いま話題の「ラテンダブルス」を解説!

社交ダンスに革命!いま話題の「ラテンダブルス」大特集
常識破りの新トレンド!ジェンダーフリーで楽しむシンクロの美世界

「社交ダンスといえば、男女がペアになって、ぴったり体を寄せて踊るもの」――そんなこれまでの常識をガラリと変える、新しいダンスのカタチが今、大注目を集めています。それが「ダブルス(主にラテンダブルス、海外ではシンクロラテンとも呼ばれています)」です。

伝統的なステップを踏みながらも、同性同士でお揃いのドレスを着て、まるでアーティスティックスイミングのように息を合わせて踊るこのスタイル。一体どのようなものなのか、その魅力と秘密を分かりやすく解き明かしていきます!

1. なぜ今「ダブルス」なの?誕生のウラにあるドラマ

社交ダンスの歴史をさかのぼると、14世紀ヨーロッパの「ラ・ボルタ」という男女が密着して踊るダンスが起源とされています。それ以来、数百年もの間「男性がリードし、女性がそれに従う」という役割が当たり前とされてきました。

しかし、日本の社交ダンス界には、ある深刻な悩みがありました。それは、圧倒的な「男女比のアンバランス」です。ダンスを楽しみたい、競技会に出たいと思っている人の大多数が女性であるにもかかわらず、ペアを組む男性が圧倒的に足りないのです。「せっかくセンスがあるのに、相手がいないからダンスを諦めるしかない……」そんな女性ダンサーたちの涙を、これまでに数多く生み出してきました。

また、以前から女性同士で組んで出場する「レディース戦」などは存在していましたが、ここには「どちらか一方が男装をして、男性役を演じなければならない」というルールの壁がありました。「私もキレイなドレスを着て華やかに踊りたい!」という女性たちの本音を満たす選択肢は、極めて限られていたのです。

そこで、元プロ競技選手の上脇友季湖さんや清水舞さんらが立ち上がり、「誰もがやりたい役割で、お揃いのドレスを着て、対等にフロアを楽しめる種目を作ろう!」と考案したのが、このラテンダブルスでした。現在では世界ダンススポーツ連盟(WDSF)も公式な競技規律として承認しており、世界的なジェンダーフリーの波に乗って急成長を遂げています。

1.1 ここが違う!従来の「同性ペア」と「ダブルス」の決定的な違い

「女性2人で踊るなら、今までの同性ペアと同じじゃないの?」と思う方も多いはず。しかし、この2つはコンセプトから踊り方まで、まったく異なる別物です。その違いを分かりやすく表にまとめてみました。

表1:レディース戦(従来の同性ペア)とダブルス(ラテンダブルス)の比較

比較項目従来の同性ペア(レディース戦など)ダブルス(ラテンダブルス)
役割の固定固定。一方が「リーダー(男性役)」、もう一方が「フォロワー(女性役)」を演じます。流動的。男性役・女性役という役割の優劣や固定を一切排除します。
踊り方とホールド従来の男女ペア同様、常にお互いにホールドを組み(密着し)、リード&フォローで踊ります。原則としてホールドを組みません(非接触)。同じステップをシンクロ(同調)させて並行して踊ります。
衣装の規定リーダー役を務める側の女性は、スラックスを履くなど「男装」をすることが一般的です。どちらも男装を強制されません。2人ともお揃いや色違いの美しいラテンドレスを着て踊ることができます。
リードのルール一方が主導権(リード)を握り、もう一方がそれに従い続けます。接触してリードを行う場合は全体の半分未満とし、役割を交代して同じステップを再現しなければなりません。

