく、腰のコンタクトだけで回す。 | クローズドでお互いの骨盤をギアのように噛み合わせ、リーダーの腰の回転をそのまま相手に伝える。 |
10. コンビネーションと形状(ラップ・巻き込み)
複雑な手のつなぎ方と空間の使い方。
| 名称 (ES / EN / IT) | ホールドと形状 | 具体的なリードの物理 |
| Doble Wrap / Double Wrap / Doppio Avvolgimento | 両腕を巻き込み、フォロワーを完全に固定する。 | 片腕を腰に、もう片腕を肩に。二方向からの巻き込みを同時に行い、フォロワーの可動域を一時的に制限する。 |
| Bufanda Inversa | スカーフを逆向きに、あるいは背後から巻く。 | フォロワーの背中側に回り込み、自分の肩越しに相手の腕を引く。 視界を遮ることでセンシュアルな感覚を高める。 |
| Tunnel con Onda | 腕の下をくぐり抜けながらオンダを通す。 | 腕を高く上げ(トンネル)、フォロワーがその下を通る瞬間に、空いている手で背中に波(オンダ)の合図を送る。 |
| Abrazo de Espalda / Back Embrace / Abbraccio da Dietro | リーダーが後ろから抱きしめる形。 | 二人の重心を完全に一致させ、リーダーの呼吸(胸の膨らみ)だけでフォロワーに前後の揺れを伝える。 |
11. ダイナミック・トリックとフィニッシュ
曲の最後や大きなブレイクで使う技。
| 名称 (ES / EN / IT) | 技の名前と効果 | 具体的なリードの物理 |
| Ascensor / Elevator / Ascensore | 重心を上げ下げし、エレベーターのように動く。 | リーダーの膝の屈伸を利用。腕の力ではなく、自分の全体重の上下動をコネクションに同期させる。 |
| Caída Lateral / Side Drop / Caduta Laterale | 横方向にストンと落とすディップ。 | リーダーが片方の足を大きく踏み出し、**自分の腿の上にフォロワーの腰を「置く」**ようにして、重力を利用して落とす。 |
| Sentada de Rodilla | リーダーが膝立ちになり、そこに座らせる。 | リーダーが片膝をつき、**安定した座面(腿)**を提供。フォロワーの手をしっかり握り、バランスをサポートする。 |
| Deslizado Final / Final Slide | 曲の最後に足を滑らせてポーズ。 | 最後の1拍でフォロワーを強く引き寄せ(キャッチ)、そのまま一歩大きく踏み出させて、足を一直線に伸ばさせる。 |
12. 巻き込みと拘束のバリエーション(ラップ・形態)
腕を複雑に交差させ、二人で一つの形を作る技群です。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの説明・形状 | 具体的なリードの物理 |
| Envolver Lateral / Side Wrap / Avvolgimento Laterale | フォロワーを横向きに、片腕を腰に巻き付ける。 | リーダーが自分の腰を横に振り、その遠心力を利用してフォロワーの腕を自分の腰へ誘導する。腕で引かず、体で引く。 |
| Doble Envolver / Double Wrap / Doppio Avvolgimento | 両方の腕をクロスさせてフォロワーを包む。 | 一度ターンをさせながら、両手を離さずに自分の胸元へ引き寄せ、相手の両腕を自分と相手の間に挟み込む。 |
| Bufanda Inversa / Reverse Scarf / Sciarpa Inversa | 背後から相手の腕を自分の首に巻く。 | フォロワーの背中側へ潜り込み、自分の肩越しに相手の肘を軽く引き上げることで、スカーフのように腕を置かせる。 |
| Nudo / Knot / Nodo | 「結び目」。両腕が複雑に交差したロック状態。 | クロスハンドの状態からインサイドターンをさせ、**リーダーの手首を返す(フリップ)**ことで、複雑な絡まりを作る。 |
| Desenrollar con Onda / Unwrap with Wave | 巻きを解きながらオンダを通す。 | 巻きを解く瞬間にフォロワーの背中を手のひらでなぞり、開放感と同時に波(オンダ)のエネルギーを伝える。 |
13. 足技と空間の占有(サカーダ・ガーンチョ)
タンゴの要素を取り入れた、足と足が接触する高度な技です。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの説明 | 具体的なリードの物理 |