このように、これまでの同性ペアが「男女ペアの代用」だったのに対し、ダブルスは「2人のダンサーが対等に、シンクロ(同調)の美を追求する新しいアート」なのです。

2. 世界と日本で広がる「ダブルス」の最前線

ダブルスの人気が高まるにつれ、国内外のダンス連盟が正式なルールをどんどん整備しています。

世界ダンススポーツ連盟(WDSF)では、「シンクロ(Synchro)」というカテゴリーを作り、ヨーロッパを中心に続々と競技会を開催しています。そのカテゴリーは、年齢や人数によって以下のように細かく分かれています。

表2:WDSFにおけるシンクロ競技カテゴリー

区分構成人数およびペアの定義主な対象年齢区分備考
Duo Female女性2名によるペア。ジュニア、ユース、アダルト。最も標準的な同性ダブルスの形態です。
Trio Female女性3名によるチーム。ジュニア、ユース、アダルトなど。同調性を複数人で競う華やかな部門です。
Trio Mixed男女混合の3名構成。ジュニア、ユース, アダルトなど。ジェンダーバランスを打破した新しいトリオ表現です。
Small Team4〜8名程度のチーム構成。アダルト、シニア、ジュニアなど。フォーメーションダンスに近い楽しさがあります。
Big Team10〜20名規模の中・大編成チーム。ジュニア、アダルトなど。大規模な一体感とフォーメーションが魅力です。
Mega Team最大規模の集団によるシンクロ表現。ジュニア、アダルトなど。圧倒的な大人数による迫力のパフォーマンスです。

一方、日本国内でも日本ボールルームダンス連盟(JBDF)や日本ダンススポーツ連盟(JDSF)が独自の競技会を開催しています。例えば、競技会では以下のような部門に分かれてエントリーを受け付けています。

  • ベーシック部門(シンクロ部門):アマチュアの同性ペアを対象に、基本ステップのみを使って純粋なダンスの技術を競い合います。
  • エキシビション部門:プロとアマチュアのペアや、親子、中学生以下のジュニアペアであれば「異性同士」でのエントリーも認められており、誰もが気軽に出場できるよう工夫されています。

さらに、同じ選手が「午前は女性役、午後は男性役」として別の競技に出場できる画期的な「ダブルエントリー制度」なども導入され、自分の得意な役割を自由に選べる環境が整いつつあります。

3. どうやって踊るの?気になるテクニックと親切な練習法

ラテンダブルスを踊るうえで、もっとも重要視されるのが「シンクロ(同調性)」です。

ベーシック部門ではペア同士が接触することが禁止されているため、手をつながずに踊ります。審査員は、足元の正確なフットワークはもちろん、腕を伸ばす角度、顔の向き、首の角度、体重移動のタイミングがコンマ1秒までピタリと揃っているかを厳しくチェックします。

また、手を繋ぐなどのアクロバティックな動きができるエキシビション部門でも、「1人がリードをしたら、次は役を交代して同じ動きをもう一度やる」というルールがあるため、お互いに高いダンス技術が求められます。

「でも、なんだか難しそう……」と思った方も安心してください!認定NPO法人社交ダンス文化振興会では、初心者のために、チャチャチャ・サンバ・ルンバの3種目で構成された「全国共通ラテンダブルス ステップ集」を公開しています。このステップ集のレッスン動画には、誰でもすぐに真似ができるユニークな工夫が詰まっています。

表3:「全国共通ステップ集」動画の分かりやすい仕組み

レッスンの流れ画面の工夫得られる学習効果
ソロパート(1人で踊る)音楽を流さず、ゆっくりとしたカウントに合わせて、カメラに背中を向けて踊ります。画面にはステップ名が表示されます。視聴者が鏡を見るように、左右の動きを直感的にそのまま真似して自習できます。
ペアパート(2人で踊る)音楽に合わせて2人で実践します。ダンサーは左右で色が異なるウェアやシューズを着用しています。複雑なステップの体重移動や、右足・左足の細かな向きがひと目で分かります。

実際のステップ学習や振付の自習には、認定NPO法人社交ダンス文化振興会の公式サイトで公開されている以下の解説ページがとても便利です。

4. 実際に体験した人たちのリアルな感想&これからの課題

ラテンダブルスに挑戦した愛好家やダンサーからは、驚きと喜びの声が次々と上がっています。

ここが素晴らしい!体験者のハッピーな声

  • 「パートナー探しのストレスから解放された!」 男性パートナーを探す苦労がなくなり、サークルや教室で仲良くなった友達とすぐにチームを組んで目標を作れるようになりました。
  • 「とにかく衣装を選ぶのが楽しすぎる!」 男装をする必要がなく、2人でお揃いの可愛いラテンドレスを選んでメイクも合わせられるため、テンションが上がります。
  • 「初心者でもその日のうちに踊れる手軽さ」 お互いに引っ張り合ったりリードしたりする難しい技術がいらないため、社交ダンスが初めての人でも1日のレッスンで振り付けを覚えて楽しく踊ることができます。
  • 「女性プロダンサーの新しい仕事に!」 女性の愛好家が多い社交ダンス界で、「女性のプロ先生が、女性の生徒さんと組んで競技会に出る」という新しいレッスンが生まれ、女性プロの活躍の場が大きく広がりました。

伝統派からの戸惑い?「違和感」や「気持ち悪い」という感想とその背景

新しい文化が生まれるとき、そこには必ず異なる視点や意見が存在します。ラテンダブルスや同性同士の社交ダンスに対しても、SNSや愛好家の間では、時に「違和感がある」「気持ち悪い」といった否定的な感想が聞かれることがあります。

その理由の背景には、社交ダンスが長年大切にしてきた「男女カップルの美学」があります。 社交ダンスはもともと、男性のたくましいエスコートと女性のしなやかな美しさ、そして2人が密着(ホールド)したときに生まれる「恋愛感情や男女の駆け引きを表現するアート」として発展してきました。そのため、以下のような点で戸惑いを覚える人がいるのです。

  • 男女の恋愛表現を同性同士で再現することへの違和感: ルンバのように愛を囁き合うようなドラマチックなストーリーを同性同士で演じることに対し、「生理的に受け入れにくい」「見ていて気恥ずかしく、気持ち悪いと感じてしまう」という意見があります。
  • 伝統的な美しさへのこだわり: 「やはりドレスを着た女性と、燕尾服を着た男性が踊るからこそ社交ダンスは美しい」という、クラシックな様式美を重んじるベテラン愛好家やシニア層にとって、同性同士のペアは「本来の社交ダンスの美しさを損ねている」と映ることがあります。

実は、ラテンダブルスが「ホールドを組んで密着して踊らない(非接触)」ことや「同じステップを横に並んでシンクロさせる」ことを基本ルールとしているのは、こうした生理的な違和感を解消するための、極めてスマートな解決策でもあるのです。 男女の濃厚な密着表現を模倣するのではなく、アーティスティックスイミングのような「息を呑むシンクロの美しさ」をアピールすることで、見る人にクリーンで、誰もが純粋なスポーツ・エンターテインメントとして楽しめるよう配慮されているのです。

5. あなたはどのタイプ?ダブルスを楽しむ5つのプレイヤー

いま、ダブルスに夢中になっている人たちは、実に個性豊かです!

  1. パートナー難に悩んでいた本格派女子 ダンスが大好きで技術もあるのに、組む相手がいなくて競技会に出られなかったアクティブな女性たち。
  2. ありのままの自分を表現したいジェンダーレス派 「男性役・女性役」の枠にとらわれずに、自分らしい表現を楽しみたい人たち。日本初の女性同士のサークル「ラティーナ」は、わずか18名からスタートして今や50名近くの人気サークルに成長しています。
  3. フィットネス感覚で楽しみたいライト層 友達とおしゃべりしながら、健康的に音楽に合わせて体を動かしたい人たち。社交ダンスは、シニアの「フレイル(健康虚弱)予防に効果的な運動」の第1位にも選ばれており、楽しく続けられる健康法として注目されています。
  4. 自分のダンス力を極めたい超実力派プロ・アマ 「相手のリードに頼らず、自分1人でもブレない完璧な軸とバランスを手に入れたい!」というトップ選手たち。一人でしっかり踊る自立したダンス力こそが、通常のペアダンスをさらに美しくすると言われています。
  5. アットホームに楽しむエンタメ親子・ジュニア ルールが自由なエキシビション部門を使って、お母さんと娘、あるいは小学生同士で仲良くお揃いの衣装を着て楽しむ人たち。