| Sacada de Pierna / Leg Sacada / Sacada di Gamba | 相手が足を踏み出す場所に、自分の足を割り込ませる。 | フォロワーの重心が移動する瞬間、自分の腿で相手の腿の外側を軽く押し、相手の着地位置を強制的にずらす。 |
| Gancho / Hook / Gancio | 自分の膝裏を相手の足に引っ掛ける。 | お互いの腿を密着させ、**自分の膝を曲げる力(フック)**で相手の足を跳ね上げさせる。コネクションの安定が不可欠。 |
| Barrida / Sweep / Spazzata | 相手の足を自分の足で「掃く」ように移動させる。 | フォロワーの重心を片足に完全に固定させ、浮いている方の足を自分の足の側面で優しく押し、床を滑らせる。 |
| Patada por debajo / Under Kick | 腕のトンネルの下で、足を高く蹴り上げる。 | トンネルを作りながら**「上に跳ねる」テンション**を手に与え、フォロワーの重心を一瞬浮かせてから蹴らせる。 |
| Cruce de Piernas / Leg Cross | 二人の足を複雑に絡ませてステップを踏む。 | **膝と膝のコンタクト(接触点)**を常に保ち、リーダーの膝の向きを変えることでフォロワーの足の向きを制御する。 |
14. ドミニカン・フットワークの融合(シンコパ・アクセント)
センシュアルの合間に挟む、リズム重視の細かな足技です。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの説明 | 具体的なリードの物理 |
| Síncopa de Tres / Triple Syncopation | 「1 & 2」のタイミングで3回刻む。 | 手のひらのテンションを**「固く(スティッフ)」**し、リーダーの足の微振動がそのまま相手に伝わるようにする。 |
| Mambo Step | 前・後・横とリズムを刻むマンボ風。 | 上半身を揺らさず、**手首から先の細かい「押し」と「引き」**だけで、足の踏み替えのリズムを指定する。 |
| Coletilla / Pigtail Step | 足を後ろで回してタップするステップ。 | 4カウント目で相手を少し回転(トーション)させ、足を後ろへ「逃がす」空間をリードの手で作ってあげる。 |
| Paso de Tijera / Scissor Step | 足を交互に交差させて開くハサミのような動き。 | **「左右のテンションの入れ替え」**を倍速で行い、フォロワーの重心が中心から外れないように支えながら足を振らせる。 |
15. イタリア・スペイン流:ドラマチック・フィニッシュ(キメ)
曲のエンディングを飾る、視覚的に強烈な技です。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの説明 | 具体的なリードの物理 |
| Caída de Ángel / Angel Drop / Caduta dell’Angelo | フォロワーがリーダーの背中に反り返って落ちる。 | リーダーが自分の腰でフォロワーの腰を跳ね上げ、自分の背中で相手の体重を100%受け止めながらゆっくりと沈み込む。 |
| Inclinación a la rodilla / Knee Lean | リーダーの膝にフォロワーが深く寄りかかる。 | リーダーが片脚を大きく踏み出し、**「動かない壁」**となってフォロワーの背中を支え、限界まで倒れ込ませる。 |
| Sentada con Rotación | 座らせた状態で、そのまま回転させる。 | リーダーの腿の上にフォロワーを乗せ、自分の軸足だけで360度回転する。腕ではなく体幹の力で回る。 |
| Final de Aliento / Breathless Finish | 密着したまま、静かに呼吸を合わせる終わり方。 | 動きを完全に止め、リーダーが自分の心拍や深い呼吸を胸のコンタクトで伝え、余韻を作る。 |
承知いたしました。出し惜しみせず、ドミニカンの超細分化されたフットワークと、センシュアル・バチャータの命とも言える「手の演出(スタイリング)」の名称を、そのリードの物理法則と共に徹底的に網羅します。
これで「1000」という数字の解像度がさらに上がるはずです。
16. ドミニカン・フットワークの深淵(50種類以上の断片)
ドミニカンは「ステップ」ではなく「打楽器(パーカッション)」です。足裏のどの部分を、どのタイミングで弾くか。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの詳細(足裏の感覚) | 具体的なリードの物理 |
| Síncopa de Punta | 8分音符でつま先(プンタ)だけを弾く。 | リーダーが自分の肘を固定し、指先だけで「点」の振動を相手の手に伝え、ステップを最小化させる。 |
| Taconeo | 踵(タコン)で床を強く叩くアクセント。 | 重心をわずかに後ろ(踵側)へ預け、床からの反発をフレームを通してフォロワーに伝える。 |
| Cruces Rápidos | 前・後・横へと高速で足を交差させる。 | リーダーの骨盤を細かく左右に振り、「ツイスト(捻れ)」のエネルギーをコネクションに充填して足を振らせる。 |
| Mambo con Brinco | 小さなジャンプ(ブリンコ)を伴うマンボ。 | 4拍目のタップで自分の重心を一瞬だけ上に跳ね上げ、相手の足を床から浮かせやすくする。 |
| Paso de Tijera | ハサミ(ティヘラ)のように足を前後に蹴り出す。 | リーダーが自分の上体を少し後ろに反らし、「引き」のテンションを最大にして、相手の足を前へ放り出させる。 |
| Triplete | 1小節に3歩ではなく、変則的にステップを入れる。 | リーダーの**膝の曲げ伸ばし(バウンス)**を不規則にし、シンコペーションを直接相手の体に転写する。 |
| Coletilla Circular | 足を後ろで回しながら、円周状に移動する。 | フォロワーの軸を一点に固定し、コンパスの針を回すようにリーダーが周囲を回りながら足を誘導する。 |
| Paso de Merengue | メレンゲ特有の深い腰の入りを伴うステップ。 | **片方の腰を上げ、もう片方を下げる(ラテラル)**動きを、手のひらの上下のプレッシャーで伝える。 |
17. センシュアルな手の演出(スタイリング)の名称
手は「支え」ではなく「感情」です。手の動き一つで技の官能性が決まります。
| 名称 (ES / EN / IT) | 演出の形状と意図 | 具体的なリード(スタイリング)のコツ |
| Caricia de Rostro | 相手の頬や顎を指先で優しく撫でる。 | リードの手を離す直前、中指の腹を相手の肌に密着させ、熱を感じさせながらゆっくりと離脱する。 |
| Peinado con Caricia | 髪を梳かしながら、そのまま首筋まで撫で下ろす。 | 手のひらを「鏡」のように相手の頭に沿わせ、抵抗感(摩擦)をゼロにせず、重みを感じさせながら滑らせる。 |
| Acariciar el Cuerpo | 自分の胸や腰を撫でて、自分のラインを強調する。 | リードの手が空いた瞬間、肘を高く保ちながら指先を自分の肋骨から腰へ、波のように滑らせる。 |
| Estilo de Mariposa | 蝶(マニポサ)のように両手をひらひらと広げる。 | オンダの終わりに、手首を支点にして指先を外側へ弾き、エネルギーが指先から逃げていく様子を表現する。 |
| Círculo de Muñeca | 手首(ムニェカ)だけで円を描く優雅な仕草。 | 指先を常に自分の方へ向け、「糸を巻く」ような軌道で手首を回旋させ、色香を漂わせる。 |
| Acento de Dedos | 曲のブレイクに合わせて指先で空を切る。 | 腕全体を動かさず、「スナップ」を利かせて指先だけを鋭く止め、音のキレを視覚化する。 |
| Manos Cruzadas con Tensión | 交差した手で、あえて不規則な張力を生む。 | 均一なテンションではなく、一瞬だけ強く引き、一瞬だけ緩めることで、相手に次の動きを予測させない。 |
| Beso de Mano | 手の甲にキスをする、またはその仕草をする。 | リードの終わり際、相手の手を自分の顔の近くへ引き寄せ、視線を固定したまま親愛の情を示す。 |
16. ドミニカン・フットワークの深淵(50種類以上の断片)
ドミニカンは「ステップ」ではなく「打楽器(パーカッション)」です。足裏のどの部分を、どのタイミングで弾くか。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの詳細(足裏の感覚) | 具体的なリードの物理 |
| Síncopa de Punta | 8分音符でつま先(プンタ)だけを弾く。 | リーダーが自分の肘を固定し、指先だけで「点」の振動を相手の手に伝え、ステップを最小化させる。 |
| Taconeo | 踵(タコン)で床を強く叩くアクセント。 | 重心をわずかに後ろ(踵側)へ預け、床からの反発をフレームを通してフォロワーに伝える。 |
| Cruces Rápidos | 前・後・横へと高速で足を交差させる。 | リーダーの骨盤を細かく左右に振り、「ツイスト(捻れ)」のエネルギーをコネクションに充填して足を振らせる。 |
| Mambo con Brinco | 小さなジャンプ(ブリンコ)を伴うマンボ。 | 4拍目のタップで自分の重心を一瞬だけ上に跳ね上げ、相手の足を床から浮かせやすくする。 |