6. テレビやニュースでも大反響!ジェンダーフリーの新潮流

ラテンダブルスは、メディアでも「多様性時代のシンボル」として好意的に取り上げられています。

NHKの夕方の情報番組「ニュースLIVE! ゆう5時」では、上脇友季湖さんと清水舞さんのペアが生出演し、ラテンダブルスを大々的に紹介。「誰もが自分らしく輝ける新しい社交ダンス」として全国に放送され、多くの視聴者から「これならやってみたい!」と大きな反響を呼びました。

また、かつて人気を博した日本テレビの「シャル・ウィ・ダンス?」などのテレビ番組でも、特別企画として女性同士のペアや、男性有名人が女性役として美しく舞う姿が放送され、当時から視聴者を楽しませてきました。

近年では、男子同士のペアが社交ダンスで競い合い、高め合う人気漫画「10DANCE」が話題を呼び、TBSの「金スマ」での社交ダンス企画の人気も手伝って、世間の「同性同士で踊る社交ダンス」への関心と好感度は一気に高まっています。

ラテンダンスのルーツである「サルサ」も、元々はキューバの音楽にアフリカのリズム、アメリカのジャズが融合して生まれた、既存の枠組みを壊す熱いソウルを持ったダンスです。そう考えると、男女のペアという枠を飛び越えて、誰もが対等にフロアで輝ける「ラテンダブルス」の誕生は、ダンスの歴史から見てもとても自然で、最高にクールな進化なのかもしれません。

7. YouTubeで今すぐチェック!絶対に見るべき神パフォーマンス動画

「言葉だけじゃイメージが湧かない!」というあなたのために、YouTubeで公開されている感動モノの名作動画をご紹介します。画面から溢れ出る迫力とシンクロの美しさを、ぜひその目で確かめてみてください!

7.1 日本のトップチャンピオンによる奇跡のコラボ

  • 塚田真美&斎木智子ペア なんと、統一全日本ラテン女王の塚田選手と、10ダンス全日本王者の斎木選手という、夢のトップ女子ペアが奇跡のコラボ!驚くべきことに、わずか35分の練習時間で、チャチャチャとサンバを完璧にシンクロさせて踊りきっています。 動画リンク:【神回】ラテンダブルス<塚田真美&斎木智子ペア>
  • 増田大介&瀬内英幸ペア こちらは全日本ラテンチャンピオンの増田選手と、10ダンス王者の瀬内選手による、超イケメン実力派メンズダブルス!男性ならではのダイナミックで力強い身体能力が完全にシンクロする様子は圧巻の一言です。 動画リンク:【夢の共演】ラテンダブルス<増田大介&瀬内英幸ペア>

7.2 エンタメ感たっぷり!お茶の間でも大人気

7.3 今日から自宅でレッスン!

  • 認定NPO法人社交ダンス文化振興会「全国共通ステップ集」 動画を見ながら一緒に体を動かせる、公式の練習用コンテンツ。色違いのウェアやシューズを使った親切なビジュアルで、初心者でも迷わずステップを習得できます。

伝統を大切にしながらも、もっと自由にもっと楽しくアップデートされた「ラテンダブルス」。お気に入りの音楽をかけて、友達と一緒にそのシンクロする快感を体験してみてはいかがでしょうか?