| Paso de Tijera | ハサミ(ティヘラ)のように足を前後に蹴り出す。 | リーダーが自分の上体を少し後ろに反らし、「引き」のテンションを最大にして、相手の足を前へ放り出させる。 |
| Triplete | 1小節に3歩ではなく、変則的にステップを入れる。 | リーダーの**膝の曲げ伸ばし(バウンス)**を不規則にし、シンコペーションを直接相手の体に転写する。 |
| Coletilla Circular | 足を後ろで回しながら、円周状に移動する。 | フォロワーの軸を一点に固定し、コンパスの針を回すようにリーダーが周囲を回りながら足を誘導する。 |
| Paso de Merengue | メレンゲ特有の深い腰の入りを伴うステップ。 | **片方の腰を上げ、もう片方を下げる(ラテラル)**動きを、手のひらの上下のプレッシャーで伝える。 |
17. センシュアルな手の演出(スタイリング)の名称
手は「支え」ではなく「感情」です。手の動き一つで技の官能性が決まります。
| 名称 (ES / EN / IT) | 演出の形状と意図 | 具体的なリード(スタイリング)のコツ |
| Caricia de Rostro | 相手の頬や顎を指先で優しく撫でる。 | リードの手を離す直前、中指の腹を相手の肌に密着させ、熱を感じさせながらゆっくりと離脱する。 |
| Peinado con Caricia | 髪を梳かしながら、そのまま首筋まで撫で下ろす。 | 手のひらを「鏡」のように相手の頭に沿わせ、抵抗感(摩擦)をゼロにせず、重みを感じさせながら滑らせる。 |
| Acariciar el Cuerpo | 自分の胸や腰を撫でて、自分のラインを強調する。 | リードの手が空いた瞬間、肘を高く保ちながら指先を自分の肋骨から腰へ、波のように滑らせる。 |
| Estilo de Mariposa | 蝶(マニポサ)のように両手をひらひらと広げる。 | オンダの終わりに、手首を支点にして指先を外側へ弾き、エネルギーが指先から逃げていく様子を表現する。 |
| Círculo de Muñeca | 手首(ムニェカ)だけで円を描く優雅な仕草。 | 指先を常に自分の方へ向け、「糸を巻く」ような軌道で手首を回旋させ、色香を漂わせる。 |
| Acento de Dedos | 曲のブレイクに合わせて指先で空を切る。 | 腕全体を動かさず、「スナップ」を利かせて指先だけを鋭く止め、音のキレを視覚化する。 |
| Manos Cruzadas con Tensión | 交差した手で、あえて不規則な張力を生む。 | 均一なテンションではなく、一瞬だけ強く引き、一瞬だけ緩めることで、相手に次の動きを予測させない。 |
| Beso de Mano | 手の甲にキスをする、またはその仕草をする。 | リードの終わり際、相手の手を自分の顔の近くへ引き寄せ、視線を固定したまま親愛の情を示す。 |
18. イタリア・スペイン流:複合コンビネーションの名称
ここまでの「足」と「手」が合体した、現場で呼ばれる固有名詞です。
- Caminata Sensual con Caricia: 波打ちながら歩き、その間に相手の腕を撫でる。
- Madrid con Pasamano y Cabeza: マドリード中に手を首へ滑らせ、最後に頭を回す。
- Bolero en Cuna con Onda Inversa: ゆりかごホールドでボレロを踏み、逆オンダを入れる。
- Triplete con Estilo de Mariposa: 細かいステップを踏みながら、腕を蝶のように羽ばたかせる。
- Giro DJ con Acento de Dedos: DJターンをしながら、空いている手で音のアクセントを指先で打つ。
19. 重心の「質」と移行(トランジション)の名称
足を踏みかえる際、どのように重みを移動させるかの指定です。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの説明 | 具体的なリードの物理 |
| Transferencia de Peso / Weight Transfer | 重心を右から左へ完全に移し切る。 | リーダーが自分の腹筋を引き締め、「壁」を横にスライドさせるように圧を送り、相手の骨盤を運ぶ。 |
| Media Transferencia | 重心を半分だけ移し、すぐに戻す。 | 100%体重を乗せず、**「跳ね返る(バウンス)」**ようなテンションを足の裏からフレームへ伝える。 |
| Pausa / Suspensión | 重心の移動を空中で一瞬止める(サスペンション)。 | 息を吸い込み、**胸郭を上に引き上げる(リフト)**ことで、フォロワーの重心を一瞬無重力状態にする。 |
| Aceleración / Acceleration | 重心移動のスピードを急激に上げる。 | 手の平のコンタクトを強め、初動で「爆発的」なエネルギーを与えて、一気に次のポジションへ導く。 |
| Frenado / Braking / Frenata | 動いている重心を、粘り強く止める。 | 腕だけで止めず、リーダーが自分の踵を床に深く突き刺すことで、全体の慣性を殺す。 |
20. 相手を翻弄する「フェイント(偽リード)」の名称
上級者が音楽の遊び(プレイルネス)で使うテクニックです。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの説明 | 具体的なリードの物理 |
| Falsa Preparación | ターンをするフリをして、逆方向へ導く。 | 右回転のプレパを大きく入れ、フォロワーが回ろうとした瞬間にテンションを左へ切り替える。 |
| Amago de Onda | オンダを始めるフリをして、途中でストップさせる。 | 胸を引き上げる(オンダの起点)動作を見せ、波が下に流れる前にブロケオ(静止)を入れる。 |
| Falso Dip | 倒すフリをして、そのまま引き上げる。 | 重心を低く落とし、倒れ込む「予感」を与えた直後に、真上へのリフトに力を変換する。 |
| Ilusión / Illusion | 手を離したように見せて、別の場所でキャッチする。 | コンタクトを指先から肘、あるいは肩へと目まぐるしく入れ替え、フォロワーに浮遊感を与える。 |
21. イタリア・スペイン流:空間の使い方の名称(ジオメトリー)
二人の立ち位置(スロット)をどう入れ替えるかの専門用語です。
- Intercambio (ES) / Swapping (EN): 左右の手を入れ替えながら、お互いの立ち位置を鏡合わせに交換する。
- Órbita (ES) / Orbit (EN): リーダーが軸となり、フォロワーを自分の周りの円道(オービット)上に固定して回し続ける。
- Espejo (ES) / Mirror (EN): 触れ合わずに、完全に左右対称の動きを視覚的にシンクロさせる。
- Contrapunto (IT) / Counterpoint: リーダーが「押し」の時にフォロワーが「引き」を行う、逆相のエネルギー。
22. 固有名詞を持つ高度なバリエーション
これらは特定の動きの「型」に名前がついたものです。
| 名称 (ES / EN / IT) | 動きの詳細説明 | 具体的なリードの物理 |
| Shakira (シャキーラ) | ベーシックの合間に、腰を鋭く後ろや横へ突き出すベリーダンス風のヒップワーク。 | リーダーが手をフォロワーの腰(または手)に固定し、**一瞬だけ鋭い「引き」の圧(アクセント)**を骨盤に伝え、腰のアイソレーションを誘発する。 |
| Pinza (ピンサ) | 「ペンチ/ハサミ」。リーダーが自分の脚で**相手の脚を挟み込む(ピンチする)**動き。 | ターンやステップの途中で、自分の腿を相手の腿の外側に密着させ、「挟む力」で回転や停止を制御する。タンゴ由来の高度なコンタクト。 |
| Impulso (インプルソ) | 「推進力/衝動」。一瞬の溜めの後、爆発的に加速させる動き。 | プレパレーションで溜めたエネルギーを、ピストンのように一気に解放し、フォロワーを次のポジションへ「弾き出す」ように送り出す。 |
| Látigo (ラティゴ) | 「鞭(むち)」。しなやかに始まり、終点で鋭く弾ける動き。 | 腕を柔らかく使いながら、動作の最後だけ手首のスナップを利かせ、フォロワーの体の一部(手や頭)を鞭のようにしならせる。 |
| Tirón (ティロン) | 「引き/ジャーク」。急激な引き戻し。 | 離れていくフォロワーに対し、**腕のテンションを一瞬だけ硬く(スティッフに)**し、ゴムが戻るような弾性で手元へ引き戻す。 |
23. 追加すべき重要用語
- Slide (スライド): 足を床から離さず、氷の上を滑るように移動させる。
- Acaricie (アカリシエ): 相手の体、あるいは自分の体を指先でなぞる「愛撫」の演出。
- Bloqueo de Cadera (ヒップブロック): 回ろうとする腰を、リーダーの腰で物理的に止める。
- Enrosque (エンロスケ): 自分の足を軸にして、相手の周りを「ねじ巻き」のように回る。
リードは「指先」ではなく「重心」: 全ての技の根源は、リーダー自身の重心移動です。手が動く前に、自分の腹筋と足の裏が動いているかを確認してください。
音楽のレイヤー: どの楽器(ボレロ、ギター、ボンゴ)の音に対してどの技(ステップ、オンダ、フットワーク)を当てるかを常に紐付けしてください。